天窓の後付けや設置はできる?特徴や費用相場、工事の流れについて
家の明るさや開放感を高める一つの方法として天窓の設置があります。
家と家の間隔が狭い現代の住宅事情において、室内を明るくするなら天窓の設置は必須なのかもしれません。
実際に「後付けで天窓を設置することはできるか」というお客様からの質問をよく耳にします。
ここでは、天窓の後付け設置が可能かどうか、天窓の特徴や工事の費用相場、施工の流れなどについて解説します。
天窓の後付け設置に興味がある方、天窓について知りたいという方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
天窓とは
天窓とは、屋根に設置された窓のことです。
トップライト・ルーフウィンドウと呼ばれることもあります。
天窓を設置する主な目的は、室内に自然光を取り入れることや換気を促進することです。
窓が少ない家や北向きの家に設置されるケースが多いです。
天窓の役割
天窓には主に以下のような役割があります。
- 室内に光を取り入れる
- 換気をする
- 光熱費を下げる
- 住宅の雰囲気を変える
- 不動産価値を上げる
天窓は日当たりが悪い場所や換気しづらい場所にお住いの方におすすめです。
天窓の種類
天窓には主に3つのタイプがあります。
天窓3つのタイプ
- 固定式
- 手動開閉式
- 電動開閉式
固定式
固定式は開閉できないタイプの天窓で、光を取り入れるという目的があります。
3種類の中で一番シンプルな構造で設置が簡単なので、設置費用が最も安いです。
換気はできませんが雨漏りなどのリスクも少ないので、初めて天窓を設置する方におすすめです。
手動開閉式
手動開閉式は手で開閉するタイプの天窓で、光を取り入れるだけでなく換気も可能です。
手動開閉のため電動式に比べると構造はシンプルですが、固定式よりは複雑な構造のため固定式の次に費用がかかります。
ただし、手動の場合は高い位置に設置すると開閉が難しくなるので注意が必要です。
電動開閉式
電動開閉式はスイッチやリモコンのボタン一つで開閉できる天窓です。
高い位置に天窓を設置しても簡単に開閉できるので利便性を重視したいという方に向いています。
ただし、3種類の中で一番複雑な構造なので費用が高く故障しやすいという特徴があります。
【一覧】天窓の種類
項目 | 固定式 | 手動開閉式 | 電動開閉式 |
---|---|---|---|
開閉 | × | 〇(手動) | 〇(電動) |
構造 | 最もシンプル | ややシンプル | 最も複雑 |
費用 | 最も安い | やや安い | 最も高い |
設置場所 | どこでも | 開閉できる場所 | どこでも |
天窓は設置の目的や費用感を考慮してお住いの住宅に合ったタイプを選びましょう。
詳しくは業者の方と相談するのがおすすめです。
天窓は後付け設置できる?
天窓は後付けで設置できる設備で、基本的にはどんな形の屋根でも設置できます。
ただし、足場設置が必要で複数の業者が関わる大がかりな工事のため、新築を建てる際に合わせて設置するよりも費用がかかることを理解しておきましょう。
天窓リフォームにかかる費用相場、施工の流れ
ここでは、天窓リフォームにかかる費用相場や施工の流れを紹介します。
天窓リフォーム工事
- 天窓の後付け設置工事
- 天窓の設置工事(新築時)
- 天窓交換工事
天窓の後付け設置工事
天窓の後付け設置工事とは既存の屋根に天窓を設置する工事のことです。
では、費用相場や施工の流れを見ていきましょう。
費用相場 | 60万円~ |
---|---|
施工の流れ |
①足場設置(足場工事) ②天井・屋根をくり抜く(大工工事) ③配線を整える(電気工事) ④天窓を設置する(屋根工事) ⑤室内の内装を直す(内装工事) ⑥足場解体(足場工事) |
施工日数 | 3日~8日 |
天窓を後付けで設置する場合は、屋根工事以外に大工工事、電気工事、内装工事も行います。
複数の業者による作業が必要なため、費用がかかり大がかりな工事になります。
費用を抑えて天窓を設置したい場合は、新築のタイミングで設置するのがおすすめです。
天窓の設置工事(新築時)
新築で天窓を設置する場合の費用相場や施工の流れを紹介します。
費用相場 | 40万円~ |
---|---|
施工の流れ |
①天井・屋根をくり抜く(大工工事) ②配線を整える(電気工事) ③天窓を設置する(屋根工事) ④室内の内装を直す(内装工事) |
