ステンレス屋根とは?メリットやデメリット、費用相場について

ステンレス屋根

ステンレス屋根はサビにくくて耐久性が高く、メンテナンスも容易であることから、あらゆる建物に採用されています。

さらに、光沢がある外観は現代的でデザイン性の高い住宅や商業施設でも人気です。

そこで、ここではステンレス屋根のメリット・デメリット、メンテナンス、費用相場についてご紹介します。

ステンレス屋根の設置を検討している方、屋根リフォームを考えている方はぜひ参考にしてみてください。

ステンレス屋根とは

ステンレス屋根とは

ステンレス屋根とはステンレスが使用された金属屋根のことです。

ステンレスの主な成分は鉄で、その他にクロム・ニッケルなどが含まれています。

この屋根材はサビにくく水に強い特徴があるため、雨が多い地域や沿岸部にも向いています。

ステンレス屋根のメリット

ここでは、ステンレス屋根の主なメリットを紹介します。

ステンレス屋根の3つのメリット

  • 寿命が長い
  • サビに強い
  • 地震に強い

寿命が長い

寿命が長いステンレス屋根

ステンレス屋根は他の屋根材より寿命が長いです。

ガルバリウム鋼板が約30年であるのに対し、ステンレス屋根は約50年だとされています。

長い期間使用できる屋根を設置したいと考えている方はステンレス屋根がおすすめです。

<屋根材別の寿命>

屋根材耐用年数
トタン約20年
ガルバリウム鋼板約30年
ステンレス屋根約50年

屋根を設置してからその建物に何年程度住むのかを考えて屋根材を選びましょう。

20年~30年程度で家の建て替えを検討している方は、ガルバリウム鋼板などステンレス屋根よりも寿命が短い屋根を選ぶのもおすすめです。

サビに強い

サビに強いステンレス屋根

ステンレスはクロムとニッケルを含む鉄でできた素材で、サビに強く腐食しにくいという特徴があります。

しかも、他の金属よりも長期間にわたりその効果を維持するため、沿岸部や湿度が高い地域にも向いています。

また、表面に傷がついても保護膜を形成しやすいため、外気にさらされている屋根材にぴったりです。

もらいサビ(他の金属によるサビがうつる現象)のリスクも存在しますが、基本的には非常に耐久性が高く他の金属よりもサビにくいため、あまり心配する必要はないでしょう。

地震に強い

地震に強いステンレス屋根

ステンレス屋根は瓦やガルバリウム鋼板など他の屋根材に比べて非常に軽量で、重さはその1/3~1/5程度です。

この軽さが建物にかかる負担を減らし、地震時の倒壊リスクも減らしてくれます。

地震の多い日本において住宅の耐震性は重要なポイントです。

今後大きな地震が予想されている地域や長年住み続けるつもりの住宅にはステンレス屋根が向いています。

ステンレス屋根のデメリット

次に、ステンレス屋根の主なデメリットを紹介します。

メリットだけでなくデメリットも理解しておきましょう。

ステンレス屋根の3つのデメリット

  • 初期費用が高い
  • 傷に弱い
  • 断熱性・遮音性が低い

初期費用が高い

初期費用が高いステンレス屋根

ステンレス屋根は初期費用が高い屋根材です。

費用相場は10,000/㎡~15,000円/㎡程度で、ガルバリウム鋼板の約2倍~3倍のコストがかかります。

また、ステンレス屋根は施工が難しく専用の部材も必要となるため、施工費用も高くなりがちです。

<他の屋根材との価格比較>

屋根材初期費用
トタン5,000/㎡~8,000円/㎡
ガルバリウム鋼板6,000/㎡~9,000円/㎡
ステンレス屋根10,000/㎡~15,000円/㎡

ただし、ステンレス屋根はメンテナンスが少ないため、トータルで考えるとコストを抑えることができます。

屋根材を選ぶ際には初期費用だけでなくメンテナンス費用も含めたトータル費用を考慮して決めましょう。

傷に弱い

ステンレス屋根は傷に弱い

ステンレス屋根は薄い・軽い・サビにくい素材ですが、傷に弱いという特徴があります。

