「屋根塗装っていくらくらいかかるの?」
「できるだけ塗装費用を安く済ませたい」
上記のように考えている方もいるのではないでしょうか。
そこで、ここでは屋根塗装の費用相場と費用を安く抑えるコツについて解説します。
これから屋根塗装を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
屋根塗装の費用相場は約40万円〜
結論から言うと、屋根塗装の費用相場は約40万円〜です。
この費用は、塗り面積50〜80㎡の一般的な2階建て住宅(足場込み)の場合の価格となっています。
ただし、約40万円〜というのは一般的な相場価格です。
実際の価格は、屋根の劣化状況や広さ、使用する塗料などにより変動します。
屋根塗装の費用内訳
ここからは、屋根塗装の費用内訳を解説します。
- 塗装代
- 人件費
- 足場代
屋根塗装には、主に上記の3つの費用が掛かります。
塗装代
一般的な2階建て住宅だと、屋根塗装に2缶程度の塗料缶を使用します。
塗料の種類 | 1缶あたりの費用 | 耐久年数 |
---|---|---|
ウレタン | 5,000円〜15,000円 | 約3年〜5年 |
シリコン | 15,000円〜40,000円 | 約5年〜7年 |
フッ素 | 40,000円〜80,000円 | 約7年〜10年 |
無機 | 50,000円〜120,000円 | 約10年〜15年 |
塗料を選ぶ際は、耐久年数にも注目しましょう。
安さだけで塗料を選ぶと、数年後に再び屋根塗装を依頼しなければいけません。
二度手間になるのを防ぐため、耐久年数と費用のどちらも確かめるのがおすすめです。
人件費
屋根の塗装工事をする際は、「高圧洗浄代」「養生代」「諸経費」が掛かることを把握しておきましょう。
屋根の劣化状況や希望により、雨樋などの付帯部を塗装するかどうかが決まります。
工事内容 | 費用相場 | |
---|---|---|
高圧洗浄 | 100円/㎡〜300円/㎡ | |
養生 | 250円/㎡〜400円/㎡ | |
付帯塗装工事 | 雨樋 | 800円/㎡〜1,200円/㎡ |
軒天 | 800円/㎡〜1,200円/㎡ | |
破風板 | 650円/㎡〜800円/㎡ | |
縁切り | 500円/㎡ | |
諸経費 | 廃材処理費など | 1式10,000円〜30,000円 |
現場管理費 | 1式30,000円〜50,000円 |
上記価格はあくまでも相場です。
屋根の劣化状況により、費用は前後するため目安として理解しておきましょう。
足場代
足場代は、下記の2ステップで簡単に算出できます。
【ステップ1】足場面積を計算する
まずは、どれくらいの足場が必要なのか、足場をかける面積を計算します。
足場をかける面積=(家の外周+8m)×高さ
【ステップ2】足場代を算出する
次に、ステップ1で算出した足場をかける面積と飛散防止ネット・足場代の費用相場をもとに、最終的な足場代を算出します。
飛散防止ネット | 100円/㎡〜200円/㎡ |
---|---|
足場代 | 600円/㎡〜800円/㎡ |
最終的な足場代=足場をかける面積×(飛散防止ネット/㎡+足場代/㎡)
屋根塗装が必要な劣化症状
続いて、屋根の種類ごとに屋根塗装が必要な劣化症状を解説します。
屋根の種類 | 劣化症状 |
---|---|
スレート瓦 | ・屋根を触ると粉が手につく(チョーキング現象) ・色があせている ・カビや藻が発生している ・塗膜が剥がれている ・釘や留め金具が外れている ・スレート瓦が反っている |
モニエル瓦 | ・屋根を触ると粉が手につく(チョーキング現象) ・色があせている ・カビや藻が発生している ・塗膜が剥がれている ・屋根が割れている ・表面がザラザラしている |
セメント瓦 | ・屋根を触ると粉が手につく(チョーキング現象) ・色があせている ・カビや藻が発生している ・塗膜が剥がれている ・屋根が割れている |
金属系(瓦棒) | ・屋根を触ると粉が手につく(チョーキング現象) ・色があせている ・釘や留め金具が外れている ・サビが発生している |
