現在住んでいる住宅に、急な雨漏りが発生した場合にどのような業者に対応をお願いしますか?
修理専門の業者やハウスメーカーなど、さまざまな業者が対応してくれると思いますが、どの業者がより信頼できる業者なのか分かりにくいでしょう。
そこで、ここでは修理をお願いする際に、信頼できる業者としての指標とできる「雨漏り診断士」や「雨漏り鑑定士」の資格に関して、それぞれの違いや役割、選び方などを解説します。
Contents
雨漏りの診断とは?
一般的に雨漏りの診断には「雨漏り点検」「雨漏り調査」「雨漏り診断」の3つの方法があります。
雨漏り点検
雨漏り点検とは、雨漏りが発生している建物の屋根や壁などを目視にて確認し、雨漏りが発生している原因を推測して可能性を抽出することを指します。
建物の持ち主が個人的に確認する場合や、業者により点検をするケースなどさまざまな方法があります。
雨漏り調査
雨漏り調査とは、雨漏りの侵入口及び原因を複数種類の専門の調査方法を用いて特定し補修案を作成することを指します。
調査方法としては、前述の目視での調査をはじめとして、以下のようなものがあります。
散水調査 | 水を散布して雨漏り箇所を特定する |
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紫外線投射発光調査 | 紫外線に反応する液体を雨漏りの侵入口付近に散布し紫外線を投射して確認をする |
赤外線サーモグラフィー調査 | サーモグラフィーを利用してリアルタイムに建物内の温度変化を確認する |
雨漏り診断
雨漏り診断とは、雨漏り調査同様に複数の調査方法を用いて雨漏りの原因を特定して公正な調査のもと診断書や報告書を作成することを指します。
雨漏り調査で同様の報告書を提出するケースなどもありますが、「雨漏り診断士」や「雨漏り鑑定士」の資格を有した方が診断することでより信頼性の高い調査となります。
雨漏り診断士と雨漏り鑑定士の違い
雨漏りの診断を行う際には、「雨漏り診断士」や「雨漏り鑑定士」による診断が信頼できると解説しました。
実際に2種類の診断士によっては、雨漏りに対して担う役割や目的の違いなどはあるのでしょうか?
それぞれの資格について詳しく見ていきましょう。
雨漏り診断士の目的と役割
雨漏り診断士とは、特定非営利活動法人 雨漏り診断士協会(以後雨漏り診断士協会と表記)が管理をおこなう民間の資格のことを指します。
資格の条件としては、受験日当日までに満20歳以上であれば誰でも受験することができます。
雨漏り診断士の目的と理念
雨漏り診断士協会の目的と理念は以下のように記載されています。
「既存建物のストック活用が進む状況下において、雨漏り診断士協会は、それらの瑕疵を抑えるべく、『技術者の職業能力開発』の一環として、雨漏りに関する機序研究、及び、教育研修を実施すると共に、公正な立場で診断を行う『雨漏り診断士』の資格を付与し、雨漏り診断業務の適正化を目的に活動しております。」
【参照】雨漏り診断士協会概要
雨漏り診断士の役割
雨漏り診断士は、建築業の初期不良を無くし既存建物を末長く利用できる環境を整えるための知識向上の役目を担う資格であり、雨漏りがない世の中を目指すことが最終目的になります。
雨漏り鑑定士の目的と役割
雨漏り鑑定士とは、一般社団法人雨漏り鑑定士協会(以後雨漏り鑑定士協会と表記)が管理を行う民間の資格のことを指します。
受験資格としてはどなたでも受験できますが、以下の2点のような方を主にターゲットとしています。
- 20 歳以上の日本国籍者で、建設業または不動産業での実務経験を3 年以上有する者
- 宅地建物取引主任者、建築士の資格を有する者
雨漏り鑑定士の目的
雨漏り鑑定士協会の目的としては定款に以下のように記載されています。
「第3条 当法人は、雨漏りによる建築物の被害をなくし、消費者の不安やストレスを解消し、そこから派生するトラブルを解決するため、雨漏りの発生するメカニズムを職業能力資格の創設と認定を通じ、国内建設業界および一般消費者へ広く知らしめることを目的とする。」
【参照】雨漏り鑑定士協会定款
雨漏り鑑定士の役割
雨漏り鑑定士は、雨漏りの防止を目的としており、雨漏りが起こることで発生するトラブルなどの早期解決を図るための知識を広く一般消費者に伝えることが最終目的となります。
雨漏り診断士と雨漏り鑑定士の違い
雨漏り診断士と雨漏り鑑定士とでは、管理する団体がそれぞれ異なります。
しかしながら、建物から発生する雨漏りを的確に診断して安心して修理に取り掛かれるような環境を作りたい、そして雨漏り自体を無くしたいという考えは共通したものがあるので、大きな違いはないといっても良いでしょう。
雨漏り診断士や雨漏り鑑定士が必要な理由
住居は決して安いものではなく、一度購入すると長期間生活する大切な場所です。
その安全性を確保するには、より専門的な知識を有した専門家の存在が不可欠です。
雨漏りの早期確認
雨漏り診断士や雨漏り鑑定士が必要な理由のひとつとしては、雨漏りが早期発見に繋がりやすくなることにあります。
雨漏りには家のタイプごとにさまざまなケースがあるので、豊富な知識と経験がないと見逃してしまうケースもあります。
一度雨漏りの初期症状を見逃してしまうと、腐食や劣化の進行を早めることに繋がります。
過去の多くの補修例や、雨漏りの発生頻度が高い場所から重点的に調べることで早期発見が可能となります。
雨漏りの早期発見は、未来の住居の快適性を守る上で重要な要素であり、被害を最小限に食い止めることができる唯一の方法です。
住居の安全性確保
雨漏り診断士や雨漏り鑑定士は、雨漏りの早期確認と合わせて建物の安全性確保の面でも重要な役割を果たします。
雨漏りを放置すると、木材などの腐食が加速して柱や梁が弱くなります。
一度柱や梁が弱くなってしまうと、建物の耐久性が著しく低下します。
また、雨漏りの発生で建物の中に張り巡らされた電気系統のシステムにも障害を与える恐れがあります。
雨漏りの拡大を抑止することで、建物の倒壊リスクや漏電などによる火災のリスクからご家族を守ることにも繋がります。
雨漏りの予防対策
現在問題がある箇所の早期発見は重要な役割ですが、今後発生するかもしれない雨漏りへのリスク管理や補強、防水対策などの施工提案も重要な仕事です。
従来からある日本家屋や欧米型の住居スタイルなどで、屋根材はさまざまな種類があります。
屋根ごとに発生する屋根材の交換タイミングや、防水層の強化の方法、現在の排水システムよりも効率のよいシステムの提案など未来の安全性を確保する役割もあります。
雨漏り診断士と雨漏り鑑定士のどちらを選べばよい?
