マンションの雨漏りを放置すると建物全体が劣化し、莫大な修理費用がかかってしまうことがあります。
そのため、雨漏りを見つけたらすぐに対処することが大切です。
そうは言っても、実際にマンションで雨漏りが起こったらどうすれば良いか分からない、という人も多いでしょう。
そこで、ここではマンションで雨漏りが起こった時の対処法や雨漏りの修理費用目安を紹介します。
急な雨漏りが起こっても慌てないように、正しい知識をしっかりと身に付けましょう。
Contents
雨漏りとは
雨漏りとは、屋根や外壁などから雨水が建物内部に侵入することを言います。
建物内部に侵入した水分は建物内部に溜まり、壁や天井にシミとなって現れることもあります。
雨漏りは放っておいても良い?
雨漏りを放っておくのはおすすめできません。
雨漏りを放置すると雨漏りしている部分だけでなく、建物構造も傷めてしまう可能性があるため、早期の対処が重要です。
雨漏りの修理は自分でできる?
雨漏り修理を自分でするのはおすすめできません。
雨漏りが発生すると外壁・屋根だけでなく建物の構造にもダメージを与えていることが多いので、素人が自分で修理するのは難しい場合が多いです。
雨漏りの修理は専門業者に依頼しましょう。
マンションで雨漏りが起こることってある?
一戸建てだけではなくマンションでも雨漏りが起こることはあります。
むしろ、マンションには雨漏りが発生しやすい部分(屋上・ベランダ)が設置されていることが多く、浸水などのトラブルが起こりやすいです。
マンションと一戸建ての雨漏りの違いは?
マンションと一戸建ての雨漏りの最も大きな違いは、雨漏りの発生や原因に気が付きにくいという点です。
マンションは一戸建てに比べて建物規模が大きく、住民の数も多いため、雨漏りが発生したとしてもその原因を特定するのに時間がかかります。
マンションなどの大型施設は普段から定期点検を受けて、雨漏りが発生していないか、雨漏りが発生しそうなところはないか、確認しておくことが大切です。
マンションで雨漏りが発生する原因
マンションで雨漏りが起こる原因は数多くありますが、ここでは主な原因を5つ紹介します。
マンションで雨漏りが発生したら、まず以下の部分を確認してすばやく原因を見つけましょう。
屋上のトラブル
マンションで雨漏りが発生する際に最も多い原因が屋上のトラブルです。
屋上は一戸建て住宅の屋根と違って傾斜がないため、水が溜まりやすく雨漏りが発生しやすい部分です。
そのため、多くのマンションでは屋上に防水工事を施しています。
しかし、その防水機能は永久的ではないので定期的なメンテナンスが必要です。
屋上のトラブルを防ぐためには定期点検やメンテナンスを行いましょう。
<屋上で起こることが多い主なトラブル>
- ヒビが入る
- コンクリートが膨れる
- 排水溝が詰まる
- 防水塗装が剥がれる
このような症状は屋上の防水機能が低下していることを示すので、できるだけ早く業者にメンテナンスを依頼しましょう。
ベランダのトラブル
マンションは各部屋にベランダが設置されていることが多いです。
このベランダは常に紫外線や雨風にさらされているため、どうしても早く劣化が進んでしまいます。
しかも、上の階のベランダと下の階のベランダが繋がっているため、上の階で侵入した雨水が下の階にまで流れて、雨漏りのダメージを大きくしてしまうことも少なくありません。
ベランダにシミができた、踊り場に水たまりができている、などの症状が現れたらベランダの雨漏りを疑いましょう。
外壁のトラブル
一戸建てと同じくマンションも外壁の劣化によって雨漏りが発生することがあります。
特に強度が弱い部分(シーリング部分、窓)は雨漏りが起こりやすいので、日頃から気にかけておきましょう。
水道のトラブル
マンションで意外と多いのが水道関連のトラブルです。
マンション内に通っている水道管の異常や排水設備の異常でも水漏れが起こることがあります。
天井や壁のシミや室内の水溜まりを見つけたら、水道関連のトラブルも疑いましょう。
人為的なトラブル
雨漏りだと思っていたら、人為的なミスが原因で起こる水漏れの可能性もあります。
例えば、上の階の人がお風呂のお湯を止めるのを忘れていた場合やトイレの排水管が詰まった場合、がよくあるトラブルです。
マンションの水漏れは構造的な問題だけでなく、人為的なミスでも起こる可能性があることを知っておきましょう。
マンションで雨漏りが発生した場合は誰の責任?
