雨樋工事とは?特徴や費用相場、施工の流れについて
雨樋はあまり目立たない住宅設備の一つです。
しかし、雨樋には雨水による被害から建物の基礎、外壁、周辺の環境を守るという大切な役割があります。
劣化や損傷が発生したときは速やかに雨樋工事を行いましょう。
ここでは、雨樋や雨樋工事の基礎知識、費用相場や施工の流れ、修理業者を選ぶポイントなどを紹介します。
Contents
雨樋の基礎知識
雨樋工事について知る前に、まずは「雨樋とは何なのか」ということを理解していきましょう。
雨樋とは
雨樋とは屋根の上に落ちた雨水を集めて地面に流す排水設備です。
屋根の端に取り付けて雨水を集め、建物の外側に安全に流します。
雨樋が正常に機能していることによって、外壁や建物を守ることができます。
雨樋の役割
雨樋には主な役割が2つあります。
雨樋の主な2つの役割
- 外壁や住宅を守る
- 住宅の景観を守る
外壁や住宅を守る
雨樋には外壁や住宅を守る役割があります。
雨樋が壊れると雨樋から雨水があふれ出して、外壁をそのまま水がつたったり、地面に落ちた雨水が外壁に当たったりしてしまいます。
この状態が続くと外壁や住宅の劣化を早めてしまいます。
雨樋にトラブルが起こったときは放置せず早めに修理しましょう。
住宅の景観を守る
雨樋がうまく機能していないと外壁に雨水が流れてしまいます。
その結果、外壁の色が変わったり、損傷したりしてしまうことがあります。
また、劣化した雨樋が設置されていると古い印象を与えてしまいます。
住宅の景観維持のためにも雨樋トラブルを放置しないことが大切です。
雨樋の耐用年数
雨樋の耐用年数は材質、気象条件、メンテナンスの有無によって変わってきますが、一般的に10年~15年とされています。
雨樋の寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスを行うことが大切です。
雨樋の種類
雨樋にはいくつかの種類があります。
ここでは、設置されることが多い3つの種類を紹介していきます。
雨樋の種類 | 特徴 |
---|---|
半円型雨樋 | ・断面が半円形 ・最も一般的 ・設置が簡単 ・価格が安い |
角形雨樋 | ・断面が四角 ・大規模な建物 ・商業施設で使用されることが多い ・大量の雨水を排水できる ・半円形に比べて価格が高い |
特殊型雨樋 | ・北海道、東北などの雪国に多い ・半円型、角形よりも価格が高い |
雨樋の種類によってデザインや機能性が異なります。
また、材質についてもアルミニウム・銅・ステンレス・塩化ビニールなどがあります。
設置する雨樋については業者の方と相談して決定しましょう。
雨樋工事の基礎知識
次は雨樋工事についての基礎知識を解説します。
雨樋工事とは
雨樋工事とは、雨樋の設置・修理・交換を行う作業のことを言います。
適切な雨樋工事を行うことにより建物の基礎や壁面への水害を防ぎ、建物の寿命を延ばす効果があります。
雨樋工事の必要性
雨樋工事は雨樋の機能性維持のために重要な役割を果たします。
雨樋が正しく機能しないと外壁や建物の基礎に直接雨水が当たり、最終的に建物の寿命を縮めてしまう可能性もあります。
定期的に雨樋工事をすることは、家を長期的に保護するために必要不可欠です。
雨樋工事をするタイミングは?