粘土瓦 (いぶし瓦、ゆう薬瓦など) | ・屋根が割れている ・瓦を固定している漆喰やモルタルが劣化している ※基本的に塗装工事は適用されません |
アスファルトシングル | ・色があせている ・カビや藻が発生している ・コーティングと基材が剥がれている |
屋根の劣化状態は、自分で確認せずに業者へ確認依頼をしてください。
素人が屋根に登ると転落のリスクがあり、大変危険です。
もし、自分で屋根の劣化状態を確認したい場合は、ベランダや地面から確認する程度に留めておきましょう。
屋根塗装の費用を安く抑えるコツ
ここからは、屋根塗装の費用を安く抑えるコツを解説します。
- 自社施工している業者を選ぶ
- 複数の業者に見積もりを取る
- 補助金や助成金を使う
- 業者の閑散期を狙って依頼する
- 外壁と屋根の塗装を同時に行う
自社施工している業者を選ぶ
屋根塗装工事で下請けを使わない自社施工の業者を選ぶことは、コスト削減の重要なポイントです。
自社施工業者は、工事の全工程を自社の職人が担当するため、下請け業者への支払いが発生しません。
その結果、屋根塗装の工事費用を抑えられます。
また、品質管理も直接行えるため、手抜き工事のリスクも低減できるのがメリットです。
自社施工業者かどうかは、各会社のホームページを確認するのが良いでしょう。
会社のホームページ内に、職人個人の写真やプロフィールがあれば、自社施工業者の可能性が高いです。
ただし、自社施工を謳っていても実際は下請けを使っているケースもあります。
そのため、施工体制証明書の確認や、工事当日の作業員の所属確認などもするのがおすすめです。
また、自社施工業者は地域密着型の中小企業が多く、アフターフォローも行き届きやすいというメリットもあります。
下請け企業を使っている業者の例は、以下の通りです。
- ゼネコン
- ハウスメーカー
- ホームセンター
- 家電量販店のリフォーム部門
- 工務店
屋根塗装を依頼する際は、上記以外の業者を選びましょう。
複数の業者に見積もりを取る
屋根塗装を検討する際は、複数の業者に見積もりを取りましょう。
なぜなら、屋根塗装の適正価格を知り、最も良心的な価格を提示する業者を選択できるからです。
各業者の見積もり内容を比較することで、工事内容や使用する塗料の品質、価格の妥当性を判断できます。
見積もりを取る際は、足場の設置費用や塗料の種類、塗装回数、下地処理の方法、保証内容など、細かい内容を依頼しましょう。
また、見積もり時の現場調査の丁寧さや、説明の分かりやすさなども業者選びの重要な判断材料となります。
複数の見積もりを取ると、他の業者の見積もり価格を提示し、値引き交渉しやすくなるのもメリットです。
ただし、あまりに多くの見積もりを取ると、業者対応に疲れてしまいます。
そのため、3社程度を目安に見積もりを取ることがおすすめです。
補助金や助成金を使う
屋根塗装工事には、自治体や国が提供するさまざまな補助金や助成金を活用できるかもしれません。
特に、省エネ効果のある遮熱塗料を使用する場合や、リフォーム全般に対する補助金制度を利用できることがあります。
これらの制度は地域や時期によって内容が異なるため、事前に居住地の自治体窓口やホームページで確認しましょう。
また、住宅ローン減税や、リフォーム減税などの税制優遇措置も併せて検討することで、さらなる費用削減が可能です。
補助金申請には一定の条件や期限があることが多いため、工事の計画段階から情報収集を始め、必要書類の準備を進めてください。
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業者の閑散期を狙って依頼する
屋根塗装工事は、季節により料金が変動する傾向があります。
一般的に、梅雨時期や冬季は工事の需要が少なく、比較的安価に施工できるでしょう。
特に12月から2月にかけての冬季は、気温や天候の影響で工事がしにくい時期となります。
そのため、通常よりも安く屋根塗装工事ができるはずです。
ただし、業者の閑散期である冬は、気温が低いため塗料が硬化するまでに時間がかかります。
閑散期に工事依頼をすると、通常よりも工事期間が長くなることに留意しましょう。
