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コラム

屋根塗装の効果や必要性とは?塗料の種類やそれぞれの特徴について

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屋根塗装の効果や必要性とは?塗料の種類やそれぞれの特徴について

「屋根塗装にはどのような効果があるのだろうか?」

「塗料の種類について詳しく知りたい」

このような疑問や悩みを抱えていないでしょうか?

屋根を塗装することでさまざまなメリットが生まれますが、具体的な効果や塗料の種類については詳しくない方も多いでしょう。

本記事では屋根塗装の効果や必要性、塗装をする適切なタイミング、塗料の種類について詳しく解説します。

屋根塗装の効果や必要性

屋根塗装は外観の改善だけでなく、住宅の性能向上や長寿命化に重要な役割を果たします。ここでは、屋根塗装によって得られる6つの効果について解説します。

  • 遮熱性や断熱性を強化する
  • 雨漏りを防ぐ
  • カビやシロアリの発生を防ぐ
  • 下地を保護する
  • 査定価格がアップする
  • 外観を綺麗にする

遮熱性や断熱性を強化する

屋根塗装は、住宅の温熱環境を大幅に改善する効果があります。

夏場になると、屋根の表面温度は60℃〜70℃に達することがあり、この熱が室内に伝わることで部屋の温度が上がり、冷房費も大幅に増加します。

遮熱性能を持つ塗料を採用することで、強烈な太陽熱を効率的に反射して、屋根材の温度上昇を軽減できるでしょう。

また、断熱性に優れた塗料の場合は、熱の移動そのものを遮断する働きにより、外部からの熱侵入を防ぎます。

冬季は暖房で温められた室内の熱を外部に逃がしにくくする保温効果も発揮するため、年間を通じてエネルギー効率の向上が期待できます。

雨漏りを防ぐ

屋根塗装は雨漏りの予防においても重要な役割を果たします。

塗膜は屋根材を雨水から保護する機能を持っており、この保護層が健全に保たれることで建物内部への浸水を防いでいます。

しかし、経年により塗膜に劣化や損傷が生じると、防水機能が著しく低下してしまい、雨水が建物内部に侵入するリスクが高まるのです。

雨漏りが一度発生してしまうと、数十万円から数百万円という莫大な費用が必要になる恐れがあります。

天井材の交換や内装の張り替え、電気設備の修理など、二次被害への対応も必要となり、想像以上の出費を強いられることもあるでしょう。

こうした事態を回避するためには、定期的なメンテナンスによって、塗装を健全な状態に保つ必要があります。

カビやシロアリの発生を防ぐ

適切な屋根塗装によって、カビやシロアリなどの発生を抑制することが可能です。

カビは呼吸器系疾患やアレルギー症状を引き起こす原因となります。

また、シロアリは木造住宅の構造材を食害することで、建物の耐震性や安全性を低下させる危険な害虫です。

塗膜の劣化により屋根材が水分を吸収しやすくなると、建物内部に高湿度な環境が形成され、カビやシロアリが発生しやすくなります。

適切な塗料を使用することで、水分の浸透を防ぎ、建物内の湿度バランスを健全に保つことが可能です。

特に湿度の高い沿岸地域や、梅雨時期の長い地域では、防カビ・防虫機能を備えた塗料を使用することで、より確実な予防効果を得られるでしょう。

下地を保護する

屋根塗装は、屋根材自体を過酷な自然環境から保護する役割を担っています。

紫外線は塗膜だけでなく、屋根材自体も劣化させます。

塗料に含まれるシリコンやウレタン素材によって、このような材質劣化を大幅に遅らせることが可能です。

定期的な塗装メンテナンスを実施することで、屋根材本来の耐久性を最大限に引き出し、建物全体の寿命を大幅に延長できます。

査定価格がアップする

適切な屋根のメンテナンスは、査定価格をアップさせる要因の1つです。

屋根は建物の顔とも言える存在で、第一印象を大きく左右するため、不動産査定においても重要な評価項目となっています。

