夢のマイホームを購入して数十年経過すると、修理が必要になってくる個所も出てきます。
日頃定期的に屋根の状態を観察しているわけではないので、急にメンテナンスが必要になるケースもあるでしょう。
ここでは急に屋根の修理が必要になった方のために「屋根の修理費用相場」や「修理の目安と業者選びのポイント」を解説します。
Contents
屋根修理が必要な理由
屋根は家の天井を雨風や日差しなどから守ってくれる大切な役割があります。
そして紫外線から我々を守ってくれる代わりに、少しずつ劣化してダメージを受けます。
このダメージが長年積み重なると、屋根が次第に腐食して壊れる原因にもなります。
特に雨漏りなどが発生している場合は、雨漏り以外にも様々な箇所が複合して補修が必要になる場合があります。
屋根の見える箇所だけが少し傷んでいるからと油断していると、後々修理では取り返しがつかない状態になっていることもあります。
「屋根は定期的な点検が必要」と言われるのはこのような背景の為です。
どうして車には車検があるのに、屋根の点検を疎かにするのでしょうか?
では実際に屋根の修理とはどのようなものがあり、幾らくらいの予算を考えておけば良いのでしょうか?
以下では屋根の具体的な種類と修理費用をご紹介します。
屋根にはどのような種類がある?
ひとくちに屋根といっても複数種類あり、ここでは一般的な「スレート屋根」「瓦屋根」「金属屋根」の3種類をご説明します。
スレート屋根
スレート屋根には、天然の粘板岩を板状に加工した「天然スレート」と、セメントに繊維素材を混ぜ板状に加工する「化粧スレート」の2種類があります。
天然スレートは非常に高価なこともあり普及率は低い傾向にあります。
一般的なのは比較的安価な化粧スレートとなり、新築時の費用を抑えるために近年よく使用される屋根材です。
本記事では化粧スレートに関してご紹介しています。
瓦屋根
過去より旧家屋での使用もある日本での普及率が高い屋根材です。
近年では様々な材質でも作られる事があり、粘土で瓦の形を作り釉薬(ゆうやく)と呼ばれるガラス質の薬剤を塗布し高温で焼き上げた物を「陶器瓦」や「釉薬瓦」などと呼びます。その他にも、陶器瓦の最終工程で釉薬を塗らずに焼いた「素焼き瓦」や粘土の代わりにセメントと砂で作られた「セメント瓦」などがあります。
金属屋根
金属屋根とは、金属を長い板状に薄く加工した屋根材です。
金属加工なので、複雑な形状の屋根にも自由に加工して対応できる柔軟性が特徴です。
使用される材質も複数あり、工場の屋根などに使用される亜鉛メッキ鋼板の「トタン屋根」や、金属の鋼板をアルミ・亜鉛・シリコンでメッキ加工した「ガルバリウム鋼板」など様々な材質の屋根材があります。
現在では、ほとんどの金属屋根がガルバリウム鋼板で採用されています。
屋根の材質ごとに修理単価は異なる
屋根の材質ごとに修理費用の単価は大きく異なります。
以下では一般的な修理単価の一例をご紹介します。
スレート屋根の修理①ヒビ割れ
スレート屋根で一番多い修理はヒビ割れです。
大事には至っていないので、定期点検をしていないと見つけることは困難ですが、初期段階で発見しないと大掛かりな補修工事が必要になってきます。
初期の段階であれば、部分補修が可能なので接着剤やコーキング材を用いて補修します。
この場合の費用は5千円〜1万円程度です。
平成18年以降のスレート屋根(コロニアル)は、ノンアスベストに切り替わった事で屋根の素材がもろくなり、部分交換が出来ない症例が増えてきています。
スレート屋根の修理②塗装の塗り替え
ヒビ割れの原因の1つに塗装の劣化があります。
塗装を塗り直すことでヒビ割れや表面の色褪せなども防ぎます。
