タイル外壁の特徴とは?メリット・デメリットや費用相場について
タイル外壁はその美しさと耐久性から一戸建て住宅や商業施設などのあらゆる建物に採用されている外壁材です。
他の外壁材とは違う質感やデザインは独特の高級感を表現してくれます。
そこでここでは、タイル外壁の基礎知識やメリット・デメリット、さらには費用相場やメンテナンスについても紹介します。
タイル外壁に興味がある方、外壁のリフォームを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
タイル外壁とは
タイル外壁とはタイルを使用した外壁材のことです。
石や粘土や土などの混合物を1000℃以上の高温で焼き固めることによって製造します。
この高温処理によって高い耐久性・防水性・撥水性・耐候性を実現しています。
タイル外壁の種類
タイル外壁にはあらゆる素材や形状のものがあります。
ここでは素材と形状に分けてタイル外壁の種類を紹介します。
素材
タイル外壁で使用されるタイルは主に「磁気質タイル」と「せっき質タイル」の2つです。
どちらも高温で焼き上げられているので、防水性や耐久性が高いという特徴があります。
磁器質 | せっき質 |
---|---|
・磁器製のタイル ・1250℃以上の温度で生成されている ・吸水率が低い ・耐久性が高い ・強度が高い | ・せっき製のタイル ・1,200℃以上の温度で生成されている ・吸水率が低い ・レンガタイルのような雰囲気 |
形状
タイル外壁にはあらゆる種類のものがあり、建物やデザイン、設置環境に合ったものを選びましょう。
主に「平物タイル」「ユニットタイル」「役物タイル」の3タイプのものがあります。
平物タイル | 平面のタイル(正方形・長方形) |
---|---|
ユニットタイル | 平物タイルを連結させたもの |
役物タイル | 特殊な形のタイル |
タイル外壁の選び方
タイル外壁にはさまざまな種類がありますが、どのように選べば良いでしょうか。
ここでは、タイル外壁の選び方を紹介します。タイル外壁を選ぶ際には以下の3点に注目しましょう。
タイル外壁選びの3つのポイント
- 費用
- 色や雰囲気
- サイズや形
費用
タイル外壁にはさまざまなデザイン、素材、形状、機能のものがあります。
そのため、選ぶタイルによって費用が大きく異なります。
お客様の予算に合った素材を選びましょう。
色や雰囲気
タイル外壁にはさまざまなカラーや雰囲気のものがあります。
レンガ調のタイル、天然石風のタイル、シンプルなタイル、真っ白なタイル、ツヤがあるタイルなど多くの色や雰囲気の種類があるので、建物や屋根の雰囲気に合うものを選びましょう。
サイズや形
タイル外壁にはあらゆるサイズや形があります。
正方形・長方形、ボーダータイプの形が主流で、しかもそのサイズもさまざまです。
タイルの形やサイズによって雰囲気が変わるので建物に合ったものを選びましょう。
タイル外壁の種類を選ぶ際には「費用」「色や雰囲気」「サイズや形」などに着目し、お客様の目的や予算に合うものを選ぶのがおすすめです。
タイル外壁のメリット
ここでは、タイル外壁のメリットを紹介します。
タイル外壁を選ぶメリットとして主に次のようなことが挙げられます。
タイル外壁の5つのメリット
- 耐久性が高い
- デザイン性が高い
- 高級感がある
- 美しさを保つことができる
- メンテナンスしやすい
耐久性が高い
タイル外壁は耐久性が高い外壁材です。
タイルは自然素材でできていることもあり、厳しい気候条件にも耐えることができます。
さらに耐水性が高いため、雨や湿気にも強いです。
長期間機能性を維持しながら美しい外観も保つことができます。
デザイン性が高い
タイル外壁にはあらゆる色、デザイン、形のものがあり、多くの建築家やデザイナーに重宝されています。
現代的な建築から歴史のある伝統的な建築まで幅広い建物になじむ便利な外壁材です。
高級感がある
タイルを使用することによって建物が洗練された雰囲気になり、高級感を与えることができます。
タイル独特のツヤ感は他の外壁材にはない唯一無二の魅力です。
美しさを保つことができる
タイルの表面はツルツルとしているため汚れが付きにくいという特徴があります。
雨風が多い地域、スモッグなどの影響を受ける地域でも美しい状態を保つことができます。
また、タイルは高温で生成しているため、変色も起こりにくいです。
建物の外観を大切にしたいという方に向いています。
メンテナンスがしやすい
タイル外壁は他の外壁材と比べてメンテナンスが簡単な素材です。
