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コラム

屋根塗装で使う塗料の種類とは?それぞれの特徴や耐用年数について

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屋根塗装で使う塗料の種類とは?それぞれの特徴や耐用年数について

戸建住宅を購入した際には、定期的に屋根の塗り替えなど行いメンテナンスをする必要があります。

車などのメンテナンスと異なり頻繁に行うことではないので、実際にどの塗料を使用すれば適切で経済的なのか分かりにくいものです。

ここでは、屋根塗装で使う塗料の種類や、それぞれの塗料の特徴、耐用年数について解説します。

屋根塗装に使用する塗装の種類とその特徴

屋根塗装に使用する塗装の種類は、一般的に原材料によって「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」の5つの種類に分かれます。

施工の際にどの塗料を選択するかにより、耐用性や特徴が異なります。

それぞれの種類と特徴は以下のようになります。

アクリル塗料

アクリル塗料は、平米単価が1,000円〜1,600円程度と屋根塗料の中で最も低価格なので、従来屋根の塗装や外壁などの主流の塗料でした。

発色がよく豊富なバリエーションがあるので人気でしたが、耐久面で数年後にメンテナンスが必要になるので現在では利用用途が限定されたりとあまり使用されていません。

ウレタン塗料

ウレタン塗料は、柔軟性が高く弾性と密着性のある塗料で複雑な屋根形状にも優れた対応性があるので、地震などのひび割れに強い特性があります。

汎用性が高く、金属やプラスチック、木製品などさまざまな箇所に塗る事が可能で、光沢のある高級感あふれる仕上がりが特徴です。

平米単価は1,800円〜2,300円程度なので、アクリル塗料の1グレード上位の塗料になります。

シリコン塗料

シリコン塗料は、現在屋根塗装が外壁塗装において一番利用されている塗料になります。

低電圧性の特徴があり、雨やホコリ、車の排気ガスなどの汚れが付着しにくいので長期間屋根を綺麗に保ってくれます。

また、塗膜が固く撥水性が高いので、雨水の汚れを弾く性質もあります。

光沢に優れているウレタン塗料よりも、更にシリコン塗料の方が光沢保持率は高い製品になります。

平米単価は2,300円〜3,500円程度になりますが、耐久性も高く価格に対するコストパフォーマンスが高いグレードになるので、現在の屋根塗装市場においては主流となる塗料です。

フッ素塗料

フッ素は、フライパンのテフロン加工などにも使用される耐熱性や防汚性のある素材です。

親水性が非常に高いので、汚れを落としやすく美しい屋根を長く保てる機能性が特徴です。

近年では、公共の建物の塗料として利用される事が多いようで、信頼度の高い塗料になります。

平米単価は3,000円〜5,000円程度と高価な部類になりますが、耐久性が高いのでメンテナンスの手間を最小限にしてくれます。

無機塗料

無機塗料とは、鉱石やガラスなどの無機物を原料として製造された塗料のことを指します。

主原料とする材質により多少の機能は異なりますが、他の塗料に比べて段違いな耐候性や耐久性があります。

燃えにくく、カビやコケなどが発生しにくい特性があるので、海洋プラントや工場などでの利用もあります。

平米単価は4,500円〜6,000円程度と非常に高価な部類になりますが、耐久力が高いので塗り替えが困難な場所などに利用されることがあります。

屋根塗装には特殊機能を持つ塗装もある

屋根塗装には特殊機能を持つ塗装もある

一般的な屋根塗装の種類を見てきましたが、前述の塗料以外にも以下のような特殊な機能を有した塗料があります。

  • 遮熱塗料
  • 断熱塗料
  • 親水性塗料
  • 光触媒塗料
  • ラジカル塗料
  • 超低汚染塗料

遮熱塗料

遮熱塗料とは、一般財団法人日本塗料工業会による正式名称を「高日射反射率塗料」といい、太陽光により発せられる近赤外線を高いレベルで反射することで被塗物の温度上昇を抑える機能性塗料です。

