陶器瓦の種類やメリット・デメリットとは?特徴や費用相場について

陶器瓦屋根

陶器瓦は独特の形状や美しさ、耐久性の高さが魅力の人気がある屋根材です。

その歴史は古く、日本だけでなく世界中で愛用されています。

そんな陶器瓦ですが、費用相場やメンテナンスの方法など詳しく知っているという方は少ないのではないでしょうか。

ここでは、陶器瓦の基本的な知識や費用相場、気になる耐震性との関係についても解説します。

瓦屋根の設置を検討している方、屋根リフォームでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

陶器瓦とは

陶器瓦とは

陶器瓦とは名前の通り陶器製の瓦のことです。

粘土を瓦の形に成形して、その上から釉薬を塗って窯で焼き上げることによって出来上がります。

非常に硬く耐久性があるため、屋根材に向いている素材です。

陶器瓦の特徴

ここでは陶器瓦の主な特徴を紹介します。

陶器瓦の3つの特徴

  • 耐久性が高い
  • 瓦自体のメンテナンスは不要
  • 色・ツヤのバリエーションが豊富

耐久性が高い

陶器瓦の耐久性

陶器瓦は非常に耐久性が高い屋根材です。

その理由は、釉薬を塗って焼くことによって表面にガラス質の層ができるからです。

この層は防水性や防カビ性などの機能性が非常に高いため、割れない限り半永久的に使用できます。

瓦自体のメンテナンスは不要

陶器瓦のメンテナンス

上記でも紹介した通り、陶器瓦は非常に強い素材です。

陶器製の器がずっと美しい状態を保てるのと同じように、ずっと美しい状態を保つことができます。

他の屋根材の場合塗装などのメンテナンスが必要ですが、陶器自体はメンテナンスが必要ありません。

ただし、陶器瓦の設置に必要な他の素材(漆喰、下地など)はメンテナンスが必要です。

瓦を使っていたとしても、屋根自体の定期的なメンテナンスは受けましょう。

色・ツヤのバリエーションが豊富

陶器瓦の種類

陶器瓦は色やツヤのバリエーションが豊富なデザイン性の高い屋根材です。

釉薬の色によって瓦の色を変えることができるため、あらゆる色の中から好きな色を選ぶことができます。

色だけでなくツヤ感なども選ぶことができるので、デザインに対するこだわりがある人にもおすすめです。

陶器瓦の種類

陶器瓦は大きく分けると3種類あります。

陶器瓦の3つのタイプ

  • 和形
  • 平形
  • 洋瓦

和形

和形の陶器瓦

和形とは最も一般的な陶器瓦で、J型とも呼ばれます。

瓦と聞いて多くの人が思い浮かべるのがこの和形だと思って良いでしょう。

古くからある日本家屋で使用されている波形の瓦です。

平瓦

平瓦の陶器瓦

平瓦とはその名の通り平らな瓦でF型・フランス型とも呼ばれます。

モダンなデザインが特徴的で、和風・洋風のどちらの建物にも似合います。

シンプルながら洗練された印象を与えてくれる使いやすい屋根材です。

洋瓦

洋瓦の陶器瓦

洋瓦とは曲線的な形状の瓦でS型・スペイン型とも呼ばれます。

地中海沿岸の建物をイメージした瓦で、洋風の建物に似合います。

陶器瓦は種類によってイメージが全く変わる屋根材です。

建物やデザインの好みに合わせて選ぶようにしましょう。

陶器瓦の耐用年数

陶器瓦の耐用年数

陶器瓦の耐用年数は60年~100年と非常に長いのが特徴です。

他の屋根材は長くて30年程度のものが多いので、陶器瓦はかなり寿命が長い屋根材だということが分かります。

陶器瓦は10年ごとに点検を受けよう

10年毎の陶器瓦の点検

陶器瓦自体は耐久性が高く耐用年数も長いですが、陶器瓦屋根に使用されているその他の素材(漆喰や下地など)は陶器瓦に比べて耐用年数が低いため、定期的なメンテナンスが必要です。

