スレート屋根は丈夫で固さがあり、しかも安いということで人気がある屋根材です。
しかし、屋根はどうしても紫外線や雨風の影響を受けてしまうため、時とともに劣化していきます。
そこで、ここではスレート屋根のトラブルの中でも多い「ひび割れ」についてご紹介します。
「スレート屋根がひび割れする原因」「スレート屋根のひび割れの補修方法や費用」など解説するので、スレート屋根の住宅のお住いの方、スレート屋根のひび割れでお困りの方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
スレート屋根ってどんな屋根?
スレート屋根とは板のような形になった屋根材を並べた屋根のことです。
丈夫で軽く、費用も安いためとても人気があり、大きく分けると3種類のスレート屋根があります。
スレート屋根の種類と耐用年数
スレート屋根には3種類あり、それぞれ耐用年数などが違います。
スレート屋根の種類 | 製造時期 | 耐用年数 |
---|---|---|
アスベスト含むスレート屋根 | 2000年代中頃まで | 30~40年 |
アスベスト含まないスレート屋根 | 1990~2000年前半(2008年販売中止) | 15~20年 |
アスベスト含まないスレート屋根 | 2000年代中頃から | 20~30年 |
アスベストを含むスレート屋根
2000年中頃まではまだアスベストを含むスレート屋根が使用されていました。
アスベストを含む屋根材は丈夫で長く使用できるという特徴があるため、耐用年数も30~40年度長いです。
2000年代中頃からアスベストを含む屋根材を新たに使用できなくなったため、それ以降はアスベストを含まないスレート屋根が使用されることになりました。
アスベストを含まないスレート屋根(2000年代中頃まで)
この時期に製造されたアスベストを含まないスレート屋根は、まだ技術が発達していなかったということもあり短命で長持ちしないのが特徴です。
そのため寿命も15~20年と他のスレート屋根より短いです。
アスベストを含まないスレート屋根(2000年代中頃から)
2000年代中頃以降に製造されたスレート屋根は、2000年中頃以前に製造されたスレート屋根に比べて丈夫で長持ちするようになりました。
そのため、寿命は20~30年です。
このように、同じスレート屋根でも種類によって耐用年数が違います。
ご自身がお住いの住宅の屋根がどのタイプかによって耐用年数が変わってくるので、まずはどのタイプに当てはまるのかを知ることが大切です。
では次にスレート屋根のメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
軽い素材なので地震に強い
スレート屋根は薄い板状になっているため他の屋根材と比べて軽く、耐震性が強い屋根材です。
地震で家が潰れてしまう原因の一つに屋根の重みがあるため、屋根材を軽量にして地震に備えておくことは大切です。
値段が安い
スレート屋根は瓦などの屋根材と比べて値段が安いという魅力があります。
そのため、設置時の費用を抑えることができるので人気が高いです。
デザイン・カラーが豊富
スレート屋根はデザインやカラーが豊富な屋根材です。
そのため、家の雰囲気やお住いの方の好みに合わせたものを選ぶことができます。
デメリット
ひび割れが発生しやすい
スレート屋根は他の屋根材と比べてひび割れが発生しやすい素材です。
塗装が剥げてくると防水性や撥水性が悪くなり、雨や風や紫外線の影響を受けやすくなります。
その結果、ダメージが蓄積してひび割れが起こってしまいます。
特にデザインが凝ったタイプのスレート屋根はデザイン部分からひび割れが起こりやすいので注意が必要です。
雨漏りが発生しやすい
