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ビルで雨漏りが発生した際の調査方法とは?修理にかかる費用や安くするためのポイント

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ビルで雨漏りが発生した際の調査方法とは?修理にかかる費用や安くするためのポイント

オフィスビルやマンションなど、ビルは私たちの生活や仕事に欠かせません。

しかし、経年劣化や自然災害などにより、ある日突然「雨漏り」に見舞われることがあります。

雨漏りは放置すると建物の寿命を縮めるだけでなく、健康被害を引き起こす可能性もあるため、早期発見と適切な対処が重要です。

本記事では、ビルで雨漏りが発生する原因から、具体的な調査方法、修理にかかる費用の目安、そして修理費用を少しでも安く抑えるためのポイントまで詳しく解説します。

ビルの雨漏りが発生した際に困らないためにも、ぜひ参考にしてみてください。

ビルで雨漏りが発生する原因

ビルで雨漏りが発生する主な原因は、建物の様々な箇所の劣化や破損です。

以下に代表的な原因を挙げます。

外壁の劣化や破損

外壁は常に雨風や紫外線にさらされており、時間とともに劣化が進行します。

ひび割れ(クラック)

コンクリートやモルタルの外壁に発生するひび割れから雨水が浸入します。

特に、窓のサッシ周りや構造的な動きが生じやすい箇所に発生しやすい傾向があります。

幅0.3mm以上のひび割れは雨漏りのリスクが高いと言われています。

シーリング材の劣化

外壁材のつなぎ目や窓枠周りなどに充填されているシーリング材は、紫外線や温度変化の影響で硬化し、ひび割れたり剥がれたりします。

劣化したシーリング材の隙間から雨水が浸入し、雨漏りを引き起こすのです。

シーリング材の寿命は一般的に5年〜10年程度と言われています。

タイルの浮き・剥がれ

外壁タイルが浮いたり剥がれたりすると、その隙間から雨水が浸入します。

タイル自体の防水性は高いものの、目地材の劣化や下地の劣化が原因となることが多いです。

塗装の劣化

外壁塗装は美観を保つだけでなく、防水の役割も担っています。

塗装が劣化して防水機能が低下すると、外壁材自体が水分を吸収しやすくなり、雨漏りの原因となることがあります。

屋上防水の劣化

ビル、特に陸屋根の建物では、屋上防水の劣化が雨漏りの直接的な原因となるケースが多く見られます。

防水層の経年劣化

屋上にはアスファルト防水、シート防水、塗膜防水などの防水層が施工されています。

これらの防水層も耐用年数があり、紫外線や熱、雨風によって徐々に劣化します。

防水層の種類詳細
アスファルト防水耐久性が高いですが、経年劣化でひび割れや膨れが生じることがあります。
耐用年数は15年〜25年程度です。
シート防水塩ビシートやゴムシートを貼り付ける工法です。
比較的安価ですが、つなぎ目や端部から剥がれて雨水が浸入することがあります。
耐用年数は10年〜20年程度です。
塗膜防水ウレタン樹脂やFRP(繊維強化プラスチック)などを塗布する工法です。
複雑な形状にも対応しやすいですが、定期的なトップコートの塗り替えが必要となります。
耐用年数は10年〜15年程度です。