ここでは雨樋工事をするタイミングを見極めるためのポイントを2つ紹介します。
雨樋工事をするタイミングの2つのポイント
- 耐用年数
- 劣化状態
耐用年数
まずは雨樋の耐用年数に注目しましょう。
雨樋の耐用年数は材質や種類によって異なりますが、一般的に10年~15年程度です。
耐用年数が過ぎると壊れやすくなり、機能性が低下するので一度業者の方に点検を依頼しましょう。
劣化状態
次に雨樋の劣化状態に注目しましょう。
雨樋は耐用年数を過ぎていなくても設置環境によっては早く劣化が進みます。
特に、雨や雪が多い地域、台風が多い地域、紫外線が強い地域などは劣化が早い可能性があるので注意が必要です。
耐用年数を過ぎていなくても劣化症状が現われたら、速やかに業者による点検を受けましょう。
主な劣化症状
雨樋の劣化を示す症状
- 金具のサビや損傷
- 雨樋のひび割れ
- 雨樋の変形
- 雨樋の歪み
- 雨水の排水がうまくいかない
このような症状が現われた場合は、できるだけ早く業者に点検を依頼しましょう。
雨樋損傷の主な原因
雨樋が損傷すると建物の健康に大きな影響を及ばします。
以下で、雨樋が損傷する主な原因を5つ紹介するので確認していきましょう。
雨樋損傷の5つの原因
- ゴミ・落ち葉などの詰まり
- 経年劣化
- 自然災害による被害
- 金具外れ
- 継ぎ手の隙間
ゴミ・落ち葉などの詰まり
雨樋にゴミや落ち葉が詰まるということはよく起こる症状です。
雨樋が詰まると雨水があふれ、雨樋の中に水が溜まってしまいます。
この状態が続くと雨樋が劣化し、雨樋のサビ・変形・穴が開くなどの症状が現われることがあるので、定期的な清掃を行うことが大切です。
経年劣化
雨樋は時間とともに劣化していく設備の一つです。
雨樋は紫外線・雨・雪などにさらされるため、劣化を100%防ぐことはできません。
定期的な点検を受けて劣化の兆しを早めに発見し、対処することが大切です。
自然災害による被害
雨樋は台風・大雨・雪などの自然災害によって直接的な打撃を受けることがあります。
例えば、台風によって雨樋が曲がったり、外れたりするという損傷はよく起こります。
このような損傷が起こった場合は、できるだけ早く修理を行いましょう。
金具外れ
雨樋は固定するために金具やフックを使用しています。
これらの固定具が正しく取り付けられていなかったり、劣化したりすると雨樋を正しい位置に設置できなくなってしまいます。
金具外れを見つけたら速やかに修理を依頼しましょう。
継ぎ手の隙間
雨樋は雨樋同士を接合する継ぎ目があります。
これらの継ぎ目が緩むと隙間ができて雨水があふれる可能性があります。
雨樋の継ぎ目から雨水が漏れ出したら、早い段階で修理を行いましょう。
【工事の種類別】雨樋工事の費用相場、工事の流れ
ここでは雨樋工事の費用相場や工事の流れを種類別に紹介していきます。
雨樋工事の種類
- 雨樋の清掃
- 雨樋の部分修理・交換
- 雨樋全体の交換
雨樋の清掃
雨樋がゴミや落ち菜で詰まった場合は、業者による清掃を受けましょう。
プロは素人では難しい、手が届かない部分まで清掃することができるので、雨樋の清掃は業者に依頼するのがおすすめです。
費用相場 | 10,000円~30,000円 |
---|---|
工事の流れ |
①大きなゴミや落ち葉を取り出す ②細かなゴミを取り出す ③水を流して詰まりを確認する ④詰まりが取れたら清掃する ⑤水を流して流れを確認する |
雨樋の部分修理・交換
雨樋が部分的に損傷した場合、部分修理や交換を行います。
部分修理や交換は損傷の程度によって費用・内容が大きく変わるので、詳しく知りたいという方は業者に点検・修理を依頼しましょう。
費用相場 | 10,000円~200,000円 |
---|---|
工事の流れ |
①雨樋全体を確認する ②損傷個所の修理する ③修理できない場合は交換する ④水を流して流れを確認する |
雨樋全体の交換
雨樋全体が劣化している、耐用年数を過ぎているという場合は雨樋の交換工事を行います。
雨樋全体を交換する場合は、足場を設置することが多いです。
施工には約1週間程度かかります。
費用相場 | 250,000円~1,000,000円 |
---|---|
工事の流れ |
①足場設置する ②古い雨樋の撤去する ③新しい金具の設置する ④新しい雨樋の設置する ⑤水を流して確認する ⑥足場を解体する |
【まとめ】雨樋工事の費用相場、工事の流れ
工事の種類 | 費用相場 |
---|---|
清掃 | 1万円~3万円 |
部分修理・交換 | 1万円~20万円 |
全体交換 | 25万円~100万円 |
雨樋の費用は建物の大きさや損傷の大きさによって大きく変わります。
詳しい費用が知りたいという方は、業者に見積もりを取りましょう。
仙臺屋根屋の雨樋工事・修理(全部交換、部分補修・交換)の作業費用
工法・工事名称 | 1階の床面積 | ||
---|---|---|---|
20坪/66㎡ | 30坪/100㎡ | 40坪/132㎡ | |
雨樋の部分補修・交換 | 15,000円〜 | ||
雨樋の全部交換 | 130,000円~ | 180,000円~ | 210,000円~ |