台風や雹などの激しい天候で飛来した小石や木の枝が原因で、屋根の表面に傷がついてしまうことがあるので注意が必要です。

このような傷からサビが発生することもあるので、悪天候の後は早めに点検を行いましょう。

断熱性・遮音性が低い

断熱性・遮音性が低いステンレス屋根

ステンレス屋根は薄くて軽いため瓦やスレート屋根に比べて雨音が聞こえやすく、外気温に影響されやすいという特徴があります。

ただし、近年は防音性や断熱性を強化したステンレス屋根も販売されているため、施工前によく業者の方と相談して、お客様のニーズに合った屋根材を選びましょう。

音が気になる方は防音材、気温が気になる方は断熱材を併用するのもおすすめです。

ステンレス屋根のメンテナンスと耐用年数

ステンレス屋根の耐用年数とメンテナンスの関係

屋根の機能性を高めて耐久性を維持するためには適切なメンテナンスが欠かせません。

ここではステンレス屋根の耐用年数とメンテナンスを紹介します。

ステンレス屋根の耐用年数

ステンレス屋根の耐用年数は約50年です。

今人気が高いガルバリウム鋼板の耐用年数が約30年なので、かなり寿命が長い屋根材だということが分かります。

ただし、ステンレス屋根の機能性を維持するために定期的なメンテナンスが必要です。

ステンレス屋根のメンテナンス

点検 10年に1度
塗装 20年に1度
※1度塗装をした後は10年に1度の頻度で行うのがおすすめ。

ステンレス屋根は10年に1度の点検、20年に1度の塗装のメンテナンスを行うのがおすすめです。

ステンレスは耐久性が高いためメンテナンスが不要だと考える人もいますが、過酷な環境で屋根を使う場合は劣化が早まる可能性があります。

また、台風などの自然災害によって屋根に穴が開くなどの損傷が発生している場合もあるので、定期的に点検を行いましょう。

ステンレス屋根工事の費用相場

ここでは、ステンレス屋根の塗装工事・設置工事の費用相場を紹介します。

塗装工事

ステンレス屋根の塗装工事
塗装工事 2,000円/㎡~5,000円/㎡

ステンレス屋根の塗装工事は、2,000円/㎡~5,000円/㎡ですが、選ぶ塗料や工事範囲によって大きく変わります。

基本的に安い塗料よりも高い塗料の方が長持ちするので、次の塗装までの期間が長いことが多いです。

塗料を選ぶ際には工事費用だけでなく、メンテナンスも含めたトータル費用を考慮しましょう。

設置工事

ステンレス屋根の設備工事
設備工事 10,000円/㎡~15,000円/㎡

ステンレス屋根の費用相場は、10,000円/㎡~15,000円/㎡で、他の屋根材の2倍~3倍程度の費用がかかることもあります。

その理由は、そもそも屋根材自体が高いということと施工が難しいことが挙げられます。

さらに、性能が高いステンレス屋根はもっと費用がかかります。

屋根材を選ぶ際には業者の方とよく相談してお客様の目的や予算に合ったものを選びましょう。

ステンレス屋根のおすすめ商品

ステンレス屋根はまだあまり種類が多くない屋根材です。

次に人気のあるステンレス屋根の商品は以下の通りです。

気になる商品がある方は、屋根専門業者に問い合わせてみましょう。

人気のステンレス屋根の商品

  • 月星スワンカラーF
  • アルスターステンレス
  • カッパーソフテン
  • タフテンZ
  • ナルカラー

ステンレス屋根工事を依頼する業者選びのポイント

屋根のリフォームを行う際に業者選びは大変重要なポイントです。

どのような業者を選ぶかによって工事の質が変わってきます。

ここでは、業者選びのポイントを確認しましょう。

3社以上から見積もりを取ろう

屋根リフォーム工事の相見積り

業者によって見積もりや工事内容が大幅に変わります。

なかにはこちらがあまり知らない分野だからといって、高額な費用を請求する悪徳業者も存在します。