マンションの雨漏りはあらゆる原因によって起こりますが、一体誰の責任になるのでしょうか。
マンションで雨漏りが起こった際の責任の所在は、賃貸なのか分譲なのか、どの部分を修理するのかなどが影響します。
ここでは、マンションで雨漏りが発生した場合の責任の所在を各パターンに分けて紹介していきます。
賃貸マンションの場合
賃貸マンションの雨漏りは基本的にはオーナーが責任を持って補修を行います。
ただし以下のように入居者の過失が原因で雨漏りが起こった場合は、入居者の責任となるので注意しましょう。
<入居者の責任となるトラブル例>
- お風呂のお湯を止めるのを忘れていた
- 大雨の日に窓を開けっぱなしにしていた
- 入居者が壁などに傷をつけた
このように、入居者過失によって雨漏りが起こった場合は、入居者が補修費用を支払う必要があります。
分譲マンションの場合
分譲マンションの場合は、雨漏りが発生した部分によって責任の所在が異なります。
- 共用部→マンション管理組合
- 専有部→個人
共用部とは
お住いの部屋以外の部分のことを言います。
例えば、廊下・階段・屋上・エレベーター・屋根などです。
ただし、共用部についての考え方はマンションによって異なるため、詳しくはマンション管理組合に確認しましょう。
専有部とは
お住いの部屋全体のことを言います。
外壁や床だけでなく部屋を通る給水配管や電気配線なども専有部に含まれます。
専有部でトラブルが発生した場合は、お住いの方が負担して修理する必要があると思っておきましょう。
マンションで雨漏りが発生した場合の対処方法
ここでは、マンションで雨漏りが発生した場合に居住者が取るべき対処法を紹介します。
間違った対処をするとトラブルが大きくなり、コストがかさむ可能性もあるので、正しい方法ですばやく対処することが大切です。
雨漏りの状態を写真や動画で記録しよう
雨漏りが起こったらまずは写真や動画で雨漏りの状態を記録しましょう。
雨漏りは雨が止むと収まることもあるので、雨漏りが発生した時の状態を記録しておくことが大切です。
雨漏りの写真や動画は、雨漏りが発生したことの証拠になるだけでなく、その原因特定にも効果的です。
応急処置をする前に、雨漏りの状態を記録しておきましょう。
<雨漏りを記録する際のポイント>
- 雨漏りが発生している箇所が分かるようにする
- 雨漏りしている水量が分かるようにする
- 部屋全体の写真を撮って雨漏りの発生位置が分かるようにする
- 故障した家財の写真も撮る
雨漏りが発生した場合は、複数枚異なる角度で写真や動画を撮るようにすると分かりやすいです。
応急処置をしよう
マンションで突然雨漏りが発生した場合は、慌てずに応急処置を行いましょう。
例えば、天井から雨漏りが発生しているなら、バケツで水を受けるなど、できるだけ床や壁に被害が広がらないようにすることが大切です。
雨漏りが発生しているのに気付いていながら応急処置を行わなかった場合は、修理費用を請求される可能性もあるので、できるだけすばやく応急処置を行いましょう。
すぐにマンションの管理組合or管理会社に連絡しよう
雨漏りが発生した場合は管理会社や管理組合に連絡しましょう。
賃貸マンションと分譲マンションで連絡するところが変わるので注意が必要です。
<トラブル時の連絡先>
- 賃貸マンション→管理会社・大家さん
- 分譲マンション→管理組合
賃貸マンションの場合
管理会社や大家さんが雨漏り補修を行うことが多いです。
補修の内容によってはマンションの居住者が補修費用を支払う必要がありますが、そのあたりの協議を行うためにも、まずは管理会社や大家さんに連絡しましょう。
分譲マンションの場合
雨漏りが起こった場所によって修理費用を支払う人が変わります。
まずは管理組合に連絡して、住民か管理組合のどちらが主体となって修理をするかの協議が必要です。
マンションによって修理を依頼する業者の指定がある場合もあるので、自分の部屋で起こったトラブルでも勝手に補修を行わないようにしましょう。
