外壁や屋根の張り替え工事の費用相場とは?メリット・デメリットや工事の流れについて
外壁や屋根の張り替え工事は、建物の耐久性を高め、見た目を一新する大切なメンテナンスの一つです。
しかし「家のリフォームは高そうだし、時間もかかるし…」
などさまざまな不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは外壁や屋根の張り替え工事についての基礎知識や費用相場、メリット・デメリットを解説します。
これから工事を検討されている方、家のリフォームに興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
張り替え工事とは
張り替え工事とは古い設備を取り外して新しい設備を設置する工事のことで、主に外壁や屋根で行われます。
コストや工期がかかる大がかりな工事ですが、設備の機能性を高め、建物の寿命を延ばすことができる重要なメンテナンスの一つです。
外壁の張り替え工事とは
外壁の張り替え工事とは、外壁を下地から取り替えて、建物の寿命を延ばすことができる工事です。
既存の外壁を解体・撤去してから新しい外壁を設置します。
外壁の見た目を美しくするだけでなく、防水性や断熱性などの機能性を向上させることができます。
重ね張りとの違い
外壁の全体リフォームには「張り替え」と「重ね張り」の2つの方法がありますが、その違いは何なのでしょうか。
外壁リフォーム | 特徴 |
---|---|
張り替え | 古い外壁を取り外して、新しい外壁を設置する |
重ね張り | 古い外壁を撤去せずに、上から新しい外壁を設置する |
張り替えと重ね張りとの大きな違いは、「外壁を撤去するかしないか」という点です。
張り替えが古い外壁を取り外すのに対し、重ね張りは古い外壁を取り外しません。
重ね張りは古い屋根の解体作業が必要ないので、施工が簡単でコストや工期を抑えられますが、張り替えは外壁下地まで補修が可能で長期的な耐久性が向上します。
外壁工事の選び方
外壁の全体リフォームを行う場合、「張り替え」か「重ね張り」のどちらを行うべきか迷う方が多いです。
そこで、次に外壁工事を選ぶ際のポイントを紹介します。
外壁工事の選び方3つのポイント
- 建物の状態
- コスト
- メンテナンス
建物の状態
まずは既存の外壁の状態を業者の方に正しく評価してもらうことが大切です。
外壁の状態によって適した工事方法が変わります。
建物の状態 | 工事方法 |
---|---|
外壁下地まで傷んでいる場合 | 張り替え |
外壁下地は傷んでいない場合 | 張り替えor重ね張り |
このように、外壁下地まで傷んでいる場合は重ね張りができません。
まずは、専門業者の方に外壁の状態をしっかりと確認してもらいましょう。
コスト
工事方法を決定する際は、工事にかかる費用にも注目しましょう。
一般的に張り替えの方が重ね張りよりも費用がかかります。
お客様の予算に合う最適な方法を選ぶことが大切です。
メンテナンス
外壁には塗装などの定期的なメンテナンスが必要です。
しかし、外壁の材質や塗料によってそのメンテナンスにかかるコストが異なります。
メンテナンスコストを抑えたい場合は、良質な外壁材を選ぶことが大切ですが、そうなると工事費用が高くなってしまいます。
外壁材を選ぶ際には、工事費用とメンテナンス費用のバランスが良い素材を選びましょう。
外壁の張り替えのメリット
ここでは、外壁の張り替えのメリットを紹介します。
外壁の張り替えの3つのメリット
- 外壁の問題を根本的に解決できる
- 建物の見た目が美しくなる
- 外壁が分厚くならない
外壁の問題を根本的に解決できる
張り替えでは古い外壁を全て取り外すため、外壁下地や外壁内部の損傷も補修することができます。
工事の際に外壁に起こっていた目に見えない問題も解決できるため、建物の寿命を延ばすことにもつながります。
雨漏りが起こったことがある外壁や古い建物は張り替えがおすすめです。
建物の見た目が美しくなる
外壁の張り替えは建物の見た目を美しくする最も効果的な方法の一つです。
以前の外壁と全く違うデザインの外壁を設置すれば、建物のイメージチェンジをすることもできます。
外壁が分厚くならない
重ね張りをすると外壁が2枚になるので、どうしても外壁の厚みが増加してしまいます。
しかし、張り替えは古い外壁を解体するため分厚くなりません。
外壁が分厚くなると建物に圧迫感が出たり、窓が埋まったような見栄えになったりすることがあるので、外壁の厚みが気になるという方は張り替えがおすすめです。
外壁の張り替えのデメリット
ここでは、外壁の張り替えのデメリットを紹介します。
外壁の張り替え3つのデメリット
- コストや工期がかかる
- 近隣の方に迷惑がかかることがある
- アスベストを含む外壁の場合追加費用がかかる
コストや工期がかかる
張り替えは重ね張りに比べてコストや工期がかかってしまいます。
その理由は、古い外壁の解体・撤去作業が必要だからです。
作業が多い分、どうしても張り替えの方がコストや工期がかかってしまいます。
張り替えは重ね張りと比べてコストが10万円~30万円程度高くなり、工期は3日~5日ほど長くなると思っておきましょう。
近隣の方の迷惑がかかる場合がある
外壁の張り替えは重ね張りと比べて近隣トラブルになる可能性が高いです。
その理由は、外壁の解体・撤去作業があるからです。
解体・撤去作業ではどうしても騒音やほこりなどが発生してしまうので、近隣の方に迷惑をかけてしまう可能性が高くなります。
張り替えを行う前には、しっかりと近隣の方に挨拶をしておきましょう。
アスベストを含む外壁の場合追加費用がかかる
古い外壁にはアスベストが含まれていることがあります。
アスベストが含まれている外壁を撤去する場合は、特殊な作業が必要になり、追加費用も発生します。
しかし、重ね葺きの場合はアスベストを撤去するための特殊な作業が必要ないので、追加費用が発生することもありません。
外壁工事をする際には、ご自宅の外壁にアスベストが含まれているかどうかにも注目しましょう。
外壁の張り替えのタイミングは?