また、ヒビ割れを補修した表面を塗装して補修をすることで全体の劣化を防ぐこともできます。
スレート屋根の塗装費用の相場は、塗装する塗料の種類によって次のような費用感になります。
塗料の種類 | 塗装費用相場(30坪の場合) |
---|---|
ウレタン系塗料 | 24万円~32万円 |
シリコン系塗料 | 26万円〜35万円 |
フッ素系塗料 | 60万円〜80万円 |
スレート屋根の修理③重ね葺き(カバー工法)
ヒビ割れが大きく進行すると前述のような方法では補修することができません。
防水シートや野地板に損傷がない場合は、既存のスレート屋根を残したまま上からガルバリウム鋼板などを重ねて補修します。
重ね葺きをする場合の費用相場は、1㎡あたり7千円〜1万円くらいが相場になり総額70万円〜250万円程度掛かります。
※石綿(アスベスト)有無の事前調査費用は別途(大気汚染防止法 第18条の17)
スレート屋根の修理④葺き替え
防水シートや野地板まで損傷が激しい場合は、古いスレート屋根材を取り外し、防水シートや野地板を補修して新品の屋根材を施工します。
屋根の葺き替えの費用相場は、一般的な住居の場合(30坪)140万円〜300万円掛かります。
※石綿(アスベスト)有無の事前調査費用は別途(大気汚染防止法 第18条の17)
瓦屋根の修理①ヒビ割れ・部分補修
スレート同様にヒビ割れの場合の費用は数5千円〜1万円程度です。
部分的に瓦を交換する場合は1枚8千円〜9千円ぐらいが相場です。
※交換費用に足場などの費用は別途
瓦屋根の修理②塗装の塗り替え
屋根瓦には粘土系と言われるタイプと、セメント系と言われるタイプの2タイプがあります。
粘土系とは陶器瓦やいぶし瓦などの和瓦のことをいい、一般的に表面を保護するための塗装などは行いません。
一方で、セメント系の屋根瓦は耐水性がなく水を吸い込むので表面に定期的な耐水塗装が必要になります。
一般的には、シリコン系の水性塗料とフッ素系の弱溶剤の塗料が使われます。
塗料の種類 | 塗装費用相場(30坪の場合) |
---|---|
シリコン系塗料 | 44万円〜50万円 |
フッ素系塗料 | 60万円〜70万円 |
屋根瓦の修理③葺き直し
葺き直しは屋根瓦だけにしかできない工法で、一旦瓦を全て取り外し下地などが痛んでいないか確認し、防水シート及び瓦桟を交換して、屋根瓦を再度同じ場所に配置します。
下地が傷んでいたらスレート同様に葺き替え作業を行います。
葺き直し作業だけの場合の相場は一般的な住居の場合(30坪)で約150万円〜250万円掛かります。
金属屋根の修理①塗装の塗り替え
金属なのでそうそう割れるなどのようなことはありませんが、表面塗装の色褪せや表面が錆びてくると塗装が必要になります。
塗装が劣化すると剥離などが発生することがあり、そのまま放置すると剥がれ部分に水が溜まり錆の原因になります。
金属屋根の塗装費用の相場は、塗装する塗料の種類によって次のような費用感になります。
塗料の種類 | 塗装費用相場(30坪の場合) |
---|---|
ウレタン系塗料 | 38万円〜43万円 |
シリコン系塗料 | 40万円〜48万円 |
フッ素系塗料 | 50万円〜70万円 |
金属屋根の修理②重ね葺き(カバー工法)
スレートや屋根瓦同様に損傷が激しい箇所などは重ね葺きをして修理します。
その際に、下地が痛んでいたらスレート同様に葺き替え作業を行います。
金属屋根の重ね葺きでは、取り替える材質により異なります。
屋根材 | 費用相場(30坪の場合) |
---|---|
ガルバリウム鋼板 | 70万円~150万円 |
ジンカリウム鋼板 | 85万円~180万円 |
銅板※常時価格変動 | 178万円〜248万円 |
なぜ屋根の修理は高いの?