遮熱塗料は、夏場の暑さ対策に有効で、ヒートアイランド現象の抑制に期待できる塗料ですが、冬場の寒さ対策にはなりません。

断熱塗料

前述の遮熱塗料が、太陽光を反射して温度上昇を抑えるのに対して、断熱塗装は遮熱性能と合わせて熱伝導を抑える機能もあります。

その為に、室外と室内の熱移動を抑制するので、夏は涼しく冬は暖かい気温を保ちます。

冷暖房の効果を高める塗料になるので、エアコン等の使用を減らす事ができエネルギーコストの削減が可能です。

親水性塗料

親水性とは、水に対しての親和性が高い物質のことで、水に混ざりやすく溶けやすい性質のことを指します。

水に馴染みやすい性質なので、雨が降った際に屋根や壁に弾かれずに薄く広がり流れ落ちます。

この性質を利用して、付着したホコリやゴミなどの汚れを洗い流す事ができるので「セルフクリーニング機能」などとも呼ばれます。

撥水性塗料

撥水性は親水性と逆の性質で、屋根についた水を球体のように弾き転がせて流れ落ちさせます。

塗膜表面で水を弾かせて、ホコリなども一緒に流してくれるので親水性塗料同様に汚れがつきにくい性質になります。

光触媒塗料

光触媒塗料とは、酸化チタンなどを主原料とした塗料で、紫外線などの光を浴びると表面の皮膜が化学変化を起こし汚れを分解するセルフクリーニング機能や高い抗菌作用などがあります。

塗膜に太陽光などの紫外線や光が照射されると、親水性が高い状態になるので分解した汚れが雨水により流れやすい状態になります。

ラジカル塗料

ラジカルとは、塗料を調色する際に使用する酸化チタンに紫外線が当たると発生するエネルギーのことです。

このラジカルは、塗料の原料である樹脂有機物を劣化させる作用があり、ラジカル塗料はその作用を抑制する効果がある塗料のことを指します。

ラジカル塗料は、高い耐候性と機能性があるので非常にコストパフォーマンスが高い塗料として近年人気が出ている塗料のひとつです。

超低汚染塗料

低汚染とは、天候など外部要因による汚れがつきにくい性質のことを指しますが、その性能を更に向上させたものが超低汚染塗料になります。

シリコンを主原料とした製品になりますが、無機成分を豊富にされているので超低汚染性機能の他に高耐候性、遮熱性などの機能が付与された製品が多く販売されています。

屋根塗装する塗料の種類により耐用性が異なる

一般的に屋根の塗料には、「アクリル塗料」「ウレタン塗料」「シリコン塗料」「フッ素塗料」「無機塗料」の5種類の塗料があることを前述にて解説しました。

それぞれ異なる特徴を備えているので、耐用年数も大きく異なります。

塗料の種類耐用年数
アクリル塗料3年〜6年
ウレタン塗料6年〜10年
シリコン塗料10年〜15年
フッ素塗料15年〜20年
無機塗料20年〜25年以上

屋根を塗装する塗料の耐用年数は前述のようになりますが、塗装を塗り替える際には屋根材の種類の耐用年数も考慮して塗装を行う必要があります。

屋根材の種類と耐用年数

一般的な屋根材には、「トタン屋根」「スレート屋根」「ガルバリウム鋼板屋根」「セメント瓦」「粘度瓦」などがあります。

それぞれの種類の耐用年数と特徴は以下の表のようになります。

屋根材の種類耐用年数特徴
トタン屋根10年〜20年・亜鉛メッキ鋼板で製造
・軽量だが耐久性低い  
スレート屋根15年~25年・セメントと繊維が主原料
・耐久性、耐水性高い
・チョーキング現象が起こりやすい
ガルバリウム鋼板屋根20年~30年・アルミと亜鉛メッキで製造
・高耐久性
・表面が平滑なので塗料と相性良い
セメント瓦30年~40年・セメントで製造
・耐久性高い
・比較的安価だが重量重い
粘土瓦50年~100年・伝統的な粘度素材で製造
・高耐久性
・陶器瓦は半永久的にメンテ不要

どの様な塗料を使用するのかは、前述の屋根材の耐用年数を考慮して選ぶ必要があります。

耐用年数があまりない屋根に、耐用年数が高い塗料を使用すると明らかにオーバースペックとなり費用が無駄になってしまいます。

屋根材の寿命に適した耐用年数の塗料を利用することが、施工費用を抑えることにも繋がります。

塗料と屋根の相性も確認するとよい

塗料には屋根との相性があります。

屋根に凹凸が多いスレート屋根などは、弾力性と密着性が高いウレタン塗料が最適です。

トタンやガルバリウム鋼板屋根などの金属屋根は、フッ素塗料が金属の風合いを活かすので相性がよいなどがあります。

どの塗料を組み合わせると相性が良いのかなど分からない場合には、屋根修理専門業者に相談すると安心です。

屋根塗装における油性塗料と水性塗料の違い

屋根塗装における油性塗料と水性塗料の違い

屋根塗装の塗料には、前述のようにさまざまな種類がありますが、種類ごとに水性塗料と油性塗料があります。

従来の外壁塗装は油性を使うことが多い傾向にありましたが、近年では環境に配慮した水性塗料を使うことが増えています。

それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

油性塗料と水性塗料の違い

油性塗料と水性塗料の最大の違いは、塗料を塗る際に希釈する溶剤がシンナーなどの有機溶剤なのか水なのかの違いになります。

油性塗料は、塗料を溶かす際に有機溶剤のシンナーを用いるので、作業中に強い臭いなどを発生させるので近隣住民に大きな影響を与えます。

一方で、水性塗料は塗料を溶かす際に水しか利用しないので、シンナーと異なり臭いなど発生しません。

油性塗料の方が耐久性に優れる?