自分でできる簡単な清掃だけでも美しさを保つことができるので、メンテナンス費用も抑えられます。
また、部分補修がしやすい外壁材なので、大規模な外壁リフォームをする可能性も低いです。
タイル外壁のデメリット
ここでは、タイル外壁のデメリットを紹介します。
タイル外壁の特徴について知るためには、メリットだけでなくデメリットも理解していきましょう。
タイル外壁の2つのデメリット
- 初期費用が高い
- 剥がれ落ちるリスクがある
初期費用が高い
タイル外壁は他の外壁材と比べて材料費や工事費が高くなりがちです。
その理由はタイル自体が高額であるだけでなく、設置の際に特別な技術が必要だからです。
ただし、タイル外壁はメンテナンス費用があまりかからないため、長期的にはお得な外壁材だと言えます。
外壁材を選ぶ際には、メンテナンス費用も含むトータル費用を考慮しましょう。
剥がれ落ちることがある
タイル外壁のもう一つのデメリットはタイルが剥がれ落ちるリスクがあるということです。
タイルは時間の経過とともにどうしても剥がれやすくなってしまいます。
特に地震や台風などの自然災害が多い地域ではタイルが剥がれ落ちるリスクが上がるので注意が必要です。
タイル外壁の費用相場
タイル外壁の費用相場は10,000円/㎡~50,000円/㎡です。
一般的な一戸建てにタイル外壁を設置する場合、総額(工事費込み)で250万円~450万円程度かかることが多いです。
ただし、建物の形やタイルの種類、施工のしやすさによって費用が大きく異なります。
タイル外壁は他の外壁材と比べて初期費用がかかる外壁材だと理解しておきましょう。
タイル外壁の耐用年数
タイル外壁の耐用年数は40年以上だと言われています。
多くのサイディングの耐用年数が30年程度なので、他の外壁材に比べて寿命が長い外壁材です。
ただし、その設置環境や天候、メンテナンスの有無によってその年数は異なります。
タイル外壁のメンテナンス
基本的にタイル自体には塗装などのメンテナンスが必要ありません。
ただし、まれに自然災害や物理的な衝撃でタイルが割れたりひびが入ったりすることがあります。
このような場合は部分補修をして大きなトラブルを防ぐようにしましょう。
コーキングや接着部分にはメンテナンスが必要!
タイル自体のメンテナンスは不要ですが、タイル以外の部分(コーキング・接着部分など)は定期的なメンテナンスが必要です。
10年おきに業者による点検を受け、必要な部分の補修を行いましょう。
普段は自分で水洗いをしよう!
タイルは基本的に自分でもメンテナンスができる外壁材です。
泥や雨で汚れた際には水洗いをして簡単に汚れを落としましょう。
ただし、たわしなど硬いもので擦るとタイルにキズが付くので、柔らかいタオルなどを使って優しく汚れを起こすことが大切です。
タイル外壁の劣化症状
タイル外壁は基本的に耐用年数が長く、メンテナンスも必要ありませんが、これから紹介するような症状が現われた場合は、適切な対応を行いましょう。
タイル外壁の主な劣化症状は以下の3つです。
劣化症状 | 対処法 |
---|---|
白華現象(エフロレッセンス) | 専用クリーナーによる洗浄 |
浮き・剥がれ | タイルの部分的な張り替え |
ひび割れ・破損 | タイルの部分的な張り替え |
白華現象(エフロレッセンス)
白華現象(エフロレッセンス)とは、タイルの接着剤や下地部分の成分が蒸発する際に表面に白い膜ができる状態のことです。
主に施工直後に起こることが多い症状です。
対処法
- タイル工事の際に品質の高い接着剤を使用する
- 専用クリーナーで洗浄する
- 施工後すぐの場合は業者に確認してもらいましょう
浮き・剥がれ
タイルが浮いたり剥がれたりする現象が起こることがあります。
この現象は施工不良、下地の劣化、外部からの衝撃が原因で起こることがあります。
対処法
- 浮いたり剥がれたりしているタイルを新しいものに取り換える
- 定期的に点検を受ける
ひび割れ・破損
タイルにひびが入ったり破損したりすることがあります。
この症状は、物理的な刺激、温度変化、材質変化によって起こることが多いです。
対処法
- 新しいタイルに交換する
- 耐久性が高いタイルを設置する
このように耐久性が高いタイルでも、劣化症状が現われることがあります。
このような症状が現われた際は、できるだけ早く対処してタイルの美しさや機能性を保ちましょう。
タイル外壁工事を依頼する際に業者選びのポイント
住宅リフォームや新築工事でタイル外壁の設置を依頼する際には業者選びが大変重要です。