当社では、「無料診断・見積り」にて最適な屋根工事方法のご提案から施工費用までを寄り添ってご提案しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
雨樋修理のメリット
ここでは雨樋修理のメリットを3つ紹介します。
雨樋修理の3大メリット
- 雨水による被害の防止
- 建物の寿命を延ばす
- 建物の景観を保つ
雨水による被害の防止
雨樋修理をすると雨樋の機能が向上し、雨水による被害を防止することができます。
雨樋の機能が向上すると雨水を効率的に排水して、外壁や建物の基礎への水の侵入を防いでくれます。
雨水による被害を防止するためには雨樋工事によるメンテナンスが重要です。
建物の寿命を延ばす
雨樋工事を行うことによって排水機能が向上します。
その結果、外壁や建物への雨水による被害を減らし、家の寿命を延ばすことにつながります。
建物の景観を保つ
雨樋は外から見える部分に設置されていることが多いです。
そのため、雨樋が劣化していると建物全体が古い印象になってしまいます。
建物全体の印象を良くするには、雨樋を美しい状態で保つことが大切です。
雨樋修理のデメリット
ここでは雨樋修理のデメリットを3つ紹介します。
雨樋修理における3大デメリット
- 工事費用がかかる
- 定期的なメンテナンスが必要
- 適切な設置が必要
工事費用がかかる
雨樋工事にはある程度の費用がかかります。
材料費、人件費だけでなく足場設置費用がかかることもあります。
また、雨樋のデザインや品質にこだわると費用が上がるということを理解しておきましょう。
ただし、雨樋工事をすると家の大きなトラブルを未然に防ぐことができるので、長期的にはお得になることが多いです。
定期的なメンテナンスが必要
雨樋工事は一度したら終わりではありません。
雨樋は時間とともに劣化していく設備なので、定期的なメンテナンスが必要です。
これを怠ると最終的に雨樋の機能性が低下し、大きなトラブルを起こすことがあるので注意が必要です。
適切な設置が必要
専門的な知識や技術を持たない未熟な業者に雨樋工事を依頼すると、雨樋が正しく設置されないことがあります。
その結果、工事後すぐに損傷したり修理の追加費用が必要になったりすることもあります。
修理を依頼する業者は慎重に選びましょう。
雨樋修理業者を選ぶポイント
雨樋工事を行うにあたって業者選びは大切です。
業者によって工事の質や仕上がりが変わってきます。
ここで、雨漏り修理業者を選ぶポイントを確認しましょう。
業者選びのポイントは以下の4つです。
業者選びの4つのポイント
- 実績や口コミを確認しよう
- 複数の業者で相見積もりを取ろう
- アフターサービスを確認しよう
- 電話勧誘・飛び込み営業には注意しよう
実績や口コミを確認しよう
雨樋修理業者を選ぶ際は、まずその業者の実績や口コミを確認しましょう。
長い経験がある業者はあらゆる状況で適切な対応を行うことができます。
また、業者により得意な工事は違うので、雨樋工事を依頼したい場合は雨樋工事の実績が多い業者を選びましょう。
また、口コミを確認すれば実際に工事を受けた方の意見を知ることができるので参考になります。
複数の業者で相見積もりを取ろう
複数の業者で相見積もりを取ることによって工事の費用相場や内容をよく理解することができます。
費用や内容をいくつかの業者で比較すれば、コストパフォーマンスが高い業者を選ぶことができます。
分からないことがある場合は、見積もりの際に質問することも大切です。
アフターサービスを確認しよう
雨樋工事後のアフターサービスも業者選びの大切なポイントです。
修理後に問題が発生した時にすぐ対応してくれる業者を選ぶようにしましょう。
また、保証期間、無料点検サービスなど業者によってサービスの有無は異なります。
安心できるアフターサービスが付いている業者を選ぶのがおすすめです。
電話勧誘・飛び込み営業には注意しよう
雨樋修理業者の中には残念ながら悪徳業者も含まれています。
全てではありませんが、電話勧誘や飛び込み営業をする業者の中には悪徳業者が含まれることもあるので注意が必要です。
雨樋修理はどんな業者に依頼すればいいの?
初めて雨樋工事をするという方の中には、どこに依頼すれば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。
まずは家を建てた業者に連絡し、保証による修理が可能かどうかを確認しましょう。
保証対象でない場合は、屋根板金業者や地元の工務店などに依頼するのがおすすめです。
雨樋工事・雨樋修理が可能な業者
- 屋根板金業者
- 瓦屋根業者
- 地元の工務店
- ハウスメーカー
- ホームセンター
雨樋の修理なら屋根板金業者がおすすめ!
雨樋修理を依頼するなら屋根板金業者がおすすめです。
以前、雨樋は金属製が主流だったため、雨樋を修理するなら屋根板金業者という時代がありました。
最近は板金以外の材料を使う雨樋が多いですが、屋根板金業者は雨樋工事に関して高い技術を持っていることが多いです。
雨樋工事を依頼する業者に迷っている方は屋根板金業者に一度連絡してみましょう。
地元の工務店もおすすめ!