スレート屋根は他の屋根材と比べて雨漏りが発生しやすいです。
その理由は、雨水が染みこみやすいからです。
上記でも説明したようにひび割れが起こりやすく、そのひび割れから雨水が染みこんでしまうことがよくあります。
ひび割れがなくても、塗装が剥げた部分から雨水が染みこんで雨漏りすることもあるなど、スレート屋根は水に弱い素材だと言えます。
定期的なメンテナンスが必要
スレート屋根は水に弱い屋根材なので、定期的なメンテナンスとして塗装を行って、屋根の防水性を上げる必要があります。
塗装が剥げた部分から雨水が染みこんでひび割れたりすることも多いので、塗装が剥げるまでのタイミングで塗り直しておくことが重要です。
また、塗装メンテナンスのタイミングでひび割れなど破損している部分を見つけて修理しましょう。
スレート屋根にひびが入る原因
スレート屋根に多いトラブルとして「ひび割れ」がありますが、その原因は一体何なのでしょうか。
これからスレート屋根にひびが入る主な原因をご紹介します。
経年劣化
スレート屋根にひびが入る原因として最も多いのが経年劣化です。
常に紫外線や雨風にさらされているため、屋根はどうしても劣化してしまいます。
経年劣化によって起こる症状はひび割れ以外にもいくつかあるので、その症状をご紹介します。
症状が見られる場合は、一度業者に屋根点検を依頼しましょう。
- 色あせ
- カビ
- 藻
- 塗装はがれ
- 塗装ふくらみ
- スレート屋根の欠損
台風や強風によって飛来した物で破損する
台風や強風によって飛来した物が当たり、屋根が破損するという場合もあります。
破損した部分をそのままにしておくと、さらにダメージが広がって雨漏りなどが起こる可能性もあるので、できるだけ早く修理することが大切です。
台風や強風の際に屋根上で大きな音がした場合、台風や強風の後に雨漏りがするようになった場合などは、業者に点検を依頼しましょう。
また、台風や強風などの自然災害が原因で屋根が破損した場合は、火災保険の対象となることがあります。
火災保険に加入されている場合は、保険会社に連絡してみましょう。
屋根の上で行う工事
屋根の上で工事を行った際に屋根がひび割れることもあります。
屋根上で行う代表的な工事と言えば、アンテナ工事・太陽光パネル設置工事です。
特に、太陽光パネルは重さがあるため、パネル下の屋根にひびが入るケースがあります。
※「屋根上での工事の後に雨漏りが発生した」「天井にシミがついている」など変わったことがある場合は、工事をしてもらった業者に連絡しましょう。
踏んで割れる
屋根上の工事で人が屋根上を歩いた際に、その重みで屋根にひびが入ることがあります。
特に重いものを持っている場合などはひびが入りやすいので注意が必要です。
また、設置から時間が経っている屋根は経年劣化が進んでいるため、さらにひび割れのリスクが上がります。
※「屋根上での工事の後に雨漏りが発生した」「天井にシミがついている」など変わったことがある場合は、工事をしてもらった業者に連絡しましょう。
このような原因でスレート屋根にひび割れが発生します。
では、次にスレート屋根のひび割れを補修する方法とその費用目安をご紹介します。
スレート屋根のひび割れを補修する方法と費用
スレート屋根の修理方法には破損している部分だけを修理する「部分補修」と屋根全体を補修する「全体補修」があるので、それぞれの修理方法についてご紹介します。
部分補修
部分補修とは、屋根の破損部位のみを補修する修理方法です。
部分補修にもいくつか種類があるのでご紹介します。
コーキング
コーキングとは、ひび割れや欠けをコーキング剤で埋める修理方法です。
ひび割れや欠けが小さく破損が少ない場合に行います。
費用目安
- 1万円~3万円(破損範囲や破損個所の数による)
部分的な交換