メンテナンスが行き届いた美しい屋根は、建物全体の管理状況が良好であることを示す指標として、査定士からも高く評価されるでしょう。

築20年程度の住宅であっても、計画的な屋根塗装を継続している物件は、メンテナンス不足の同築年数物件と比較して、より高い査定額になる場合もあります。

住宅は人生最大の資産であり、定期的な屋根塗装は資産価値を守るための戦略的投資として位置づけられるでしょう。

外観を綺麗にする

屋根塗装によって、建物全体の外観はよりきれいになるでしょう。

長年の雨風と紫外線により色味が失われた屋根も、塗装し直すことで鮮やかさが復活します。

さらに、既存の色調にとらわれることなく、現代的なダークトーンやエレガントなブラウン系など、住宅のスタイルにあわせた理想的な色への変更も自由自在です。

家全体の見た目を気にする人にとって、屋根塗装は重要な作業であると言えます。

屋根塗装をするタイミング

屋根塗装をするタイミング

屋根塗装の効果を最大限に発揮するためには、適切なタイミングで塗装することが重要です。

ここでは、屋根材の種類や状況に応じた最適な塗装時期について解説します。

  • スレート屋根は7年〜10年が目安
  • トタン屋根はサビが出る前
  • 外壁塗装と一緒に実施する

スレート屋根は7年〜10年が目安

スレート屋根の場合、最適な塗装時期は施工後7年〜10年とされています。

スレート屋根は、日本の戸建て住宅において広く採用されている屋根材です。

この屋根材は10年程度で塗膜が劣化し始めます。

塗膜の劣化は外観の問題にとどまらず、色あせやチョーキング現象、コケの繁殖、亀裂や部分的な破損などを引き起こす恐れがあります。

万が一、塗膜が劣化している兆候があった場合には、築年数に関係なく専門業者に点検を依頼しましょう。

症状が出ていなくても、施工後7〜10年を目安に塗装し直すことで、屋根の長寿命化につながります。

トタン屋根はサビが出る前

トタン屋根の場合は、サビが出る前に塗装し直すようにしましょう。

トタン屋根は亜鉛メッキ鋼板で構成されており、安価で施工しやすいことから多くの建物に採用されています。

トタン屋根の塗膜が劣化した場合、下地の金属部分が直接大気に触れることで、酸化反応による腐食が急速に進行します。

腐食が進行すると金属部分に穴が開いてしまい、屋根材の全面交換が必要となる場合もあるでしょう。

一般的な塗り替え周期は5年〜10年とされていますが、海岸地域や工業地帯などのサビが発生しやすい環境では、より短いサイクルでの点検が必要です。

外壁塗装と一緒に実施する

外壁塗装も10年程度での塗装が推奨されており、屋根と同時に塗装することでいくつかのメリットが得られます。

外壁と屋根を同時に塗装することで、工事管理費や諸経費が一本化されるため、総工事費の大幅な削減が可能です。

また、住宅全体の色彩バランスを統一できるため、調和の取れた美しい外観を創出できます。

期間の調整が可能であれば、外壁と屋根は同時に塗装すると良いでしょう。

塗料の機能

塗料の機能

現在の屋根用塗料は基本的な保護機能に加えて、さまざまな付加機能を持つものが開発されています。

ここでは代表的な3つの機能について解説します。

  • 遮熱機能
  • 断熱機能
  • 高耐久性機能

遮熱機能

1つ目の機能は、太陽光を反射させる遮熱機能です。

太陽から放射される強烈な熱エネルギーが屋根材を直撃することで、屋根の表面温度は60℃を超えることもあります。

屋根上で蓄積された熱が建物内部へと伝導することで、居住空間の温度環境が上がり、快適性が大きく損なわれているのです。

遮熱機能を備えた塗料は、赤外線を反射する性能を持っています。

このメカニズムにより、屋根材への熱蓄積を防止することで、建物内部への熱侵入を大幅に軽減します。

その結果、室内の温度が下がるだけでなく、冷房機器の使用も減るため、電気代の削減にもつながるでしょう。

断熱機能

2つ目の機能は、太陽の熱を伝わりにくくする断熱機能です。

遮熱塗料が太陽熱を反射によって跳ね返すのに対して、断熱塗料は熱を塗膜内部に溜め込むことで、建物内部への急激な熱伝導を防いでいます。