新築で天窓を設置する場合は、天窓設置のために足場を設置する必要がありません。
そのため、足場代を除く40万円程度で設置可能です。
また、他の大工工事、内装工事、電気工事と同時に行うことができるので、費用を抑えることができます。
天窓交換工事
天窓を交換する場合の費用相場や施工の流れを紹介します。
費用相場 | 20万円~50万円 |
---|---|
施工の流れ |
①足場設置(足場工事) ②既存の天窓を取り外す(屋根工事) ③天窓を設置する(屋根工事) ④室内の内装を直す(内装工事) ⑤足場解体(足場工事) |
施工日数 | 2日~4日 |
天窓交換工事の場合は新たに取り付ける天窓の価格によって費用が変わるので、詳しくは業者の方に聞いてみましょう。
天窓のメンテナンスについて
天窓は設置後も定期的なメンテナンスが必要です。
点検では天窓付近の清掃、パッキン、水切りなどの点検を重点的に行います。
最低でも5年ごとに業者による点検を受けましょう。
劣化が早いパッキンなどは早めに交換するのがおすすめです。
天窓のメリット
次に天窓を設置する主なメリットを紹介します。
天窓設置のメリット
- 部屋が明るくなる
- 換気ができる(開閉式の場合)
- 光熱費が下がる
- 部屋が広く感じる
- 建物の価値が上がる
部屋が明るくなる
天窓を設置すると太陽光を直接取り入れることができます。
壁の横側に取り付けた窓の場合、周囲に高い建物があると太陽光を室内に取り入れることができません。
しかし天窓の場合、光を遮るものがないので、効率的に光を取り入れられます。
天窓は日当たりが悪い住宅、周辺に高い建物がある住宅におすすめです。
換気ができる(開閉式の場合)
開閉できる天窓を取り付けた場合は、天窓から換気することができます。
室内の空気は天井にこもりやすい特徴があるので、天窓を少しでも開けておけば効率的に空気を入れ替えることができます。
特に夏場は天井にこもった熱い空気を外の排出できるので、快適に過ごせておすすめです。
光熱費が下がる
天窓を設置すると室内が明るくなるので昼間の照明にかかる費用を抑えることができます。
また、太陽光は部屋を暖める効果もあるため、冬の暖房費節約にもなります。
天窓は光熱費を下げる効果が期待できるエコな設備です。
部屋が広く感じる
天窓を設置すると視覚的に錯覚を生み出して、部屋をより広く開放的に感じることができます。
また、天井から光が入ってくることによって空間自体が明るくなり、その効果によってさらに部屋に広がりを感じさせます。
建物の価値が上がる
天窓はとても人気のある設備のため、いつか家を売る時にはその不動産価値を高めてくれます。
特に光が入りにくい都会に建てられた家では天窓はとても人気です。
家を売る可能性がある、不動産価値を上げたいという場合は天窓の設置を考えてみましょう。
天窓のデメリット
天窓にはいくつかのデメリットがあります。
メリットだけでなくデメリットも理解しておきましょう。
天窓設置のデメリット
- メンテナンスが必要
- 明るすぎる場合がある
- 雨や風の音が気になる
- 雨漏りが起こりやすい
メンテナンスが必要
天窓はメンテナンスが必要な設備です。
特に天窓と屋根の接合部分は劣化しやすく雨漏りが起こりやすいので、メンテナンスで重点的に点検する必要があります。
天窓の設置位置や屋根の形状によってはメンテナンス費用が高くなることもあるので注意が必要です。
明るすぎる場合がある
天窓からの自然光は大変魅力的ですが、天候によっては明るすぎることが問題になる場合があります。
特に真夏の直射日光が強い日などは、室内の温度を上げてしまうことがあります。
そのような場合は、天窓に遮光カーテンを設置するなど工夫することが大切です。
雨や風の音が気になる
天窓は天井に設置されているので、雨や風の影響を受けやすい設備です。
そのため大雨や風が強い日は音が気になるという方も多いです。
普段から音に敏感な方は、天窓を設置した場合の雨音がどれくらいなのかを十分に確認してから設置するようにしましょう。
雨漏りが起こりやすい
天窓設置工事は屋根工事の中でも難易度が高い作業です。
そのため天窓工事に慣れていない業者に工事を依頼すると、施工ミスが起こる可能性があります。
天窓がうまく取り付けられていないことによって起こりやすいトラブルは雨漏りです。