部分的な補修とは、ひび割れや欠けがあった部分の屋根材を交換する修理方法です。
ひび割れている屋根材を取り外して新しい屋根材を取り付けます。
コーキングでは直せないくらいの損傷の場合に部分的な補修を行うことが多いです。
費用目安
- 1か所あたり:1万円~2万円
足場を設置する場合は足場代も必要です。
塗装
塗装は、屋根の表面に新たに塗装をし直す修理方法です。
小さなひび割れがたくさんある場合などは塗装で対応することもあります。
塗装をすることによって屋根の防水性・撥水性を上げることができるため、屋根を長持ちさせることができます。
費用目安
- 30万円~80万円
メンテナンスとしての定期的に塗装を
スレート屋根を長持ちさせるためには7年~10年ごとに塗装を行いましょう。
定期的に塗装を行うことによってスレート屋根の撥水性・防水性が上がり、ひび割れや雨漏りなどのトラブルを防いでくれます。
メンテナンス目安(時期) | 7年~10年ごと |
---|---|
メンテナンス目安(症状) | 屋根を設置してから10年以上経過している色があせてきている塗装が剥がれてきている |
お住いの地域環境によってスレート屋根の耐用年数が変わってきます。
海の近にある家、木に囲まれた家の場合は耐用年数が短くなるかもしれません。
屋根は自分の目で確認するのが難しいので、専門業者に定期的に点検を行ってもらいましょう。
- 前回塗装を行ってから7年~10年以上経っている
- 屋根が色あせている
- 塗装が剥がれている
- 小さなひび割れがいくつかある
板金補修・漆喰補修
板金補修とは、浮いていたり腐食していたりする釘を打ち直す補修方法です。
屋根は強風の影響を受けやすい設備なので、どうしてもダメージを受けてしまいます。
一般的には10年ごとに板金や漆喰補修を行うのが推奨されていますが、居住環境によっては30年ほどもつというケースもあります。
また、逆に10年未満でも劣化が進んでいるケースもあるので、定期的に点検を行いましょう。
費用目安
- 部分的な補修の場合:数万円
- 全体的な補修の場合:15万円~30万円
板金・漆喰補修の目安
- 釘が浮いている
- 小さなひび割れがある
全体補修
全体補修とは、屋根全体を補修する修理方法です。
屋根全体が傷んでいる場合や屋根材が耐用年数を超えている場合は全体補修を行いましょう。
では、全体補修の種類についてご紹介します。
カバー工法(重ね葺き)
カバー工法とは、既存の屋根の上に新たな屋根を設置する工事方法です。
屋根の撤去作業を行わなくてもよいため、費用を抑えられます。
ただし、屋根下地が傷んでいる場合や既存の屋根材が波型スレートや瓦の場合はこの方法での工事はできないので注意が必要です。
費用目安
- 80万円~150万円
カバー工法はこんな場合におすすめ!
- 屋根全体にひび割れがある
- 屋根全体が破損している
- 屋根の耐用年数を超えている
- 屋根下地はまだきれいな状態である
- 屋根工事費用を抑えたい
- 短い期間で工事を終わりたい
葺き替え
葺き替えとは、古い屋根を取り外して新しい屋根を取り付ける工事方法です。
屋根材だけでなく屋根下地まで傷んでいる場合や雨漏りしている場合などにおすすめです。
塗装メンテナンスなどを定期的に行っていても屋根材の耐用年数を超えている場合や雨漏りがしている場合は葺き替え工事を検討してみましょう。
費用目安
- 100万円~200万円
※新しく取り付ける屋根材によって大きく値段が変わります。
また、2000年代中頃以前にスレート屋根を設置している場合は、アスベストを含んでいる可能性があります。
アスベストを含むスレート屋根の場合撤去費用が高くなるということを理解しておきましょう。
葺き替え工事はこんな場合におすすめ!