断熱機能の場合、夏は外部からの熱侵入を遮断して、冬には室内で発生した暖房熱を外部へ逃がしにくくする保温効果を発揮します。

この特性により、年間を通じて安定した室内環境の維持が可能となるため、電気代の削減に貢献するでしょう。

建物全体での最適な温度管理を実現するためには、部位ごとに遮熱塗料と断熱塗料を使い分けることで、より高い省エネ効果が期待できます。

高耐久性機能

高耐久性機能を持つ塗料は、一般的に15年以上性能を維持し続けます。

屋根は建物の最上部に位置しているため、紫外線や温度の急激な変化、風雨によるダメージなど、外壁以上に厳しい条件下に置かれます。

高耐久性機能が備わった塗料は標準的なものよりも耐久性が高く、頻繁な塗り替えが要らないため、コスト削減にもつながるでしょう。

さらに、現在では高耐久性と遮熱・断熱機能が同時に備わった塗料も存在しています。

塗料の種類

塗料の種類

屋根塗装で使用される塗料は、含まれる樹脂の種類によって性能や価格が大きく異なります。

ここでは、塗料の種類ごとに解説します。

  • ウレタン塗料
  • シリコン塗料
  • フッ素塗料
  • 無機塗料

それぞれの特徴を理解して、予算と求める性能にあった塗料を選択しましょう。

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、アクリル樹脂にウレタン樹脂を添加した塗料です。

シリコン塗料が普及する以前までは主力塗料として広く使用されており、現在でも鉄製の階段や手すり、雨戸などで使用されています。

ウレタン塗料は手頃な価格で提供されており、初期投資を抑えて屋根塗装を実施したい方に適しています。

紫外線に対する耐性が強くないため、耐用年数は5〜7年程度と比較的短めですが、優れた対摩擦性と美しい光沢感による高級感のある仕上がりが特徴です。

長期的に見ると塗り替え頻度が多くなり、結果的に総コストが高くなる可能性があることを考慮して選択するようにしましょう。

シリコン塗料

シリコン塗料は、価格と性能のバランスがとれた人気の高い塗料です。

親水性という性質を持っているため、塗膜の表面に汚れが付着しにくく、ウレタン塗料と比較して長期間にわたって外観を維持できます。

耐用年数は7〜10年程度で、低価格ながら紫外線に強く、防汚性にも優れたコストパフォーマンスの高い塗料です。

また、豊富なカラーバリエーションが用意されており、住宅の外観デザインにあわせた理想的な色を選べます。

シリコン含有量によってグレードが設定されており、予算と求める性能に応じた柔軟な選択が可能です。

フッ素塗料

フッ素塗料は、シリコン塗料を上回る性能を持った塗料です。

耐用年数は15年以上と長期間にわたって性能を維持することが可能で、防汚性・耐熱性にも優れています。

また、強力な撥水性能により、雨水が塗膜表面を滑らかに流れ、汚れやホコリが自然に除去されます。

この特性により、通常必要となる定期的な清掃作業が軽減され、メンテナンスの手間を最小限に抑えられるでしょう。

フッ素塗料は東京スカイツリーの外装や、フライパンのフッ素樹脂加工にも使用されるなど、信頼性の高い塗料です。

無機塗料

無機塗料は、フッ素塗料やウレタン塗料などの有機塗料に、鉱物などの無機物を配合した塗料です。

耐用年数は15年以上と耐久性は申し分ないですが、ベースの塗料によっては性能が変わる可能性もあるため注意しましょう。

また、卓越した防汚性能を持つ反面、将来的に塗装を塗り替える際に、上から塗布した塗料が剥離してしまう恐れがあります。

施工技術を要求する塗料であるため、豊富な施工実績と確かな技術力を持つ専門業者へ依頼するようにしましょう。

屋根塗装にかかる費用相場

屋根塗装における坪数ごとの費用相場は以下のとおりです。

坪数費用相場
30坪約28万円〜約52万円
40坪約31万円〜約73万円
50坪約46万円〜約90万円

この価格幅の要因は、選択する塗料グレードによる施工単価の違いにあります。

経済性重視のウレタン塗料や高耐久性のフッ素塗料など、塗料ごとの材料費と施工難易度により価格は大きく変動します。