業者による点検を受けよう
雨漏りの原因が分かり、責任の所在が明らかになったら、いよいよ業者による修理を受けましょう。
一度でも雨漏りが発生したら、建物の構造自体にダメージが広がっている可能性があるので、放置せずにできるだけ早く修理を受けることが大切です。
損害賠償が発生することもある
明らかに住民の行動によって雨漏りが発生した場合や必要なメンテナンスを怠ったことが原因で雨漏りが発生した場合は、損害賠償が発生することもあります。
特に居住者の過失で他の住民の方に迷惑がかかると、損害賠償として修繕費用などを支払わなければならなくなるので、マンションで生活する場合は周囲の人の迷惑にならないように生活することが大切です。
勝手に修理しないようにしよう
マンションで雨漏りが発生した場合は、まず管理会社や管理組合に連絡して確認を取ってから修理を依頼しましょう。
本来であれば管理会社や管理組合の費用で修繕ができたのに、勝手に修理したことでその修理費用が支払われなくなることもあります。
マンションによっては補修方法に決まりがある場合もあるので、勝手に補修をするのは控えましょう。
マンションで雨漏りが発生した場合の費用相場
マンションで雨漏りが発生した場合にかかる費用は一体どれくらいなのでしょうか。
ここでは、マンションの雨漏りを修理した際の費用相場を紹介します。
ただし、実際は雨漏りの程度、範囲、業者、工事内容によって費用が異なるため、詳しくは業者の方に見積もりを取るようにしましょう。
コーキング補修 | 3万円~20万円 |
---|---|
タイル補修 | 70万円~ |
防火層補修 | 100万円~ |
大規模修繕 | 1,000万円~ |
一言で雨漏り修理と言っても、これだけ費用感や規模感が異なります。
マンションの補修は一戸建てに比べて工事規模が大きくなることが多いため、コストがかかると思っておきましょう。
ただし、マンションの場合修繕費として毎月積み立てているマンションも多く、住民に急な出費を要することは少ないので、あまり慌てる必要はありません。
マンションで雨漏りを発生させないために気を付けること
マンションで雨漏りは起こるとその補修費用はかなり高くなってしまいます。
そのため、できるだけ雨漏りを発生させないようにすることが大切です。
ここでは、マンションで雨漏りを発生させないようにするために気を付けるべきポイントを紹介します。
定期点検を受けよう
雨漏りを発生させないようにするためには、定期的な点検を受けて未然に雨漏りを防ぐことが大切です。
定期点検を受けていれば、小さな不具合にすばやく対処できるため、雨漏りのような大きなトラブルが起こりにくくなります。
特に、外壁、屋根、屋上など雨漏りが起こりやすい部分の点検は怠らないようにしましょう。
定期的にメンテナンスをしよう
外壁、屋上、ベランダなどマンションの多くの設備は定期的なメンテナンスが必要です。
特に紫外線や天候の影響を受けやすくて劣化しやすい外壁、屋根、屋上などの設備は定期的な塗装が必要です。
塗装が劣化すると防水機能が低下し、雨漏りが起こりやすくなります。
塗料の種類によって耐用年数は異なりますが、大体10年に1回くらい間隔で塗装メンテナンスをしておくと安心です。
劣化症状を見つけたらすぐに対処しよう
定期的に点検を受けていても災害や事故で建物がダメージを受けることがあります。
建物の劣化症状を見つけたら、すぐに業者に点検を依頼して、必要であれば補修工事を行いましょう。
建物の劣化症状は放っておくともっと大きな損傷の原因となります。
まとめ
マンションで雨漏りが起こった時は、まず雨漏りの様子を写真や動画に納めて、管理会社や管理組合に連絡しましょう。
一戸建てと違って補修に関してのルールがあるマンションもあれば、管理会社や管理組合の責任で補修をしてくれる場合もあるので、急いで勝手に修理するのはおすすめできません。
マンションの規約やルールに従って正しい手順で補修を行うことが大切です。