- 屋根全体にひび割れがある
- 屋根全体が破損している
- 屋根の耐用年数を超えている
- 屋根下地まで傷んでいる
- 雨漏りがしている
では、実際にスレート屋根のひび割れを見つけたらどうすれば良いでしょうか。
スレート屋根のひび割れは見つけ次第業者に連絡しよう
スレート屋根のひび割れといってもその範囲や損傷程度はそれぞれ違います。
「まだひび割れが少ないしいいか…」
「ひび割れっていっても小さな傷だし…」
と思って放置する人もいますが、基本的にはひび割れを見つけたらすぐに業者に点検を依頼し、必要な場合は修理を行いましょう。
様子見をしていても良いひび割れもある
ひび割れが0.3㎜以下のサイズの場合は、様子見をしていても良い可能性があります。
しかし、様子見をしていても良いか修理をするべきかの判断を素人がするのは難しいので、必ず業者に点検を依頼しましょう。
では、もしもスレート屋根のひび割れを放置してしまったらどうなるのでしょうか。
ひび割れを放置した場合のリスク
ひび割れを放置すると、ひび割れ部分から雨水が染み込み、屋根内部まで雨水が侵入します。
雨水が染みこむと屋根材の劣化がすすみ、屋根下地までダメージを受けてしまいます。
最初はひび割れ部分のみが傷んでいたとしても、そのひび割れから雨水が侵入することによって屋根全体や家全体にダメージを与えることもあるので、小さなひび割れでも見つけらたらすぐに修理するのがおすすめです。
ひび割れを放置した場合に起こる症状
雨漏り
ひび割れた部分から雨水が侵入し、雨漏りが発生する可能性があります。
雨漏りが発生した場合、屋根材や屋根下地や家の骨格まで水が染み込んでいる可能性があるため注意が必要です。
雨漏りに気が付いたらすぐに業者に連絡しましょう。
屋根材・屋根下地の腐食
スレート屋根のひび割れ部分から雨水が染みこんで屋根材や屋根下地の腐食が進んでしまう可能性があります。
そうなると、雨が降るごとに雨水を吸収してさらに腐食が進み屋根材や屋根下地のダメージが進んでしまいます。
放っておくと家の外壁や骨格まで腐食が進んでしまうので、早めの修理が必要です。
家の骨格の腐食・外壁の傷み
スレート屋根のひび割れから雨水が侵入することによって、屋根材・屋根下地に雨水が侵入し、次は家の骨格や外壁まで雨水が染みこんできます。
そうすると、骨格や外壁の劣化が進み家全体にダメージを受けることになります。
最悪の場合、骨格や外壁に使用している木が腐敗して、家の建て直しとなる可能性もあるので、ひび割れの段階ですばやく修理しておくことが大切です。
スレート屋根のひび割れは放置すればするほど状態が悪化することが多いので、できるだけ早く修理するのがおすすめです。
早く修理すると修理費用も抑えらるので、まずはひび割れが発生しないように定期的にメンテナンスをしておくことが大切です。
スレート屋根のメンテナンス目安
スレート屋根はひび割れなどの目に見えるトラブルがなくても定期的にメンテナンスしておくと長持ちします。
次にスレート屋根のメンテナンス目安をご紹介します。
以下のような条件に当てはまる場合はメンテナンスをするのがおすすめです。
- スレート屋根にひび割れがある
- スレート屋根が色あせている
- スレート屋根の塗装が剥がれている
- スレート屋根が反っている
- スレート屋根で浮いている部分がある
- 雨漏りがしている
- 屋根を設置してから10年以上経っている
このような場合は、まず専門業者に点検を依頼しましょう。
定期的にメンテナンスをすることによってひび割れや雨漏りなどのトラブルを防ぐことができます。
屋根修理は自分でもできる?
基本的に屋根修理を自分でするのはおすすめできません。
屋根修理は高所作業なので転落事故のリスクが非常に高い作業です。
高所作業に慣れている屋根専門の業者の方でも年間に何人かが転落事故を起こしています。
また、自分で直すと火災保険の補償対象から外れてしまう可能性もあります。
屋根修理は簡単そうに見えて難しいので、専門業者に依頼しましょう。
仙台の屋根修理業者「仙臺屋根屋」の仙台市若林区での実績
施工内容 | コロニアル屋根のひび割れ部のぼ本交換 |
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施工前のお悩み | 建物への漏水が気になるので、早く直したい。 |
施工後のお客様の声 | 早急に直して頂き、助かりました。 |
施工期間 | 令和5年11月6日~11月6日(1日間) |
築年数 | 12年 |
施工費用 | 6万円(税別) |
使用材料 |
コロニアル クアッド |
まとめ
スレート屋根は、軽くて雨音も無く費用も安いため、とても人気がある屋根材です。
しかし、耐久性が低く水に弱いためひび割れや雨漏りなどのトラブルが起こりやすいという一面もあります。
スレート屋根でひび割れを見つけたときは、できるだけ早く業者の方に点検や修理を依頼しましょう。
小さなひび割れだと思って放置していると屋根全体や家まで深刻なダメージを与えてしまう可能性もあります。
小さな損傷のうちにすばやく修理すれば費用も抑えられるので、結果的にはお得ともいえます。