防水層の破損

飛来物による損傷や、屋上に設置された機器の重み、人の歩行などによって防水層が物理的に破損し、そこから雨水が浸入することがあります。

排水設備の劣化や破損

屋上やバルコニーに降った雨水を適切に排水するための設備が劣化したり破損したりすると、雨漏りを引き起こします。

排水ドレンの詰まり

排水ドレンに落ち葉やゴミ、土砂などが詰まると、雨水がスムーズに排水されず、屋上やバルコニーに水たまりができてしまいます。

この水が防水層の許容量を超えたり、劣化した部分から浸入したりして雨漏りに繋がります。

排水溝のひび割れ・詰まり

排水溝自体にひび割れが生じたり、詰まったりすると、雨水は適切に流れません。

その結果、周囲に溢れ出して雨漏りの原因となることがあります。

雨樋の破損・詰まり

外壁に設置された雨樋が割れたり、接続部が外れたり、落ち葉などで詰まったりすると、雨水が壁面を伝って流れ落ち、想定外の場所から建物内部に浸入することがあります。

窓周辺の劣化

窓は開口部であるため、雨漏りのリスクが高い箇所の一つです。

サッシ周りのシーリング材の劣化

外壁と窓サッシの取り合い部分にはシーリング材が充填されていますが、これが劣化すると隙間が生じ、雨水が浸入します。

特に風雨が強い日には、雨水が吹き込みやすくなります。

窓枠の歪みや破損

地震や建物の経年による歪みで窓枠自体が変形したり、部品が破損したりすると、気密性が損なわれて雨漏りの原因となることがあります。

外壁とサッシの取り合い部の防水処理の不備

新築時やリフォーム時の施工不良により、サッシ周りの防水紙や防水テープの処理が不適切だと、雨水が浸入しやすくなります。

ビルの雨漏りを放置してはいけない理由

ビルの雨漏りを放置してはいけない理由

「少しの雨漏りだから大丈夫だろう」と安易に考えて放置してしまうと、建物や人体に深刻な悪影響を及ぼすリスクがあります。

壁や天井にシミやカビが発生する

雨漏りによって建物内部に浸入した水分は、壁紙や天井材、そしてその下地材を濡らします。

雨水に含まれる汚れや、建材から溶け出した成分によって、壁や天井に茶色や黄色のシミが現れます。

これは美観を著しく損ねるだけでなく、雨漏りが進行している証拠です。

また、湿った状態が続くと、カビが発生しやすくなります。

カビは見た目が悪いだけでなく、特有の臭いを発し、アレルギーの原因にもなるのです。

さらに、カビは木材などの建材を腐食させる原因にもなり、建物の耐久性を低下させます。

健康被害の恐れがある

雨漏りによって発生したカビは、空気中に胞子を飛散させます。

これらの胞子を吸い込むことで、様々な健康被害を引き起こすリスクがあります。

健康被害詳細
アレルギー疾患カビの胞子はアレルゲンとなり、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などを引き起こしたり、悪化させたりする可能性があります。
感染症抵抗力が弱っている人の場合、カビが原因で感染症を引き起こすこともあります。
シックハウス症候群雨漏りによる湿気は、ダニの発生を助長することもあります。
カビやダニの死骸、フンなどもアレルゲンとなり、シックハウス症候群の症状(頭痛、めまい、吐き気など)を悪化させる要因の一つとなり得ます。

断熱材の効果を損なう

壁の内部や屋根裏には、建物の断熱性を高めるために断熱材が施工されています。

雨漏りによってこの断熱材が濡れてしまうと、その効果が著しく低下します。

被害詳細
断熱性能の低下多くの断熱材は水分を含むと断熱性能が大幅に低下します。
例えば、グラスウールなどの繊維系断熱材は、水分を吸収すると繊維同士がくっついてしまい、空気層が失われるためです。
冷暖房効率の悪化断熱性能が低下すると、夏は暑く冬は寒い室内環境になりやすくなり、冷暖房の効率が悪化します。
これにより、光熱費の増加にも繋がります。
結露の発生壁内や屋根裏の温度差が大きくなり、結露が発生しやすくなることもあります。
結露はさらなるカビの発生や建材の劣化を招きます。

鉄筋コンクリートが劣化する

鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のビルであっても、雨漏りは構造体に深刻なダメージを与える可能性があります。

被害詳細
鉄筋の錆と膨張コンクリートはアルカリ性であり、内部の鉄筋を錆から守っています。
しかし、雨水がひび割れなどから浸入すると、コンクリートの中性化が進行し、鉄筋が錆びやすくなります。
鉄筋は錆びると体積が膨張し、内部からコンクリートを押し出すようにして圧迫します。
コンクリートのひび割れ・剥離錆びた鉄筋の膨張圧によって、コンクリートに新たなひび割れが生じたり、表面のコンクリートが剥がれ落ちたりする現象が発生します。
構造強度の低下鉄筋の錆やコンクリートの爆裂は、建物の構造的な強度を著しく低下させます。
特に地震が多い日本では、構造強度の低下は建物の安全性を大きく損なう要因となります。
放置すれば、最悪の場合、建物の倒壊に繋がる危険性も否定できません。