どのような業者を選ぶかによって仕上がりの質や工事の満足度が変わってきます。
ここでは、タイル外壁工事を依頼する際の業者選びのポイントを紹介します。
タイル外壁工事業者選びの3つのポイント
- 複数の業者で相見積もりを取ろう
- タイル外壁工事の実績がある業者を選ぼう
- 評判や口コミを確認しよう
複数の業者で相見積もりを取ろう
タイル外壁工事を依頼する際は複数業者で相見積もりを取りましょう。
いくつかの業者で見積もりを取ることによって、その工事の適正な価格や内容を知ることができ、悪徳業者に騙される可能性も減ります。
また、お客様が満足できる工事内容や予算の業者を選ぶことも可能です。
少なくとも3社以上で見積もりを取るようにしましょう。
タイル外壁工事の実績がある業者を選ぼう
タイル外壁工事を依頼する際は、タイル外壁工事の実績が多い業者を選びましょう。
業者によって今まで行ってきた工事の内容や数が違うため、得意な工事内容も異なります。
実績が多い業者はタイル外壁についての知識や経験も多く、技術力が高い場合が多いので安心です。
評判や口コミを確認しよう
タイル外壁工事を依頼する際には、周囲からの評判や口コミを参考にしましょう。
評判や口コミでは業者のホームページでは分からないリアルな声を聞くことができます。
評判や口コミが良い業者は質の高い工事を提供してくれることが多いので、他のお客様の意見も参考にするのがおすすめです。
仙臺屋根屋のタイル外壁工事施工実績
タイル外壁工事でよくあるご質問
- タイル外壁工事とはどのような工事ですか?
- タイル外壁工事は、建物の外壁にタイルを張り付けることによって、美観を向上させると同時に、建物を雨水などから保護する工事です。耐久性が高く、メンテナンスも比較的容易です。
- タイル外壁工事の費用はどのくらいかかりますか?
- タイル外壁工事の費用は、使用するタイルの種類や面積、工事の難易度によって異なりますが、一般的には平方メートルあたり数千円から一万円程度が目安です。
- タイル外壁工事のメリットは何ですか?
- タイル外壁工事のメリットは、耐久性が高く、防水性に優れている点です。また、デザイン性が高いため、建物の外観を大きく向上させることができます。
- タイル外壁工事の期間はどれくらいですか?
- タイル外壁工事の期間は、工事する面積や建物の状態、天候などによって変わりますが、通常は数週間から数ヶ月程度です。
- タイル外壁のメンテナンス方法は?
- タイル外壁のメンテナンスは、定期的にタイルのひび割れや剥がれがないかを確認し、汚れが目立つ場合は、水洗いや専用のクリーニング剤で清掃します。
- タイルが割れた場合の修理方法は?
- タイルが割れた場合は、割れたタイルを丁寧に取り除き、新しいタイルを同じ方法で取り付けます。タイルの種類によっては色や模様が合わないこともあるため、事前に同じタイルを確保しておくことが重要です
- どのようなタイルが適していますか?
- 建物のデザインや地域の気候、予算に合わせて、陶器タイル、磁器タイル、石タイルなど様々なタイプから選ぶことができます。耐久性や耐候性を重視する場合は、特に磁器タイルがおすすめです。
- タイル外壁工事に必要な下準備はありますか?
- タイル外壁工事前には、既存の壁の状態を確認し、必要に応じて壁の補修や平滑化を行います。また、防水処理も重要です。
- タイル外壁工事を依頼する際の注意点は何ですか?
- 施工業者の実績や口コミを確認し、見積もりを複数取って比較検討することが重要です。また、使用するタイルの品質や保証も確認してください
- タイル外壁工事のトレンドは何ですか?
- 最近では、エコフレンドリーな素材を使用したり、自然石のような質感を出すための高技術タイルが人気です。また、色やパターンの多様性が増え、デザインの自由度が高まっています。
その他の外壁リフォーム工事メニュー
この記事の監修者
菊地正秀
株式会社菊地板金工業 代表取締役
宮城県仙台市出身、屋根・外壁板金工事歴30年
18歳から建築工事にはじまり、屋根、外壁工事や水道、基礎工事と建設業の様々な分野で、幅広い知識と現場経験を習得。
建物の主要構造物となる『屋根』において金属板金を自由自在に施工する奥深さに魅力を感じ、25歳で屋根工事を専門とする一人親方として、独立。
平成23年に株式会社菊地板金工業を設立し、代表取締役に就任。現在に至る。
以上の経験をもとに、リフォームのトラブルを回避できる情報を、「失敗ゼロ!屋根・外壁工事研究会」として、皆様に発信している。