前途で屋根の種類や材質ごとの費用相場を解説しました。
いざ修理をしてもらうために見積もりを要請して、屋根修理の費用明細を見たときにイメージよりも高い費用に驚く方もいらっしゃいます。
雨漏りでの部分補修の例に詳しく見てみます。
(例)スレート屋根でのひび割れのケース
部分補修項目 | 費用 |
---|---|
ひび割れの為シーリング補修費 | 2.5万円 |
部分交換費板金交換費 | 5.5万円 |
足場設置費用 | 15万円 |
合計 | 23万円 |
屋根の補修で最も多いのが部分補修です。
ヒビ割れた箇所だけシーリング材で補強して、実費として数万円で済みそうで良かったなどと勘違いしている方がよくいます。
この場合の費用の多くは足場代の設置費用になります。
屋根の上は危険な作業が多い
屋根の修理は、ハシゴで屋根上に上がってしまえば簡単に補修できると思われがちですがそうではありません。
屋根の上では、他に補修する場所がないか隅々まで確認する必要があり、その為には安全な足場の確保が必須です。
事前調査には、安全性を確保するためにドローン調査を推奨しています。
精度の高い足場が高い作業効率を生む
屋根の上や周辺を施工スタッフが自由に動けるように足場が確保されていると、最終的な施工の時間短縮や作業効率につながります。
実際に、屋根修理の90%は足場の設置が必要になります。
労働安全衛生法でも「2m以上」の作業を行う場合には、足場の設置義務があると明記されているので、万が一2m以上の高所で作業をする際に、足場を組んでいないと違法にもなります。
屋根の耐用年数とメンテナンス頻度
自宅の屋根材がどのような材質や形状なのかを把握するのがとても大切です。
新築ではご自身で屋根材を選定していると思いますが、中古物件などではそこまで詳細に把握しきれていないケースもあります。
一般的な屋根材の耐用年数の一覧と推奨メンテナンス時期を下の表でご紹介します。
屋根材 | 耐用年数 | 推奨メンテナンス時期 | |
---|---|---|---|
スレート屋根 | 20年〜30年 | 7年~10年 | |
金属屋根 | トタン | 10年〜20年 | 5年~10年 |
ガルバリウム鋼板 | 30年〜40年 | 15年~20年 | |
屋根瓦 | セメント系瓦 | 30年〜40年 | 10年~15年 |
粘土系瓦 | 60年〜100年 | 20年~30年 | |
防水シート | 20年〜30年 | 10年~15年 | |
野地板 ※漏水が無ければメンテナンスは不可 | 20年〜30年 | 10年~15年 |
屋根が保つ耐久力を知ることは大切です。
そして本来屋根が機能を果たす寿命を最大限引き出せるように、日々のメンテナンスを行うことが必要です。
屋根の耐用年数とは?
耐用年数とは、屋根が材質ごとに持っている耐水性や日差しから物理的に身を守れる耐久年数を指します。
材質そのものの寿命と考えるとわかりやすいでしょう。
耐用年数を過ぎるとどうなる?
耐用年数を過ぎると、材質の機能を徐々に果たさなくなります。
次第にヒビ割れが発生したり、錆などが目立って広がります。
そのままにして放っておくと屋根材の下に引いてある防水シートの傷みを早くすることにもなります。
修理が必要な症状が進むと、後の修理費用も高くなることがあるので注意が必要です。
スレート屋根の耐用年数
スレート屋根の耐用年数は、一般的に20年〜30年です。
材質というよりも塗装で耐水性を保っているので、7年〜10年に1度を目安に塗装の塗り直しが必要です。
耐用年数を超えると屋根材として使用できなくなるので、耐用年数が近くなる20年〜30年を目安にガルバリウム鋼板に葺き替えるのが一般的です。
瓦屋根の耐用年数
瓦屋根の耐用年数は、セメント系瓦で30年〜40年、粘土系瓦になると60年〜100年と非常に長期的です。
セメント系瓦は、前途でも解説しましたが耐水性を塗料で付与しているので10年〜15年に1度塗料を塗り直すメンテナンスが必要です。
粘土系瓦は塗料などでのメンテナンスは不要で、20年〜30年に1度葺き直しをして防水シートの状態を確認します。
金属屋根の耐用年数
金属屋根で一般的な材質は、前述にもありますがトタンとガルバリウム鋼板です。
トタンに関しては、耐用年数が10年〜20年と短く錆による劣化に著しく弱いので早めに再塗装メンテナンスをして気をつける必要があります。
ガルバリウム鋼板は、トタンに比べて錆に強い特性があるので15年周期でのメンテナンスを行うと耐用年数は30年以上もちます。
屋根修理業者を選ぶポイント
屋根の修理は高額になることが多いので、修理業者選定では失敗したくないですよね。
では業者を選定する際に、何を基準として選べば良いのでしょうか?