ビルで雨漏りが発生した際の調査方法

ビルで雨漏りが発生した際の調査方法

雨漏りの原因を正確に特定することは、適切な修理を行い、再発を防ぐために非常に重要です。

専門業者は以下のような調査方法を組み合わせて、雨水の侵入経路を突き止めます。

目視調査

最も基本的な調査方法で、専門家が雨漏りの症状が出ている箇所やその周辺、そして雨水の浸入口となり得る外壁、屋上、窓周りなどを詳細に観察します。

調査内容シミやカビの状況、ひび割れの有無や大きさ、シーリング材の劣化状態、防水層の膨れや破れ、排水ドレンの詰まり具合などを確認します。
過去の修繕履歴なども参考にしながら、雨水の浸入経路を推測します。
特徴比較的短時間で、費用も抑えられることが多いです。
しかし、原因が複雑な場合や隠れた箇所からの雨漏りの場合は、目視だけでは特定が難しいこともあります。
費用相場無料〜数万円程度。
調査時間数時間〜半日程度。

散水調査

雨漏りが疑われる箇所に実際に水をかけて、雨天時と同じ状況を再現し、雨水の浸入経路や雨漏りの発生状況を確認する調査方法です。

調査内容特定の箇所)にホースやシャワーなどで一定時間散水し、室内側の雨漏りの状況を観察します。
水をかける範囲や時間を変えながら、原因箇所を絞り込んでいきます。
特徴雨漏りの再現性が高く、原因箇所を特定しやすい有効な方法です。
ただし、散水する箇所や水量、時間を誤ると、かえって被害を拡大させる可能性もあるため、専門的な知識と経験が必要です。
費用相場10万円〜30万円程度。
調査時間半日〜数日かかる場合もあります。

赤外線サーモグラフィ調査

建物内外の表面温度の違いを赤外線カメラで撮影し、可視化することで、雨水の浸入箇所や壁内部の水分、断熱材の異常などを非破壊で調査する方法です。

調査内容雨水が浸入している箇所は、水の気化熱により周囲よりも温度が低くなる傾向があります。
この温度差を赤外線サーモグラフィで捉えることで、目視では確認できない雨水の通り道や滞留箇所を特定します。
特徴建物を傷つけることなく広範囲を調査でき、効率的に問題箇所を発見できる可能性があります。
ただし、天候条件に結果が左右されやすく、正確な診断には専門的な解析技術が必要です。
費用相場10万円〜40万円程度。
調査時間数時間〜1日程度。

発光液調査

雨漏りの浸入経路が特定しにくい場合に用いられる方法です。

特殊な色のついた検査液(発光液)を雨水の浸入口と思われる箇所に注入し、紫外線ランプ(ブラックライト)を照射して、雨水がどこからどのように浸入し、どこへ到達しているかを追跡する調査方法です。

調査内容疑わしい箇所に異なる色の発光液を複数使用することで、どの浸入口から雨水が漏れているのかを特定しやすくします。
雨漏り箇所で発光液が確認されれば、その経路が特定できます。
特徴ピンポイントで複雑な雨漏り経路を特定するのに有効です。
ただし、調査液が建材に染み込む可能性があるため、使用箇所や建材の種類によっては注意が必要です。
費用相場5万円〜20万円程度。
調査時間半日〜数日かかる場合もあります。