雨漏り診断士と雨漏り鑑定士の目的と役割は、前述のようになります。
雨漏りの修理専門業者に依頼する際に、どちらの資格を有した方が在籍している業者に依頼をすれば良いのでしょうか?
どちらも民間資格であり大きな違いはない
雨漏り診断士は特定非営利活動法人になり、管轄しているのは国土交通省になります。
国としても雨漏り鑑定士を認めていることが分かります。
一方で、雨漏り鑑定士は一般社団法人となります。
管轄は異なりますが、法的に定められた要件をクリアして作られた法人であることが分かります。
どちらの法人も国家資格ではありませんので、一定以上の雨漏りに関する知識を有した方に対して両団体が与えた資格となります。
知識の多さはと公正さは共通している
近年では多様性ある生き方に伴い、住居も従来のようにオーソドックスな住宅以外のさまざまな洋式の需要が高まっています。
そのような中で、雨漏りに関しても年々複雑化する傾向が高くなり、雨漏りに対する専門家の需要が高まっています。
どちらの資格も、雨漏りを公正に診断し安心して顧客が雨漏りの対策や修理を行うことができるような診断を目指しています。
雨漏りの専門家という意味では、どちらの資格も多くの知識や経験を有しており、いずれかの資格を有した方がより専門的であるなどと優劣をつけることはできません。
優良な修理専門業者を見分ける方法
雨漏り診断士や雨漏り鑑定士を取得している社員の雇用は、雨漏りで悩まれている方にとっては頼りになる存在です。
資格の取得をしていることで、知識は一般の方よりも豊富にあることは分かりますが、それだけでは十分ではありません。
コミュニケーションスキルがある
コミュニケーション能力があることも、優良であることの判断要素のひとつです。
理解しやすく説明できる有資格者は、それだけ知識と経験が豊富であり、さまざまなシチュエーションに精通していると言えます。
自信を持って案内できるということは、問題の解決まで頭でシミュレーションができていることになるので信頼性が高いでしょう。
経験値が豊富である
過去の経験が豊富であるほど、成功やミスも多く蓄積されています。
過去のミスは未来への教訓であり、より多くの経験から培った知識は雨漏りの診断を適切に行う指標になります。
ひとつひとつ丁寧に問題と対峙して培われた経験値がある方ほど、難しい場面でも冷静に判断することができます。
新しい知識のアップデートに貪欲である
前述のように過去の経験値の蓄積は重要な要素です。
一方で、雨漏りの診断方法や新たな技術での修理方法や検査方法の学習も重要な要素です。
新たな技術の向上や、知識向上のためにスキルを日々アップデートさせる意識は重要です。
お客様からの要望は、いつも単純で簡単なことばかりではありません。
難しい状況でも、高いスキルと柔軟性のあるアイデアとスキルで解決する診断士をお客様は求めています。
口コミ評判と信頼性
優良な修理業者を見分ける方法としては、口コミの評判を確認することでも信頼性を見ることができます。
複数の方の利用した口コミを確認することで、修理業者のレベルやサービスの質を把握するとある程度の信頼性の確認をすることができます。
評判が高いほどお客様からの信頼は高く、満足度の高い結果であったことになるので、安心して問題の解決に取り組むことができるでしょう。
まとめ
雨漏り診断士と雨漏り鑑定士の違いや、それぞれの資格の役割、修理業者を選ぶ際にどちらの有資格者がいる業者を選ぶ方が良いのかなどについて解説しました。
雨漏り診断士と雨漏り鑑定士は、両資格ともに国家資格ではなく民間の資格でした。
2つの資格の目的や役割は多少異なるものの、建物に雨漏りをさせないような対策や、雨漏りをしている屋根の状態を公正に判断する知識を有しており、雨漏りを防ぎたいという理念は共通したものがあります。
どちらの資格の方が良いということはなく、資格を有している方がいる修理業者の方がより安心であるという認識が良いでしょう。
有資格者がいる業者の方が、雨漏りの早期発見に迅速に対応が可能になるとともに、未来の雨漏りを防ぐアドバイスを行ってくれる存在なので、今後さらに需要が高まる存在となるでしょう。
雨漏り修理の業者を選定する際には、この2つの有資格者がいるのかという点をひとつの選定基準にすると良いかもしれません。