次に屋根修理業者の種類や選定の基準をご紹介します。
屋根の修理業者には様々な種類や得意分野がある
屋根の修理を行う業者は複数あり、種類ごとに専門分野や特長があります。
「板金工事会社」と「瓦葺工事会社」
屋根専門の修理業者には「板金工事会社」と「瓦葺工事会社」の2種類があります。
この2種類の業者の職人が実際に屋根に登り作業を行います。
スレート屋根の場合はどちらの会社も請け負うことがありますが、屋根瓦の場合は瓦葺工事会社が、その他の金属屋根は板金工事会社が基本的に作業をします。
ご自身の家の屋根がどんな形状・材質であるかを確認して専門業者に依頼すると良いでしょう。
地元の建築会社や工務店
自宅がある周辺には地域密着型の建築会社や工務店があると思います。
このような業者に依頼するメリットは、ご近所からの口コミなどの情報を得やすい点にあります。
友人がお世話になって高評価だった業者などは、安心して任せることができるでしょう。
しかし、依頼した業者が実際に作業する業者ではなく、下請け業者に委託している場合もあるので気をつけなければなりません。
その為、少し金額が高くなることもあるので、依頼する業者がどんな作業まで自社でできるのか確認しておきましょう。
大手のリフォーム会社
よくCMなどで耳にする大手のリフォーム会社などは、企業的には聞いたことがない業者よりも安心かもしれません。
しかし、実際の作業の多くは下請け業者に回すことがほとんどで、細かい要望が通りにくかったりすることもあります。
その反面で、リフォームや修理が広範囲に及ぶ際には全ての作業を一括して依頼できるので、作業ごとに様々な業者に依頼する煩わしさなどがないメリットもあります。
塗装業者
塗装業者でも屋根の工事や修理を行ってくれる業者は沢山あります。
比較的安価で対応してくれるケースが多いようですが、塗装だけ自社で行い、他の補修は外注に任せるケースもあるので事前に作業範囲の確認しておきましょう。
そしてもっと大切なことは、屋根修理業者が親切な対応かどうかです。
- 相談した際に、親身になって我が事のように考えてくれているか
- 希望していない提案を一方的にしていないか
- 現地調査の時に、営業マンではなく会社の代表が、挨拶に来ているか
- 地元に根付いた会社であるか
- 選んだ修理業者に不安要素が無いか
なども注視してみてましょう。
屋根修理業者の探し方
どのような種類の修理業者があるのか紹介しましたが、実際にどのように探せば良いか困ってしまうこともあるでしょう。
そこで、ここではどのような方法で業者を探せば良いのかご紹介します。
まずは家を建てたハウスメーカーへ相談
新築で家を建てた場合に一番お世話になったハウスメーカーに相談するのは基本です。
安心できるメーカーからの紹介なのでトラブルになることはあまりありません。
ハウスメーカーが直接窓口になることもあれば、業者を教えてくれることもあります。
地元の信頼できる専門業者に相談
屋根修理では、地元に根付いた屋根修理の専門業者もいます。
大手に頼んでも結局、下請けに振るなどで施工する業者は一緒のため、地元の屋根修理業者の方が、結果的に安く済むことが多いです。
実績も豊富なため、一度相談してみましょう。
自治体に修理業者を教えてもらう
自治体では悪徳業者対策として、リフォーム事業者の紹介をホームページで行っています。
ここで見つけることができる業者のほとんどが設計会社や工務店なので基本的に作業は外注工事になります。
安心して依頼できる代わりに中間マージンを取られるので少し割高になるケースがあります。
国土交通省の「住宅リフォーム事業者団体登録制度」を利用
国土交通省では、消費者がトラブルなくリフォームできるように、国土交通省の管轄で一定基準に達した事業者団体に「安心リフォーム証」を発行しています。
この「安心リフォーム証」を取得した地元業者を専用ホームページから調べることができます。