では、外壁の張り替えはどのようなタイミングで行えば良いでしょうか。
ここで、外壁の張り替えを行うタイミングを見極めるポイントを2つ紹介します。
張り替えを行うタイミングは以下の2点に注目しましょう。
- 耐用年数
- 劣化状況
耐用年数
一般的に外壁の耐用年数は20年~30年です。
実際は外壁材の種類や気象条件によって異なりますが、30年を超えた外壁は張り替えを検討しましょう。
劣化状況
外壁にひび割れ・色褪せ・剥がれ・雨漏りなどの明らかな劣化が見られた場合は、張り替えを検討しましょう。
特に雨漏りが起こっている場合は、下地まで傷んでいる場合が多いので、できるだけ早めに対処するのがおすすめです。
外壁の張り替え工事の費用相場は?
外壁の張り替えにかかる費用相場は選ぶ外壁材の種類や外壁の面積によって異なりますが、一般的な一戸建ての場合180万円~300万円程度かかります。
さらに、耐久性や機能性が高い外壁材を選ぶとコストが上がるので、お客様の予算や目的に合う材料を選びましょう。
外壁材(サイディング)別の費用相場
張り替えは選ぶ外壁材の種類によって費用が変わります。
ここで、簡単に主な外壁材の費用相場と耐用年数を確認しましょう。
外壁の種類 | 費用相場 | 耐用年数 |
---|---|---|
金属系サイディング | 3,000円/㎡~15,000円/㎡ | 20年~40年 |
窯業系サイディング | 4,000円/㎡~6,000円/㎡ | 20年~40年 |
木材系サイディング | 8,000円/㎡~10,000円/㎡ | 15年~30年 |
樹脂系サイディング | 9,000円/㎡~20,000円/㎡ | 30年~40年 |
工事費用にかかる費用
張り替えには外壁の材料費だけでなく、次のような工事費も必要になります。
- 足場代
- 養生代
- 防水シート代
- コーキング代
- 諸経費 など
上記の外壁材以外に必要な工事費用の詳しい費用相場は、外壁工事業者の見積書で確認しましょう。
外壁の張り替え工事の流れ
外壁の張り替え工事は一般的に以下のような流れで行われます。
<外壁の張り替え工事の流れ>
- 事前調査
- 工事の内容や予算を決定する
- 足場の設置
- 古い外壁の撤去
- 新しい外壁の設置
- 仕上げと清掃
- 最終チェック
- 足場の解体
1.事前調査
専門業者が現在の外壁の状態を調査し、張り替えの必要性について検討します。
2.工事内容や予算をの決定
現在の外壁の状態や必要な工事の内容を確認し、実際に行う工事の内容を決定します。
3.足場の設置
2階以上の作業がある場合は足場を設置します。
4.古い外壁の撤去
古い外壁を撤去します。
5.新しい外壁の設置
新しい外壁を設置します。
6.仕上げと清掃
工事が終わったら仕上げを行い、周辺の清掃を行います。
7.最終チェック
清掃が終わったら工事の仕上がりを確認します。
8.足場の解体
最終チェックが終わったら足場を解体して工事終了です。
基本的には上記のような流れで外壁の張り替え工事は行われますが、詳しい工事内容や流れは外壁の状態や業者により異なります。
実際に工事を依頼する際は、業者の方に外壁張り替え工事の流れを確認しましょう。
外壁と屋根の張り替え工事は同時にするとよりお得
張り替え工事は、屋根リフォームでも行われます。
屋根の張り替え工事とは、古い屋根を解体・撤去して、新しい屋根を設置する工事で、葺き替え工事ともいいます。
そこで、外壁と屋根の張り替えは同時に行うとお得になる場合が多いです。
その理由は、足場代や撤去費用を節約することができるからです。
同じタイミングで工事を行えば、同じ足場を利用して外壁も屋根も工事することができます。
少しでもお得に工事をしたい、という方は外壁と合わせて屋根の工事をするのがおすすめです。
住宅リフォームを行う業者選びのコツ
住宅リフォームを行う際には業者選びが非常に重要です。
どのような業者に工事を依頼するかによって工事の仕上がりや満足度が変わってきます。
住宅リフォームを依頼する際の業者選びのコツ
- 複数の業者で相見積もりを取る
- 工事の実績や口コミを確認する
- コミュニケーションがとりやすい業者を選ぶ