雨樋の修理だけでなく住宅の設備に関する工事は、地元の工務店に依頼するのもおすすめです。
地元の工務店は対応が早く、何か困ったことがあったときにいつでも頼めるというメリットがあります。
地元で長い間頼りにされている業者は技術力が高いことも多いので、地元の工務店に相談するのもおすすめです。
雨樋工事は火災保険の適用となる可能性がある!
雨樋工事は火災保険の適用範囲内になる可能性があります。
火災保険は雨、台風などによる自然災害が原因の損傷の多くは適用範囲内となります。
雨樋の損傷が発生した場合は、保険内容を確認して保険会社に連絡しましょう。
場合によっては工事費用が実質無料になることもあります。
雨樋修理はDIYできる?
雨樋修理は簡単な作業であればDIYすることも可能です。
しかし、実際にはDIYはおすすめできません。
その理由は以下の2つです。
雨樋修理のDIYがおすすめできない理由
- 高所作業なので危険を伴う
- より状態が悪くなる可能性がある
高所作業なので危険を伴う
雨樋修理は高所作業に含まれる危険な工事です。
はしごや脚立を使って行うこともできますが、素人が行うには危険が伴います。
雨樋工事は毎年業者の方でも事故が起こすことがあるくらい危険な作業なので、無理せず業者に依頼しましょう。
より状態が悪くなる可能性がある
雨樋工事は専門的な知識や技術が必要です。
そのような力を持ち合わせていない素人が工事を行うことによって、より損傷を深める可能性もあります。
自分で修理して損傷した場合は、保険の適用がきかなくなることもあるので、できるだけ自分で修理を行わないようにしましょう。
仙臺屋根屋の雨樋工事施工実績
雨樋工事・修理でよくあるご質問
- 雨樋の交換はどのようなタイミングで必要ですか?
- 雨樋は時間とともに劣化や損傷が生じるため、ひび割れ、変形、サビ、漏れが見られる場合や、定期的なメンテナンスで修復が困難と判断された場合に交換が必要です。
- 雨樋の種類にはどのようなものがありますか?
- 主にビニール製(PVC)、金属製(銅、ステンレス、ガルバリウム鋼板)、アルミニウムがあり、それぞれ耐久性や価格、見た目が異なります。
- 雨樋工事の費用はどのくらいかかりますか?
- 工事費用は材料の種類、雨樋の長さや形状、建物の高さやアクセスの容易さによって異なりますが、一般的な家庭で数万円から数十万円の範囲で変動します。
- 雨樋が詰まる原因は何ですか?
- 落ち葉や枝、砂ぼこりなどが原因で雨樋が詰まりやすく、定期的な清掃が必要です。
- 雨樋の清掃はどのように行うべきですか?
- 雨樋の清掃は、ブラシや専用の清掃ツールを使用して詰まりを取り除き、水で流して確認します。安全のため、適切なはしごの使用や落下防止対策が必要です。
- 雨樋の修理は自分で行うことはできますか?
- 小さなひびや穴なら補修キットを使用して自分で修理可能ですが、高所作業や大きな損傷の場合は専門業者に依頼することをおすすめします。
- 雨樋の寿命はどのくらいですか?
- 材質や環境にもよりますが、一般的にビニール製は10年から15年、金属製は20年以上が目安です。
- 雨樋から水が漏れるのはなぜですか?
- 接続部の緩みや裂け、穴が開いている場合が多く、定期的な点検と適切なメンテナンスが必要です。
- 雨樋の交換工事の期間はどのくらいですか?
- 通常、雨樋の交換は1日から数日で完了します。建物の大きさや雨樋の状態によって期間は異なります。
- 雨樋の色や形状をカスタマイズすることは可能ですか?
- 可能です。ビルダーや専門業者と相談して、家の外観に合わせた色や形状を選ぶことができます。
その他の屋根工事メニュー
この記事の監修者
菊地正秀
株式会社菊地板金工業 代表取締役
宮城県仙台市出身、屋根・外壁板金工事歴30年
18歳から建築工事にはじまり、屋根、外壁工事や水道、基礎工事と建設業の様々な分野で、幅広い知識と現場経験を習得。
建物の主要構造物となる『屋根』において金属板金を自由自在に施工する奥深さに魅力を感じ、25歳で屋根工事を専門とする一人親方として、独立。
平成23年に株式会社菊地板金工業を設立し、代表取締役に就任。現在に至る。
以上の経験をもとに、リフォームのトラブルを回避できる情報を、「失敗ゼロ!屋根・外壁工事研究会」として、皆様に発信している。