また、年度末や年度始めは工事の混雑時期となるため、これらの時期を避けて工事計画を立てることで、屋根塗装の費用を抑えられます。
外壁と屋根の塗装を同時に行う
外壁塗装と屋根塗装を同時に行うことで、足場の設置費用や諸経費を一度で済ませられるため、大幅なコスト削減が可能となります。
足場の設置費用は工事費全体の15%~20%程度を占めることも多く、これを一度で済ませることの効果は大きいでしょう。
また、外壁と屋根を同時に塗装することで、建物全体の見た目の統一感も出せ、より効果的な改修が可能となります。
さらに、工期を一度に済ませることができるため、生活への影響も最小限に抑えられるのです。
ただし、同時施工の場合は一度の支払い額が大きくなるため、ローンの活用など支払い方法について事前に十分な検討をしましょう。
外壁と屋根を同時に塗装する場合と、別々で塗装する場合の費用相場は以下の通りです。
坪数 | 同時に塗装する場合 | 別々に塗装する場合 |
---|---|---|
30坪 | 約80万円~約120万円 | 約80万円~約160万円 |
40坪 | 約100万円~約140万円 | 約110万円~約210万円 |
50坪 | 約120万円~約180万円 | 約125万円~約250万円 |
場合によっては、2倍程度の費用がかかるため、外壁と屋根は同時に塗装するのがおすすめです。
屋根塗装する際の注意点
ここからは、屋根塗装する際の注意点を解説します。
- 見積書の内容をよく確認する
- 訪問営業時に依頼しない
屋根塗装を検討している方は、この章の内容をしっかりと確認しておきましょう。
見積書の内容をよく確認する
見積書の内容は、しっかりと確認してください。
屋根塗装工事の見積書は、後々のトラブル防止のために非常に重要な書類です。
見積書の確認ポイントとして、まず工事の範囲と内容が明確に記載されているかを確認します。
具体的には、以下の内容が記載されているかを確かめましょう。
- 塗装する面積
- 使用する塗料の種類・メーカー名・色番号
- 塗装回数
- 下地処理の方法など
また、見積金額の内訳も重要で、足場設置費用、養生費用、諸経費、保証内容などが明確に区分されているか確認してください。
特に、追加料金が発生する可能性のある項目(例:雨樋の修理や破損した瓦の交換など)については、事前に明確な取り決めをしておくことが重要です。
保証内容については、保証期間や保証対象となる不具合の範囲、保証除外事項などが具体的に記載されているか確認します。
一般的な屋根塗装の保証期間は5年〜10年程度ですが、業者により大きく異なることがあるため注意しましょう。
さらに、支払条件(着手金、中間金、完了金の金額と支払時期)も必ず確認し、無理のない支払いスケジュールかどうかを検討します。
もし、見積書に不明な点や疑問点がある場合は、必ず工事前に業者に確認し、書面での明確な回答を得るのがおすすめです。
訪問営業時に依頼しない
訪問営業時での屋根塗装の契約は、極力避けるべきです。
訪問営業では、「今なら特別価格」「緊急性が高い」などと焦らせる手法で、十分な検討時間を与えずに契約を迫ってくることが多々あります。
このような状況では、適切な判断が難しく、必要以上に高額な契約を結んでしまうかもしれません。
また、訪問営業をする業者の中には、誇大広告や虚偽の説明で契約を取ろうとするケースもあります。
例えば、実際には問題のない箇所を「緊急の修理が必要」と告げたり、市場価格を大きく上回る見積額を提示したりするなどの手法があるのです。
さらに、訪問営業では業者の実績や評判を十分に調査する時間がないため、信頼性の低い業者と契約してしまうリスクもあります。
適切な屋根塗装業者の選定には、インターネットでの評判確認や施工実績の確認、複数の見積もり比較など、時間をかけた調査が必要です。
なお、飛び込みの訪問販売で契約した場合でもクーリング・オフ制度を利用できます。
しかし、訪問営業での契約は避け、自分から必要性を感じて信頼できる業者を探すという方法が一番おすすめです。
屋根塗装するメリット
屋根塗装するメリットを3つお伝えします。