従来の塗料は油性の方が耐久性に優れて主流でした。

水性塗料は安価で耐久性がないので、利用用途が限定的でしたが臭いの問題などもなく環境に優しいので、近年各社が積極的に開発をおこなっており耐久性が油性と同様に優れた塗料が多く販売されています。

このような背景により、現在は水性塗料が屋根塗装の主流となってきています。

屋根に使用する塗料選びのポイント

屋根に使用する塗料選びのポイント

屋根は家の美観を保つことや、外部環境から建物を守る上でとても重要な箇所になります。

適切な塗料を利用することで、快適な居住空間を作り出す事ができるとともに、長期的な面で見るとコスト削減やメンテナンス低減などにも繋がります。

具体的な塗料選びのポイントは以下のようなポイントがあります。

利用目的に応じた塗料を選ぶ

塗料を選ぶ際には、利用目的に応じた塗料を選ぶことが重要です。

屋根に耐候性を付与する場合や、メンテナンスによる光沢の保持などを行う場合にはウレタン塗装を使用します。

耐候性や防汚性に優れ、コストと塗料の性能のバランスが良いものを使用したい場合にはシリコン塗料を使用するなど、どのようなシチュエーションで利用したいのか明確な目的を決めて選択するとよいでしょう。

塗料のグレードは外壁よりワンランク上を選択する

屋根に使用する塗料は、前述のように機能面や屋根材によって選択しますが、外壁に使用する塗料よりも1グレード高いグレードを使用するのがおすすめです。

屋根は外壁よりも劣化の速度が速いので、1グレード高い材質にする事でメンテナンスのタイミングを合わせる事ができるので、塗装の費用を抑える事ができます。

耐用性の高さとコストの兼ね合いを図る

塗料の耐用性とコストは正比例するので、基本的に高価な塗料ほど耐用性が高く機能面が優れています。

初期投資として高価な塗料を利用しても、メンテナンス頻度が少なくて済むので結果的に大きなメリットとなります。

前述で解説したように、屋根材との相性やメンテナンスのタイミングを見てバランスの良いコストパフォーマンスを検討しましょう。

屋根修理専門店の塗料とホームセンターの塗料は異なる

近年ではDIYなどでさまざまな補修ができるようになっているので、屋根の塗装も自分で行うことができるように塗料が販売されています。

しかし、ホームセンターで販売されている塗料は、一般の方でも簡単に使用できるように使い勝手よく製造されている反面、機能的には若干低いものになっています。

また、専門性の高い塗料や2液性の塗料などは専門店でしか取り扱いがないケースがほとんどです。

屋根塗装で使用する塗料に悩まれた場合には、知識豊富な屋根修理専門業者に相談すると良いでしょう。

まとめ

屋根塗装で使う塗料の種類や、それぞれの塗料の特徴や耐用年数について解説しました。

屋根は家の中でも最も過酷な環境で建物を守るので、家の中でも劣化しやすい環境にあります。

そのために、定期的にメンテナンスをする必要がありますが、屋根塗装に使用する塗料を選ぶにはどのような屋根に塗装するのかを考えて施工する必要があります。

屋根のメンテナンスと同程度の耐用性がある塗料を選ぶと、メンテナンスの際に費用的に抑える事ができます。

また、塗料によって耐用年数が大きく異なるので、どのような機能を付与するかを明確に決めて選ぶ必要があります。

基本的に高価な塗料になると、耐用性がまして機能も優れる傾向にありますが、予算との兼ね合いもあるのでどのような塗料にしたら良いか迷われる場合には、屋根修理専門の業者に相談してみると良いでしょう。

この記事の監修者

株式会社菊地板金工業、代表取締役、菊地社長

菊地正秀

株式会社菊地板金工業 代表取締役

宮城県仙台市出身、屋根・外壁板金工事歴30年

18歳から建築工事にはじまり、屋根、外壁工事や水道、基礎工事と建設業の様々な分野で、幅広い知識と現場経験を習得。
建物の主要構造物となる『屋根』において金属板金を自由自在に施工する奥深さに魅力を感じ、25歳で屋根工事を専門とする一人親方として、独立。
平成23年に株式会社菊地板金工業を設立し、代表取締役に就任。現在に至る。
以上の経験をもとに、リフォームのトラブルを回避できる情報を、「失敗ゼロ!屋根・外壁工事研究会」として、皆様に発信している。