10年ごとに業者による点検を受けましょう。

瓦屋根の補修について

耐久性が高い瓦屋根ですが自然災害などによりダメージを受けてしまうことがあります。

また、陶器瓦以外の部分が劣化して屋根が傷んでしまうこともあります。

下記のような症状がある場合は、業者に修理を依頼しましょう。

瓦屋根の補修のタイミング

  • 瓦のズレやひび割れ
  • 漆喰の劣化・棟瓦のズレ

瓦のズレやひび割れ

陶器瓦のズレやひび割れ

陶器瓦は耐久性が高く強い素材ですが、地震や強風などにより強い衝撃が加わるとひび割れや瓦のズレが起こってしまうことがあります。

この状態を放置すると下地が傷んで雨漏りなどのトラブルが起こる可能性があるので補修が必要です。

一度瓦業者に点検を依頼しましょう。

漆喰の劣化・棟瓦のズレ

漆喰の劣化・棟瓦のズレ

瓦屋根に使用されている漆喰は自然と劣化していく素材です。

漆喰が劣化すると漆喰が欠けたり、下地が見えたりしてしまうことがあります。

この状態を放置すると棟瓦がずれるなど、どんどん屋根のダメージが広がり屋根や家が傷んでしまう可能性もあります。

漆喰の劣化や棟瓦のズレを発見したら早めに補修を行いましょう。

このような症状がある場合はできるだけ早く業者に修理を依頼しましょう。

瓦屋根はメンテナンスさえしっかり行えば、長く美しい状態をキープできます。

陶器瓦の費用相場

ここでは、瓦屋根の費用相場を紹介していきます。

他の屋根材の費用相場と比較してみましょう。

屋根材費用相場耐用年数
陶器瓦10,000円~13,000円/㎡60年~100年
スレート屋根5,000円~9,000円/㎡20年~30年
ガルバリウム鋼板7,000円~10,000円/㎡20年~30年

陶器瓦の費用相場は10,000円~13,000円/㎡で、他の屋根材と比べて価格が高いですが、耐用年数が長いため、コストパフォーマンスに優れています。

一方、スレート屋根やガルバリウム鋼板は費用が安いですが、耐用年数が短くメンテナンス費用もかかります。

屋根材を選ぶ際には屋根材自体の価格、メンテナンス費用、屋根材の寿命などを考慮してご自身の考えと合うものを選びましょう。

陶器瓦のメリット

次に陶器瓦のメリットを紹介します。

陶器瓦5つのメリット

  • 寿命が長い
  • メンテナンスしやすい
  • 色・デザインが豊富
  • 雨の音が気にならない
  • 気温調節ができる

寿命が長い

陶器瓦の長い寿命

陶器瓦は非常に耐久性があるため、適切なメンテナンスを行えば100年以上使用することができます。

他の屋根材は数十年で交換が必要ですが、陶器瓦は正しく使えばずっと使えるエコな素材です。

メンテナンスしやすい

陶器瓦のメンテナンスのしやすさ

陶器瓦自体は基本的にメンテナンスが不要です。

自然災害などにより瓦が破損した場合でもその部分だけ交換することができるため、メンテナンスがしやすい屋根材です。

しかし、陶器瓦屋根で使われる漆喰や下地はメンテナンスが必要なので、点検を受ける必要があります。

陶器瓦の屋根は10年ごとに業者による点検を受けると安心です。

色・デザインが豊富

陶器瓦の豊富な色やデザイン

陶器瓦にはあらゆる色・デザインのものが存在します。

多くの色やデザインが存在する理由は、粘土で成形し釉薬で色を付けられる形や色の関する自由度が高い屋根材だからです。

家の外観や建築スタイルに合わせたものを選ぶことができるのも陶器瓦の魅力です。

雨の音が気にならない

雨の音が気にならない

陶器瓦は他の屋根材と比べて音の吸収性が高いです。

最近はゲリラ豪雨など大雨が多く、雨音が気になるという方も多いですが、そのような方には陶器瓦がおすすめです。

まだお昼寝が必要なお子さんや勉強ざかりのお子さんがいるご家庭にも向いています。

気温調節ができる

気温調整が可能な陶器瓦屋根

陶器瓦は断熱性能が高い屋根材です。

そのため、夏は涼しく冬は暖かい空間を保つことができます。

陶器瓦の住宅は外気温の影響を受けにくいため、光熱費を削減する効果も期待できます。

陶器瓦のデメリット

次に陶器瓦のデメリットを紹介します。

陶器瓦2つのデメリット

  • 重さがある
  • 価格が高い

重さがある

重い陶器瓦

陶器瓦は陶器製なので重さがある屋根材です。

そのため、耐震構造がしっかりとした家でないと設置ができません。

新たに陶器瓦を設置する場合は、その建物が瓦の重さに耐えられる構造かどうかをプロに確認してもらいましょう。

価格が高い

陶器瓦の価格

陶器瓦は材料費や製造コストがかかるため、他の屋根材に比べて価格が高くなってしまいます。

しかし、長寿命でメンテナンス費用があまりかからないという点を考えると、長期的にはコストパフォーマンスが高い屋根材です。

陶器瓦は地震に弱い?