少なくとも3社以上から見積もりを取れば、工事の相場や内容を理解できるようになるので、騙される可能性も格段に減るでしょう。

より良い工事を行うためにも相見積もりを取ることは大切です。

ステンレス屋根設置の実績がある業者を選ぼう

ステンレス屋根設置の実績がある屋根業者

ステンレス屋根を設置する場合は、ステンレス屋根設置工事の実績がある業者を選びましょう。

ステンレス屋根はガルバリウム鋼板などに比べると施工数が少ないため、業者によっては施工したことがない場合もあります。

やはり施工実績がある業者の方がその素材の扱いに慣れているので、技術的な面でも知識的な面でも安心です。

実績はホームページでも確認できる場合が多いので、一度ホームページを見てみましょう。

コミュニケーションが取れる業者を選ぼう

コミュニケーションが取りやすい屋根工事業者

屋根工事を依頼する業者を選ぶ際には、コミュニケーションが取りやすい業者を選びようにしましょう。

屋根工事を行うためには屋根材の種類、カラー、デザイン、予算などさまざまなポイントを話し合う必要があります。

お客様が思っていることを伝えやすいような業者にすると満足できる工事ができることが多いです。

仙臺屋根屋のステンレス屋根工事施工実績

ステンレス屋根工事でよくあるご質問

ステンレス屋根工事のメリットは何ですか?
ステンレス屋根は耐久性が高く、錆びにくいため、長期間にわたってメンテナンスコストを削減できます。また、重量が軽く、施工が容易な点もメリットです。
ステンレス屋根の寿命はどれくらいですか?
適切なメンテナンスを行えば、ステンレス屋根は50年以上持つことが一般的です。
ステンレス屋根のコストはどれくらいかかりますか?
ステンレス屋根は他の屋根材料に比べて初期コストが高いですが、長期的に見るとメンテナンス費用の節約により経済的です。
ステンレス屋根工事に適した時期はありますか?
ステンレス屋根工事は天候に左右されにくいので、年間を通して施工可能ですが、積雪の少ない時期に行うのが一般的です。
ステンレス屋根のデザインの種類はありますか?
ステンレス屋根は光沢のあるものからマットな仕上がりまで、さまざまなテクスチャーと色で提供されています。また、形状もカスタマイズ可能です。
ステンレス屋根と他の金属屋根との違いは何ですか?
ステンレスは錆びにくさが特徴で、海辺など塩害のある環境でも使用できます。一方、アルミニウムや亜鉛メッキ鋼は環境によっては錆びやすい場合があります。
ステンレス屋根のメンテナンス方法は?
定期的に屋根を清掃し、異物が積もらないようにすることが大切です。また、小さなキズや損傷があれば早めに修理を行うことが推奨されます。
ステンレス屋根を選ぶ際の注意点は何ですか?
品質にばらつきがないよう、信頼できるメーカーや施工業者を選ぶことが重要です。また、建物の構造に合った厚みや種類のステンレスを選ぶことも大切です。
ステンレス屋根の防音性について教えてください。
ステンレス屋根は金属特有の音の反響があるため、防音材の追加や適切な下地材の使用で、音の問題を軽減することができます。
ステンレス屋根工事の施工期間はどれくらいですか?
作業の規模や条件にもよりますが、一般的には数日から数週間程度で完了します。天候や施工環境によっては期間が延長する場合もあります。

その他の屋根工事メニュー

この記事の監修者

株式会社菊地板金工業、代表取締役、菊地社長

菊地正秀

株式会社菊地板金工業 代表取締役

宮城県仙台市出身、屋根・外壁板金工事歴30年

18歳から建築工事にはじまり、屋根、外壁工事や水道、基礎工事と建設業の様々な分野で、幅広い知識と現場経験を習得。
建物の主要構造物となる『屋根』において金属板金を自由自在に施工する奥深さに魅力を感じ、25歳で屋根工事を専門とする一人親方として、独立。
平成23年に株式会社菊地板金工業を設立し、代表取締役に就任。現在に至る。
以上の経験をもとに、リフォームのトラブルを回避できる情報を、「失敗ゼロ!屋根・外壁工事研究会」として、皆様に発信している。