窓と屋根材の間の取り付けが甘いとその部分から雨水が侵入してきます。
天窓を設置する場合は信頼できる業者に工事を依頼しましょう。
天窓のリフォームをする前に知っておくべきポイント
ここでは、天窓リフォームを行う前に知っておくべきポイントを紹介します。
天窓の後付け設置を考えている人はぜひ知っておきましょう。
天窓の種類によって費用が変わる
上記でも紹介しましたが、天窓には大きく分けて3種類(固定式・手動開閉式・電動開閉式)あります。
これらは構造が複雑になるにつれて価格が上がるという特徴があります。
天窓を設置する際には天窓の本体価格とご自身の予算を照らし合わせて選びましょう。
設置できる天窓は屋根に合う種類のみ
設置できる天窓の種類は屋根の形状によって違います。
後付け設置する場合は、お住いの住宅の屋根タイプに合った天窓しか設置できないということを知っておきましょう。
詳しくは業者の方に確認してください。
建物の南側に設置するのがおすすめ
天窓は設置する方角によってその効果が変わってきます。
光を取り入れて部屋を明るくしたい場合は南側に設置するのがおすすめです。
実際に、天窓を設置したい方の多くが部屋を明るくしたいと思っていることが多いので、南側に設置を勧められます。
ただし、南側に天窓を設置すると明るくなりすぎる場合もあるので注意しましょう。
明るすぎる場合は、遮光カーテンをつけるなど対策をしておくのがおすすめです。
天窓は自分で設置できる?
天窓の設置は自分で行うのはおすすめできません。
天窓設置は危険な高所作業であるということに加えて、天窓が大変重量がある設備なので、一人で運んで一人で取り付けるのはほぼ困難です。
さらに、後付け設置の場合は屋根をくり抜く作業、電気工事など専門的な工事が必要なので、DIYするのは不可能だと思っておきましょう。
天窓リフォームはどんな業者に依頼すればよい?
天窓リフォームのDIYは難しいということですが、天窓の後付け設置を行いたい場合はどんな業者に依頼すれば良いのでしょうか。
天窓リフォームができる業者は?
天窓リフォームができる主な業者は以下の通りです。
- ハウスメーカー
- 地元の工務店
- 屋根工事業者
- ホームセンター
など、あらゆる業者が天窓リフォームを行っています。
では、この中で依頼すべきおすすめの業者はどれでしょうか。
屋根板金業者がおすすめ
天窓の後付け設置を行いたい場合は屋根工事のプロである屋根板金業者に依頼するのがおすすめです。
屋根板金業者は幅広い屋根工事を行っているため、天窓の後付け設置工事という難しい作業でも安心して任せることができます。
また、ハウスメーカーやホームセンターのように仲介料も必要ないため費用を抑えることも可能です。
技術的にも費用的にも屋根工事業者に依頼するのがおすすめです。
天窓リフォームを依頼する業者選定のポイント
天窓リフォームを依頼する場合は業者選びが大切です。
どのような業者を選ぶかによって工事後の満足度が変わってきます。
天窓工事を行う業者の中には悪徳業者も含まれているので、騙されないように注意して業者を選ぶことも大切です。
複数の業者による相見積もりを取ろう
天窓リフォームを行う際には複数の業者で相見積もりを取りましょう。
複数の業者で相見積もりを取ることによって、工事費用の相場や内容を詳しく知ることができます。
また、複数の業者で見積もりや内容を比べれば、コストパフォーマンスが良い業者を探すことも可能です。
少し面倒かもしれませんが3社以上から見積もりを取るようにしましょう。
天窓リフォームの実績がある業者に依頼しよう
天窓リフォームを依頼する業者を選ぶ際には、天窓工事の実績数が多い業者を選びましょう。
同じ屋根工事業者でも得意な工事内容は違います。
例えば、葺き替え工事が得意な業者や部分修理が得意な業者などさまざまです。
天窓リフォームを依頼する場合は、天窓リフォームの実績数が多い業者を選ぶようにしましょう。
飛び込み営業に注意しよう
残念なことにリフォームを行う業者の中には適当な工事をして不当な金額を請求する悪徳業者が含まれています。
悪徳業者による工事は工事後にさまざまなトラブルを起こす可能性があります。
悪徳業者の多くは飛び込み営業を行っているので、飛び込み営業には注意しましょう。
その場ですぐに契約するのは控えるようにしましょう。
仙臺屋根屋の天窓工事施工実績
天窓工事でよくあるご質問
- 天窓を設置するメリットは何ですか?