陶器瓦は他の屋根材に比べて重いので耐震性が不安だと思っている人も多いですが、実際はそれほど問題ありません。

その理由は、瓦屋根の住宅は屋根の重さを計算に入れた設計がされているからです。

むしろ瓦屋根の住宅は重たい屋根を支えるためにしっかりとした設計がされているため、耐震性が高いことの方が多いです。

ただし、元々瓦屋根ではない住宅の屋根を瓦屋根に変える場合は、その建物が瓦の重さに耐えられる耐震性を持っているかは専門家に確認しましょう。

陶器瓦の補修は火災保険が適用できる可能性がある

台風や大雨などの自然災害による損害については火災保険の適用範囲となる可能性があります。

自然災害によって屋根がダメージを受けた可能性がある場合は、まず保険会社に連絡してみましょう。

場合によっては補修費用が実質無料になることもあります。

仙臺屋根屋の陶器瓦施工実績

陶器瓦でよくあるご質問

陶器瓦のメリットは何ですか?
陶器瓦は耐久性が高く、自然素材のため環境に優しく、保温性が高いことが特徴です。また、色や形のバリエーションが豊富で美観を向上させることができます。
陶器瓦の寿命はどれくらいですか?
適切な施工と定期的なメンテナンスが行われていれば、50年以上持続することが一般的です。
陶器瓦のメンテナンスはどのように行うべきですか?
定期的に屋根を点検し、瓦の割れやズレがないかをチェックすることが重要です。また、苔や藻の除去、清掃を定期的に行うことが推奨されます。
陶器瓦の工事費用はどのくらいかかりますか?
陶器瓦は一般的なアスファルトシングルに比べて高価ですが、長期的な耐久性を考えるとコストパフォーマンスは非常に高いです。具体的な費用は施工する屋根の面積や瓦の種類によります。
陶器瓦の工事に適した時期はありますか?
陶器瓦の施工は、雨が少なく温度が穏やかな時期が最適です。極端な温度変化や湿度は施工に影響を与えるため、春または秋に行うことが一般的です。
陶器瓦工事で気を付けるべき点は何ですか?
陶器瓦の重量が重いため、建物の構造がその重さを支えられるか事前に確認する必要があります。また、熟練した職人による正確な施工が必要です。
耐震性についての陶器瓦の性能はどうですか?
陶器瓦自体は重いため、強固な屋根構造と適切な取り付けが必要ですが、これらが整っていれば高い耐震性を提供します。。
陶器瓦を選ぶ際のポイントは何ですか?
色、形、質感、メーカーの評判、価格、保証期間など、見た目だけでなく機能性や耐久性にも注意して選ぶことが重要です。
陶器瓦の色や形の種類にはどのようなものがありますか?
伝統的な赤や茶色だけでなく、青や緑など多様な色があります。形状に関しても、平瓦や和型瓦などさまざまなスタイルが選べます。
陶器瓦の取り替え時期の見分け方は?
瓦の表面の剥がれや色あせ、割れや欠けが目立つようになったら、取り替えを検討するタイミングです。また、屋根からの漏水が発生した場合も交換が必要です。

その他の屋根工事メニュー

この記事の監修者

株式会社菊地板金工業、代表取締役、菊地社長

菊地正秀

株式会社菊地板金工業 代表取締役

宮城県仙台市出身、屋根・外壁板金工事歴30年

18歳から建築工事にはじまり、屋根、外壁工事や水道、基礎工事と建設業の様々な分野で、幅広い知識と現場経験を習得。
建物の主要構造物となる『屋根』において金属板金を自由自在に施工する奥深さに魅力を感じ、25歳で屋根工事を専門とする一人親方として、独立。
平成23年に株式会社菊地板金工業を設立し、代表取締役に就任。現在に至る。
以上の経験をもとに、リフォームのトラブルを回避できる情報を、「失敗ゼロ!屋根・外壁工事研究会」として、皆様に発信している。