正確な費用を算定するためには、現地調査による詳細な状況把握が重要です。

単純な坪数計算だけでなく、建物固有の条件を考慮するために、複数の業者に対して見積もりを依頼するようにしましょう。

屋根塗装が不要なケース

屋根塗装が不要なケース

屋根材の種類や状況によっては塗装が不要、または効果的でない場合があります。

以下のケースに該当する場合は、塗装以外の対策を検討しましょう。

  • 屋根材が粘土瓦
  • 劣化が進んでいる
  • 築年数が浅い

屋根材が粘土瓦

屋根材が粘土瓦の場合、塗装によるメンテナンスは必要ありません。

粘土瓦は1,000℃を超える高温窯で長時間焼成される製造工程により、素材自体が高い密度と強度を持っています。

また、表面には釉薬(ゆうやく)による美しいガラス質の保護層や、炭素を浸透させた炭素被膜が形成されているため、ほとんど変色しません。

逆に粘土瓦へ塗装した場合、塗膜が剥がれたり劣化したりすることで、雨水の侵入経路を新たに作り出してしまう恐れがあります。

粘土瓦を使用している場合は、塗装以外の方法でメンテナンスを実施しましょう。

劣化が進んでいる

屋根の損傷が深刻化している場合、塗装による修復では根本的な解決に至りません。

スレート屋根の設計寿命は一般的に30年程度とされていますが、製品の品質や設置環境により、10年程度で劣化が深刻化する場合もあります。

築30年を超える屋根材や、表面の剥離・亀裂・雨漏り被害が発生している場合、塗装のみでの機能復旧は期待できません。

また、防水シートの劣化が進行している場合は、高品質な塗料を使用しても、建物内部への浸水を防ぐことは難しいでしょう。

こうした状況においては、屋根材の上に新しい屋根材を重ねるカバー工法や、既存の屋根材を撤去して新しい屋根材に交換する葺き替え工事が必要です。

築年数が浅い

新築から10年未満の建物では、屋根塗装の必要性は低いでしょう。

新築時に施工される塗装は、約10年間の保護機能を維持するよう設計されています。

この期間内では塗膜の劣化は進んでいないことが多く、防水性能や外観も保たれているため、無理に塗装する必要はありません。

同様に、葺き替え工事やカバー工法で新しく屋根材を設置した場合も、施工から10年以内での塗装は基本的に不要です。

ただし、以下のような事情がある場合は築年数に関係なく点検を依頼しましょう。

  • 自然災害による損傷
  • 明らかな施工不良の疑い
  • 劣化の進行が異常にはやい

使用される塗料のグレードにより差はありますが、10年〜15年程度を目安として適切なメンテナンス計画を立てることが重要です。

まとめ

ここまで、屋根塗装の必要性や屋根塗装を実施する適切なタイミング、塗料の種類について解説しました。

屋根塗装は、住宅の性能向上と長寿命化において重要な役割を果たすメンテナンス作業です。

遮熱・断熱効果による光熱費の削減・雨漏り防止・資産価値の維持など、さまざまなメリットが期待できます。

塗料選びでは、ウレタン・シリコン・フッ素・無機といった種類があり、それぞれ価格と性能が異なります。

予算と求める効果を考慮して、最適な塗料を選択することが重要です。

屋根塗装は安くない投資ですが、適切に実施することで住まいの快適性と資産価値を長期間にわたって維持できる、有効なメンテナンス方法と言えるでしょう。

この記事の監修者

株式会社菊地板金工業、代表取締役、菊地社長

菊地正秀

株式会社菊地板金工業 代表取締役

宮城県仙台市出身、屋根・外壁板金工事歴30年

18歳から建築工事にはじまり、屋根、外壁工事や水道、基礎工事と建設業の様々な分野で、幅広い知識と現場経験を習得。
建物の主要構造物となる『屋根』において金属板金を自由自在に施工する奥深さに魅力を感じ、25歳で屋根工事を専門とする一人親方として、独立。
平成23年に株式会社菊地板金工業を設立し、代表取締役に就任。現在に至る。
以上の経験をもとに、リフォームのトラブルを回避できる情報を、「失敗ゼロ!屋根・外壁工事研究会」として、皆様に発信している。