このホームページを利用することで、インターネットで1つずつ検索して調べる必要がなく国のお墨付き優良業者を見つけることができます。
悪徳業者には要注意
大きな天災や災害が発生すると、悪徳業者が一斉にその地域に集まり悪事を働く傾向にあります。
政府発表や報道機関、自治体がその都度に注意喚起していても、悪徳業者の巧妙な手口に引っ掛かる人が後を絶ちません。
ここで実際に被害にあった手口の一例をご紹介します。
悪徳手口①突然訪問してきて嘘の劣化を指摘
訪問販売のように急にインターホンを鳴らし「屋根が壊れているのを見つけました。このままでは大事になりますよ!」などと嘘を言い、危機感を煽り壊れてもいない箇所を修理して高額請求をされることがあります。
また、実際に壊れていて修理が必要な場合も相場より高額な費用を請求されることもあります。
このような時は、一旦名刺を貰って会社をホームページなどで確認し詐欺などではないか確認しましょう。
悪徳手口②屋根の無料点検をすると言いワザと壊す
依頼などしていないのに、屋根の無料点検をするなど言われて勝手に屋根に登ろうとしてきたら注意が必要です。
実際無料ということで親切であると思われがちですが、無料点検の際にその場で壊して壊れていたことを装うケースもあります。
絶対にその場で契約をするのはやめましょう。
また、初回の修理では安価に対応をして対応の良い業者を装って、後日また他の屋根の箇所を修理に誘導して高額請求をする場合もあります。
悪徳手口③近所で屋根工事をしているので安くすると勧誘
最も昔からある古典的な手法で、近所で屋根工事をする挨拶訪問のようなふりをして「近所で屋根の工事をしているから今なら安くできますよ」などという営業を行います。
この場合の多くが手抜き工事で、実際の相場の数倍にもなる金額を吹っ掛けてきます。
中には着手金がないと工事を始めることができないなどと言い、前金だけ受け取り音信不通になる業者などもあります。
このような場合は、断るのはもちろんですが契約をした場合はちゃんと見積もりをとり名刺や支払いの領収書なども用意させましょう。
悪徳業者は証拠から足がつくことを恐れますので、きちんと事前対策をしましょう。
屋根の修理は火災保険で保障できる?
火災保険は台風や雹での被害や雪などでの自然災害の際に補償してもらえる保険です。
では同様の状況や火災保険の適用範囲で修理が可能なのでしょうか?
火災保険で屋根の修理ができる条件
火災保険で屋根が修理できる条件は以下の3つです。
被災などで屋根の修理が必要になってから3年以内に申請
火災保険が適用可能なのは、被災してから3年以内に行う補修工事のみと保険法にて次のように定められています。
平成二十年法律第五十六号
保険法
(消滅時効)
第九十五条 保険給付を請求する権利、保険料の返還を請求する権利及び第六十三条又は第九十二条に規定する保険料積立金の払戻しを請求する権利は、これらを行使することができる時から三年間行使しないときは、時効によって消滅する。
よって「5年前の災害により受けた被害の修理」などには火災保険を適用することができません。
3年間猶予があると思っているといつの間にか時期が過ぎていたりすることがあるので、修理が必要な場合は早めに修理を検討すると良いでしょう。
屋根の被害原因が災害による場合
屋根が被害を被った際に、その原因となるのが「台風・大雪・雹・雪崩」などの天災だと火災保険の適用範囲になります。
台風で屋根が飛んだり屋根瓦が落ちて割れたり、雹で屋根に穴が空いたりした場合には災害と認定されます。
経年劣化で屋根に修理が必要になったケースでは保険が適用されません。
同じ天災の地震被害の場合は保証の適用外となります。
これは地震での屋根修理は地震保険の範疇になるので火災保険では保証の対象外になります。
屋根を修理する費用が20万円以上
火災保険には免責金額が設けられており、この金額以下の補修工事は火災保険で費用請求ができません。