- 天窓は自然光の導入を増やし、部屋を明るくし、エネルギーコストの節約にも役立ちます。また、換気を改善し、新鮮な空気を室内に取り込むことができます。
- どのタイプの天窓がおすすめですか?
- 施工場所や目的によって異なりますが、一般的には固定型や開閉型(手動または電動)の天窓があります。さらに、エネルギー効率の高い二重ガラス製品やUVカット機能が付いているものがお勧めです。
- 天窓の設置コストはどのくらいかかりますか?
- コストは天窓のサイズ、材質、設置する屋根の種類によって異なりますが、大体数十万円からとなることが多いです。正確な見積もりは現地調査後に提供できます。
- 設置する最適な場所はどこですか?
- 部屋の使い方や光の入り方、家全体のバランスを考慮して、最適な場所を決定します。多くの場合、居室やキッチン、バスルームに設置されることが多いです。
- 天窓からの漏水を防ぐにはどうすればいいですか?
- 正しい施工方法と適切な防水処理が必要です。また、定期的なメンテナンスと点検を行うことで、漏水リスクを最小限に抑えることができます。
- メンテナンスはどのように行うべきですか?
- 天窓のガラスは定期的に清掃し、開閉機構がある場合はその動作確認やグリスアップを行います。また、外枠のシーリング剤の劣化にも注意し、必要に応じて交換します。
- 天窓の耐用年数はどれくらいですか?
- 適切にメンテナンスを行えば、20年から25年は使用できることが一般的です。ただし、環境や使用状況によって異なる場合があります。
- 天窓を設置する際の一般的な法的制約はありますか?
- 地域によっては建築基準法や地域の規制により設置が制限される場合があります。設置前には地元の建築局や自治体で確認することが重要です。
- 設置工事の所要時間はどのくらいですか?
- 天窓のサイズや設置場所、屋根の条件によりますが、通常は1日から数日で完了します。より大規模な工事や複雑な設置を伴う場合は、さらに時間がかかることがあります。
- 天窓を後付けすることは可能ですか?
- はい、既存の屋根に天窓を後付けすることは可能ですが、屋根の構造や材質、傾斜に応じて施工方法が異なります。後付けの場合、特に構造の強度を保つための対策が必要です。また、屋根の構造に影響を与えずに設置するための専門的な技術が求められるため、経験豊富な専門業者に依頼することをお勧めします。設置前には必ず専門家による詳細な調査を行い、適切な計画を立てることが重要です。
その他の屋根工事メニュー
この記事の監修者
菊地正秀
株式会社菊地板金工業 代表取締役
宮城県仙台市出身、屋根・外壁板金工事歴30年
18歳から建築工事にはじまり、屋根、外壁工事や水道、基礎工事と建設業の様々な分野で、幅広い知識と現場経験を習得。
建物の主要構造物となる『屋根』において金属板金を自由自在に施工する奥深さに魅力を感じ、25歳で屋根工事を専門とする一人親方として、独立。
平成23年に株式会社菊地板金工業を設立し、代表取締役に就任。現在に至る。
以上の経験をもとに、リフォームのトラブルを回避できる情報を、「失敗ゼロ!屋根・外壁工事研究会」として、皆様に発信している。