建物の水に関するトラブルの中でも、「雨漏り」と「漏水」はよく混同されがちですが、実際には原因や対処方法が異なります。
この記事では、雨漏りと漏水の違いや見分け方、そしてそれぞれの適切な対処方法について詳しく解説します。
雨漏り・漏水とは
雨漏り、漏水はよく聞く言葉ですが、具体的にどういう現象のことを指すのでしょうか。
雨漏り
雨漏りとは、屋根や外壁の隙間などから雨水が建物内部に侵入する現象のことです。
屋根材の劣化や外壁のひび割れ、窓やサッシに隙間が生じることなどにより発生します。
漏水
漏水とは、建物内部の給排水管から水が漏れ出す現象のことです。
給水管の破損や劣化、排水管のつまり・亀裂、給湯器やボイラーの故障などにより発生します。
雨漏りと漏水の違い・見分け方
雨漏りと漏水の定義についてお分かりいただけたのではないでしょうか。
ここからは、具体的に両者は何が違うのかについて解説します。
雨漏りと漏水の違い
雨漏りと漏水はどちらも「水が建物内部に侵入する」現象ですが、両者は「原因」「発生場所」が異なります。
雨漏りは「雨水」が原因なのに対し、漏水は水の種類に関わらず、「給排水設備全般」から生じる水漏れを指します。
そのため、雨漏りは雨が降ったときやその後に発生することが多いですが、漏水は常時発生する可能性があるのが大きな違いです。
雨漏りの見分け方
- 雨が降った後に水が落ちてくる
- 天井から水が落ちる
- 天井や壁にシミができる
- 腐った天井材が落ちてくる
- クロスに剥がれている箇所がある
雨漏りは雨水が原因のため、雨が強いと落ちる水の量も増えるなど、天候の影響を受けやすいです。
雨の日だけ水漏れが発生する場合は雨漏りしている可能性が高いと言えます。
漏水の見分け方
- 水道料金が急に高くなった
- 水道を使っていないのに水の音がする
- 特定の場所の床や壁が常に湿っている
- マンションの最上階以外に住んでいるのに、天井から水が落ちてくる
漏水は給排水設備が関係しているため、給水管などに水漏れが生じていると常に水が流れている状態になります。
そのため、使った量に比べて水道料金が異常に高いとどこかで漏水が発生している可能性が高いです。
この場合は一度家中の水を止め、それでも水道メーターが回っているかをチェックしてみましょう。
止めたのにも関わらずメーターが回っている場合は漏水しているかもしれません。
雨漏りでも漏水でもない場合はある?
上二つの見分け方を試してみても合致しない場合は、「結露」の可能性が考えられます。
結露は室内の水分が建材につくことによって発生する水滴です。
そのため、外と中の寒暖差が生まれやすい秋や冬に多く発生します。
以下のポイントに当てはまる場合は雨漏りの可能性が高いです。
- 発生する時期が天候に関わらず秋や冬が多い
- 発生する箇所が窓ガラスや壁一面など広範囲
- 換気をすると改善する
雨漏りを防ぐ方法
雨漏りや漏水は、事前の点検や適切なメンテナンスで防ぐことができます。
まずは雨漏りの予防法について解説します。
定期的に屋根や外壁の点検・メンテナンスを行う
雨漏りを防ぐためには、建物の屋根や外壁の状態を定期的にチェックし、適切なメンテナンスを行うことが重要です。
屋根については、年に1回〜2回を目安に点検を行い、瓦やスレートのズレや破損がないか確認しましょう。
外壁はひび割れや塗装の剥がれがないか確認しましょう。
特に、外壁材の継ぎ目に施されているシーリング(目地部分の充填材)は、劣化すると雨水が入りやすくなるため点検が必要です。
また、屋根と外壁の接合部分に隙間ができていないかもチェックしてください。
雨樋の排水管理を行う
雨樋のメンテナンスを怠ると、雨漏りの原因となることが多いため、注意が必要です。
排水口に落ち葉やゴミが溜まると水が流れにくくなり、防水層の隙間から水が侵入するリスクが高まります。
そのため、月に1回程度、排水口の掃除を行うと良いでしょう。
防水処理を強化する
建物の外壁や屋根には、時間が経つと防水性能が低下することがあります。
特に雨水が侵入しやすい部分には、定期的な防水処理が必要です。
数年に一度は外壁や屋根に防水塗料を塗り直したり、防水シートを張り替えたりすると良いでしょう。
漏水を防ぐ方法
次に漏水を防ぐ方法を解説します。
定期的に給排水管の点検・メンテナンスを行う
まず、給水管の老朽化を確認するには、水道メーターを活用する方法が有効です。