免責金額は一般的にどの火災保険も20万円となっており、この金額が1つの基準になります。
よって損害額が19万円の場合は保険金を1円も受け取ることができません。
逆に21万円の損害額の場合は全額受け取ることができます。
屋根工事の足場代も含めて良いのでこの費用も保険会社に請求することを忘れないようにしましょう。
火災保険の対象は諸費用も含む
屋根修理の工事で火災保険の対象となるのは、保険法で次のように決められています。
保険法(費用の負担)
第二十三条 次に掲げる費用は、保険者の負担とする。
一 てん補損害額の算定に必要な費用
二 第十三条の場合において、損害の発生又は拡大の防止のために必要又は有益であった費用
2 第十九条の規定は、前項第二号に掲げる費用の額について準用する。この場合において、同条中「てん補損害額」とあるのは、「第二十三条第一項第二号に掲げる費用の額」と読み替えるものとする。
わかりやすく解説すると次のような費用が含まれます。
仮修理の費用
仮修理費用とは、応急処置を行わないと被害が広がる場合の仮修理費用をいい、この費用も火災保険の対象です。
残存物の片付け費用
仮修理を行った際に発生した交換した屋根材などの不要物の片付け費用も保険対象です。
損害範囲確定費用
工事の前に業者が現地調査を行う費用や、見積もり作成費用なども火災保険の適用範囲です。
仙台市の屋根修理業者「仙臺屋根屋」の実績紹介
宮城県黒川郡での実績
施工内容 | 屋根葺き替え(瓦解体、杉皮葺き(100年前は防水シートの代わりに杉皮を葺いてから瓦を取り付けています)解体~天井裏に断熱材敷き込み~野地板の下地張り~定尺横葺き(1枚の長さが12尺で繋いで葺く屋根材)~冠瓦箱棟納め(棟の高さを大きく見せるために箱型に材木で下地を作成し、頂点に冠瓦を取り付ける工程) |
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施工前のお悩み | 築100年以上の屋根を修繕できるのか?雨漏りを直したい。冬が寒くて夏が暑いので、天井裏に断熱材を入れたい。 |
施工後のお客様の声 | 古来の工法で建てられた我が家に対して、新しいやり方での屋根の仕上がりに大変満足しております。困難な事案に対しても『創意工夫』で挑戦している貴社の姿勢に大いに期待しています。その後も別案件でご相談いただきました。 |
施工期間 | 令和1年6月1日~7月30日(2か月間) |
築年数 | 100年 |
施工費用 | 615万円(税別) |
m数 | 430㎡ |
使用材料 | 定尺横葺き(遮熱カラーガルバリウム鋼板0.35mm) |
施工前
室内天井に雨漏り
①既存屋根解体
②天井裏に断熱材を敷きこむために屋根板を剥がす
施工後
宮城県仙台市宮城野区での実績
施工内容 | 屋根カバー工法(スレート屋根~ガルバリウム鋼板横葺き) |
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施工前のお悩み | 以前に建てて貰ったハウスメーカーの屋根カバー工法の見積額が高かった。屋根は日々暮していく中で重要な所なので、最優先で直したい。 |
施工後のお客様の声 | とても満足しています。施工スタッフの対応も良く、工事も丁寧に仕上げて頂きました。 |
施工期間 | 令和5年2月8日~2月28日(20日間) |
築年数 | 34年 |
施工費用 | 184万円(税別) |
m数 | 154㎡ |
使用材料 | Zワイドルーフ364(遮熱カラーガルバリウム鋼板0.4mm) |
施工前
防水シート施工
新規屋根施工中
棟下地材取付(樹脂製下地材)
屋根工事完工
まとめ
屋根修理の費用相場と修理の目安や業者選びのポイントなどを解説しました。
屋根材により様々な修理方法があるので、ご自身にあった業者を選びまずは相見積もり依頼をしましょう。
そうすることで適切な費用がわかり安心して修理を依頼できます。