- 見た目が良くなり屋根の劣化を防げる
- 防水性・耐久性・防災性がアップする
- 省エネにつながる
屋根塗装は一時的な費用がかかりますが、長期的にみればさまざまなメリットがあります。
見た目が良くなり屋根の劣化を防げる
屋根塗装は、建物の外観を綺麗にする効果があります。
経年劣化や紫外線の影響で色褪せた屋根材が、塗装により新築時のような美しい外観を取り戻すことが可能です。
特に外壁と色調を合わせることで、建物全体の統一感が生まれ、街並みや周辺環境との調和も図れます。
また、塗装は単なる見た目の改善だけでなく、屋根材の劣化防止にも大きな効果があります。
塗料が紫外線や雨風から屋根材を守る保護膜となり、屋根材の劣化スピードを大幅に抑制できるのです。
特にコンクリート系の屋根材は、紫外線や雨による劣化が進むと表面が粉状になる「チョーキング現象」が発生しやすいです。
しかし、適切な塗装をすることで「チョーキング現象」の発生を防げます。
屋根塗装することで、結果的に屋根材の寿命を延ばし、将来的な屋根の葺き替えを避けられる可能性が高いのです。
防水性・耐久性・防災性がアップする
屋根塗装によって得られる最も重要な効果の一つが、防水性の向上です。
屋根用塗料には高い防水性能が備わっており、塗装により屋根材の表面に強固な防水層が形成されます。
その結果、雨漏りのリスクを大幅に低減し、建物内部への水の侵入を防げるのです。
また、耐久性の面では、塗料が持つ優れた耐候性により、屋根材の劣化を防ぎます。
特に近年の塗料は、高い耐久性を持つように作られています。
紫外線による劣化や、酸性雨による腐食、カビやコケの発生なども効果的に防ぐことが可能です。
防災性については、特殊な塗料を使用することで火災時の延焼を防ぐ効果や、台風時の瓦のズレを防ぐ効果も期待できます。
また、屋根材同士の接着力が高まることで、地震時の瓦の落下リスクも減らせます。
さらに、定期的な塗り替えは屋根の状態を点検する機会にもなり、劣化や損傷の早期発見・補修にもつながるのです。
省エネにつながる
屋根塗装による省エネ効果は、特に遮熱塗料や断熱塗料を使用した場合に実感できます。
これらの特殊塗料は、太陽光を反射する効果や熱を伝えにくくする特性を持っており、夏場の室内温度上昇を抑制する効果があるのです。
屋根表面温度を最大で20℃程度下げられる場合もあります。
この温度低下により、エアコンの使用頻度や設定温度を抑えられ、電気代の節約につながります。
特に最上階の部屋は屋根からの熱の影響を直接受けるため、遮熱塗料による効果を最も実感できるでしょう。
また、冬場においても断熱効果により室内の暖気が外に逃げにくくなるため、暖房効率の向上も期待できます。
年間を通じての空調効率の向上は、CO2排出量の削減にもつながり、環境負荷の低減にも貢献可能です。
なお、このような省エネ効果は塗料の種類や建物の構造、気候条件などによって異なります。
そのため、期待する効果に応じた適切な塗料選びが重要です。
まとめ
屋根塗装の費用相場と費用を安く抑えるコツを解説しました。
屋根塗装の費用相場は、約40万円〜です。
ただし、実際の価格は、屋根の劣化状況や広さ、使用する塗料などにより変動します。
塗料の種類と費用、耐久年数は以下の通りです。
塗料の種類 | 1缶あたりの費用 | 耐久年数 |
---|---|---|
ウレタン | 5,000円〜15,000円 | 約3年〜約5年 |
シリコン | 15,000円〜40,000円 | 約5年〜約7年 |
フッ素 | 40,000円〜80,000円 | 約7年〜約10年 |
無機 | 50,000円〜120,000円 | 約10年〜約15年 |
安さだけで塗料を選ぶと、数年後に再び屋根塗装を依頼しなければいけません。
二度手間になるのを防ぐため、耐久年数と費用のどちらも確かめるのがおすすめです。
また、屋根の塗装費用を安く抑えるコツは、以下の通りです。
- 自社施工している業者を選ぶ
- 複数の業者に見積もりを取る
- 補助金や助成金を使う
- 業者の閑散期を狙って依頼する
- 外壁と屋根の塗装を同時に行う
本記事を参考にお得に屋根塗装を実施しましょう。