すべての蛇口を閉めた状態でメーターを確認し、動いている場合は、どこかで水漏れが発生している可能性があります。
また、排水管の詰まりも漏水の原因となるため、半年〜1年に1回のペースで排水管の洗浄を行うと良いでしょう。
特にキッチンの排水管は、油汚れや食べかすが蓄積しやすいため、週に1回程度熱湯を流して油汚れを防ぐと効果的です。
水回りの点検を定期的に行う
給排水管と同様、シンク下やトイレなど水回りの接続部から水がにじんでいないか、壁や床にシミができていないかを定期的にチェックすることも重要です。
雨漏りや漏水の修繕方法
雨漏りや漏水が発生した場合、最終的には業者に修理を依頼することが多いですが、それまでの間の応急処置を知っておくことで、被害を最小限に抑えることができます。
雨漏りの修繕方法
雨漏りの修繕方法や手順について説明します。
1.室内の水滴の処理をする
室内で雨漏りしている場合、放置すると壁紙や床材が腐敗する原因になります。
そのため、バケツや雑巾で雨水を受けられるようにして被害の拡大を防ぐと良いでしょう。
侵入箇所に給水シートを貼るのも効果的です。
バケツを使用する場合、中に雑巾やタオルを入れると、水はねを防げるのでおすすめです。
2.屋根などの損傷部分を養生する
屋根から雨漏りしている場合、雨漏りしている場所にブルーシートを敷くことで、室内への雨水の侵入を防ぐことができます。
ブルーシートを敷き、四隅にレンガや土嚢袋などを載せて飛ばないようにしましょう。
ただしこの方法は危険が伴うため、無理して行わないようにすることが大切です。
3.防水スプレーやコーキング剤で隙間を塞ぐ
外壁や窓枠・サッシなどに雨漏りがある場合、防水テープやコーキング材で隙間を埋めるのも応急処置には効果的です。
漏水の修繕方法
漏水の修繕方法や手順について説明します。
1.水道の元栓を閉める
漏水が確認できたら、まずは家中の水を止めることが必要です。
そうしないと水が出続けてしまい、水道料金が増える上、漏水も止まりません。
2.防水テープで漏水箇所を補修する(給排水管の漏水)
その次は破損箇所の応急処置を行います。
給排水管から漏水している場合は漏水箇所をテープやコーキング材で補強することで、被害を軽減できます。
3.パッキンを交換する(蛇口の漏水)
漏水箇所によってはパッキンの緩みや劣化が原因の場合があるため、その場合は新しいものに取り替えましょう。
応急処置後にやるべきこと
応急処置を行った後は、なるべく早い復旧のためプロに依頼することが大切です。
業者に相談する
以上のような応急処置をしたら、なるべく早く業者に相談しましょう。
また、水漏れが発生した際に重要なのが写真や動画で雨漏り・漏水の様子を記録しておくことです。
そうすることで業者に説明するときに役立ちますし、保険の手続きが発生した際にも説明がしやすいので忘れず行いましょう。
業者を選ぶ際は口コミやレビューを見て評判を確認するとともに、施工後のフォローアップがあるかもチェックしておくと安心です。
また、複数業者から見積もりを取って、料金を比較することも大切です。
保険を活用する
雨漏りや漏水による損害が保険対象となるケースがあるため、水漏れが発生したら保険会社に相談しましょう。
例えば、台風の被害による屋根や外壁の損傷で雨漏りが発生した場合は、火災保険が適用されるケースがあります。
また、給排水設備の損傷により家に損傷が発生した場合も保険適用される場合があります。
修繕費用が高額になる場合も多いため、損害保険に加入している場合は、保険会社に連絡し、必要な手続きを行いましょう。
雨漏りや漏水の修繕はプロの業者への依頼がおすすめ
もし仙台市など周辺で雨漏りや屋根・外壁の修繕を依頼したい場合は「仙臺屋根屋」がおすすめです。
仙臺屋根屋は屋根・外壁リフォーム工事のプロ集団で、20年以上の歴史の中で築いた高い技術力で安心・安全な施工を行います。
また、施工後も長期保証がついているので、再度雨漏りや水漏れが起きた際にも安心です。
まとめ
雨漏りと漏水は似ていますが原因や対処法が異なります。
そのため、早期の発見と適切な対応が重要です。
原因や発生場所を見極め、定期的な点検やメンテナンスを行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
問題が発生した場合は、応急処置を施した後、速やかに専門業者に依頼し、根本的な修理を行うようにしましょう。