ビルの雨漏り修理にかかる費用相場

ビルの雨漏り修理にかかる費用は、雨漏りの原因箇所、被害の範囲、建物の規模、使用する材料や工法、足場の有無などによって大きく変動します。

ここでは、一般的な修理箇所ごとの費用相場を紹介します。

外壁修理

費用相場は、5万円〜300万円程度です。

外壁の雨漏り修理は、ひび割れの補修、シーリングの打ち替え、外壁塗装など、様々な方法があります。

修理範囲が広くなるほど、費用も高額になります。

屋根修理

費用相場は、1万円〜200万円程度です。

屋根の修理費用は、修理箇所や規模によって大きく変動します。

広範囲にわたる修理や、特殊な屋根材を使用する場合は、高額になる可能性があります。

天井修理

費用相場は、10万円〜15万円程度です。

天井の雨漏り修理は、シミの除去やクロスの張り替え、下地の補修などを含みます。

被害の程度によって費用は異なりますが、比較的安価で済むことが多いです。

屋上修理

費用相場は、20万円〜150万円程度です。

防水層の補修や屋上の排水ドレンの交換など、工事内容は多岐に渡ります。

ベランダ・バルコニー修理

費用相場は、3万円〜25万円程度です。

ベランダやバルコニーの雨漏りは、防水工事や排水設備の修理などが含まれます。

広さや劣化の程度によって費用は大きく変動します。

窓枠・天窓修理

費用相場は、3万円〜25万円程度です。

シーリングの劣化による打ち替え、部品の交換、ガラス周りの防水処理などが含まれます。

窓の数や大きさ、損傷具合で費用が変わってきます。

ビルの雨漏り修理の際の注意点

ビルの雨漏り修理の際の注意点

ビルの雨漏り修理をする際には、いくつか押さえておきたい重要なポイントがあります。

適切な業者選びと、修理方法の検討が特に重要です。

修理費用の見積もりを複数業者に依頼する

雨漏りの修理を依頼する際は、必ず複数の専門業者に見積もりを依頼しましょう。

これにより、工事内容に対する適正な価格を把握でき、不当に高額な請求を避けることができます。

各社の提案内容や使用資材、保証期間などを比較検討することで、最も信頼できる業者を見極める重要な手がかりとなります。

詳細な内訳が記載されているか、追加費用の可能性についても確認しましょう。

DIY修理は慎重に行う

応急処置として自分で対応できる範囲もありますが、ビルの雨漏り修理におけるDIYは細心の注意が必要です。

原因の特定が不十分なまま手を加えると、かえって状況を悪化させたり、被害範囲を広げてしまったりする恐れがあります。

また、高所作業が伴う場合は専門的な知識や安全装備が不可欠であり、無理な作業は大きな事故に繋がりかねません。

根本的な解決には専門家の判断を仰ぐのが賢明です。

雨漏りの修理費用を安くする方法

雨漏りの修理費用を安くする方法

雨漏りの修理費用は高額になりがちですが、いくつかの方法で負担を軽減できます。

火災保険が適用されるか確認する

加入している火災保険の契約内容によっては、雨漏りの修理費用が補償されるケースがあります。

特に、台風や突風、雪などの自然災害によって屋根や外壁が破損し雨漏りが発生した場合に対象となることが多いです。

ただし、経年劣化による雨漏りは一般的に対象外となります。

そのため、まずは保険証券を確認し、保険会社や代理店に相談して適用条件を確かめてみましょう。

実績のある業者を選ぶ

雨漏り修理の費用を抑え、かつ確実な修理を行うためには、実績豊富な専門業者を選ぶことが非常に重要です。

経験豊かな業者は、雨漏りの原因を正確に特定し、適切な工法で無駄のない修理を提案してくれます。

安易に価格だけで選んでしまうと、再発や手抜き工事のリスクがあり、結果的に追加費用が発生することも少なくありません。

業者の施工実績、保有資格、保証内容、口コミなどを総合的に比較検討しましょう。

まとめ

ビルの雨漏りは、放置すると建物全体に深刻な影響を及ぼすため、原因の正確な特定と迅速な対応が不可欠です。

修理費用は状況により変動しますが、火災保険の活用や信頼できる業者選びで賢く対処しましょう。

この記事の監修者

株式会社菊地板金工業、代表取締役、菊地社長

菊地正秀

株式会社菊地板金工業 代表取締役

宮城県仙台市出身、屋根・外壁板金工事歴30年

18歳から建築工事にはじまり、屋根、外壁工事や水道、基礎工事と建設業の様々な分野で、幅広い知識と現場経験を習得。
建物の主要構造物となる『屋根』において金属板金を自由自在に施工する奥深さに魅力を感じ、25歳で屋根工事を専門とする一人親方として、独立。
平成23年に株式会社菊地板金工業を設立し、代表取締役に就任。現在に至る。
以上の経験をもとに、リフォームのトラブルを回避できる情報を、「失敗ゼロ!屋根・外壁工事研究会」として、皆様に発信している。