複数の業者で相見積もりを取る
住宅リフォームを依頼する業者を選ぶ際には複数の業者で相見積もりを取るようにしましょう。
複数の業者で見積もりを取ることによって適正な予算や工事の流れを知り、悪徳業者に騙される可能性も減ります。
また、お客様の目的や予算に合った業者を探しやすいというメリットもあります。
少し面倒かもしれませんが、最低でも3社からは見積もりを取るようにしましょう。
工事の実績や口コミを確認する
住宅リフォームを依頼する業者を選ぶ際には、その業者の実績や口コミを確認しましょう。
実績を確認すればその業者が得意とする工事を知ることができます。
また、実際のお客様からの口コミも非常に参考になります。
インターネットは近所の評判なども参考にしましょう。
コミュニケーションがとりやすい業者を選ぶ
住宅リフォームを依頼する業者を選ぶ際には、コミュニケーションが取りやすい業者を選びましょう。
リフォームの際にはあらゆることを決定しなければありません。
例えば屋根の材質、カラー、予算などを総合して工事の内容を決めます。
お客様が思っていることを話しやすい業者を選ぶことによって、工事後のトラブルを避け満足度を高めることができます。
見積もりの際に接しやすいと感じた業者を選ぶのがおすすめです。
仙臺屋根屋の外壁張り替え工事施工実績
外壁張り替え工事でよくあるご質問
- 外壁張り替え工事の費用はどのくらいかかりますか?
- 費用は使用する材料、家の面積、工事の複雑さによって異なりますが、一般的には数百万円から高くなることが多いです。正確な見積もりは、現地調査後に専門施工業者にご依頼ください。
- 外壁張り替え工事のメリットは何ですか?
- 主なメリットは、建物の美観を向上させること、断熱性や耐久性を高めることにより快適性が増し、メンテナンス費用の削減が期待できることです。
- 工事の期間はどれくらいですか?
- 工事の規模にもよりますが、一般的な家庭であれば2週間から1ヶ月程度を見込むことが多いです。
- 工事中、家に住み続けることは可能ですか?
- はい、多くの場合、工事中も住み続けることが可能ですが、騒音や埃などには配慮が必要です。
- 工事で使用される材料にはどのような種類がありますか?
- 外壁材には、サイディング、塗装、タイル、金属板など多様な材料があります。選択する材料によって耐久性やコスト、見た目が変わります。
- 色やデザインは自由に選べますか?
- はい、多くの業者が様々な色やデザインの選択肢を提供していますが、地域によっては建築基準や規制がある場合がありますので確認が必要です。
- 工事を依頼する際、注意すべき点は何ですか?
- 信頼できる業者を選ぶことが最も重要です。また、見積もりは複数の業者から取り、内容を比較検討することが大切です。
- 工事中に追加料金が発生することはありますか?
- 基本的には見積もりに基づいて料金が決まりますが、工事中に未予見の問題が発見された場合、追加料金が発生することがあります。
- 外壁張り替え工事後のメンテナンスはどのように行うのが良いですか?
- 定期的な清掃と点検を行い、小さな損傷や劣化が見つかった場合は早めに修理を行うことが建物を長持ちさせるコツです。
- 工事の保証はどのようになっていますか?
- 業者によって保証期間や保証内容が異なりますが、通常、工事後に数年間の保証が付くことが多いです。具体的な保証内容については契約時に詳しく確認しましょう。
その他の外壁リフォーム工事メニュー
この記事の監修者
菊地正秀
株式会社菊地板金工業 代表取締役
宮城県仙台市出身、屋根・外壁板金工事歴30年
18歳から建築工事にはじまり、屋根、外壁工事や水道、基礎工事と建設業の様々な分野で、幅広い知識と現場経験を習得。
建物の主要構造物となる『屋根』において金属板金を自由自在に施工する奥深さに魅力を感じ、25歳で屋根工事を専門とする一人親方として、独立。
平成23年に株式会社菊地板金工業を設立し、代表取締役に就任。現在に至る。
以上の経験をもとに、リフォームのトラブルを回避できる情報を、「失敗ゼロ!屋根・外壁工事研究会」として、皆様に発信している。