「瓦屋根のリフォームっていくらくらいかかるのだろう…」
「そもそも瓦って何年くらい使えるの?」
瓦屋根の住宅に住んでいる方は上のようなことが気になるのではないでしょうか。
ここでは、「瓦屋根のリフォーム費用相場」や「屋根材の耐用年数」などをご紹介します。
「お得に屋根のリフォームができる方法」なども解説するので、是非参考にしてみてください。
Contents
瓦屋根の修理目安
比較的長い間使える瓦屋根ですが、どのような症状が現われた場合に修理をすれば良いのでしょうか。
まずは、瓦屋根の修理目安をご紹介します。
雨漏り
天井から雨漏りしている場合は、瓦屋根の修理を検討しましょう。
雨漏りがしているということは、屋根の一部が損傷している可能性が高いです。
そして、その損傷している部分から雨水が染み込み、屋根下地や家自体にも悪影響を与えている可能性があります。
「雨が止んだら雨漏りが治まるから放っておいていいや…」などとは考えず、雨漏りに気付いたらすぐに業者の方に連絡しましょう。
こんな症状があれば雨漏りしているかも?
- 天井にシミがある
- クロスにシミがある
- 部屋の中にカビの匂いがする
- 壁が膨らんでいる
- 床が膨らんでいる
- 水滴が落ちてくる
など
雨漏りでも初期段階で修理すれば、一部分だけの修理で直ることが多いです。
一部分だけの修理の場合は費用を抑えることができるので、雨漏りに気付いたらできるだけ早く業者の方に連絡しましょう。
瓦のずれや割れ
外から見たときに、瓦がずれたり割れたりしている場合は、屋根の修理を検討しましょう。
パッと見た感じでは小さな損傷でも屋根下地や家にダメージを与えている可能性があります。
屋根に雨水が染みこむと屋根自体の劣化を早めてしまうので、瓦のずれや割れを見つけたらすぐに業者の方に連絡しましょう。
早い段階で修理すれば破損した瓦の修理のみで対応することも可能です。
地震が心配
瓦屋根は重くて耐震性が心配と思っている方が多いです。
実際には、住宅倒壊の原因は瓦の重さだけではないと言われていますが、耐震性が心配で不安になるという方は屋根材の交換を検討してみても良いかもしれません。
屋根は数十年に一度はメンテナンスとして葺き替えが必要なので、そのタイミングで屋根材の交換を考えてみるのもおすすめです。
度重なる地震で、防水シートに亀裂が入ってしまう症例も多々あります。
では、次に瓦屋根のリフォーム費用相場をご紹介します。
【工事別】瓦屋根のリフォーム費用相場
瓦屋根のリフォームと一言で言っても、さまざまな工事方法があります。
破損した部分だけを直す補修工事や屋根全体を取り換える葺き替え工事など費用感も規模感も違います。
これから瓦屋根のリフォーム工事とその費用相場を種類別に紹介していくので、ぜひチェックしてみてください。
屋根材の種類によって費用が変わる
瓦屋根のリフォーム工事で知っておいていただきたいのは、使用する屋根材によって工事費用が大きく変わるということです。
同じ瓦の中にも日本瓦やセメント瓦があり、それぞれ価格が違います。
屋根リフォームを行う場合には、予算や目的に合った屋根材や工事方法を選びましょう。
では、次に瓦屋根のリフォーム費用相場を工事内容別にご紹介します。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
補修工事 | 5万円~20万円 |
葺き直し工事 | 100万円~180万円 |
葺き替え工事 | 150万円~300万円 |
補修工事【費用相場:5万円~20万円】
台風や豪雨によって一部の瓦が割れた場合に行うのが補修工事です。
破損した瓦を外して新しい瓦を取り付けます。
破損した瓦をそのままにしておくと雨漏りや屋根の傷みの原因となるので、破損に気付いたらすぐに業者に連絡しましょう。
補修工事の種類
- 瓦の差し替え
- 瓦の並び直し
- 漆喰の剥がれ補修
- 漆喰の詰め直し
など
補修工事はどんなときにするの?
- 屋根の一部分が破損しているとき
- 屋根の耐用年数を超えていないとき
補修工事は部分的に破損している場合に行います。
屋根全体が傷んでいるときや屋根の耐用年数を過ぎているときは補修工事ではなく屋根の葺き直しや葺き替えがおすすめです。
足場の設置は必要?
瓦屋根の一部を補修する工事の場合は、足場の設置が必要ないことが多いです。
瓦屋根職人がはしごで屋根に上って作業を行います。
ただし、瓦屋根全体の交換など規模が大きな工事の場合は、足場を設置することが多いので、業者の方に確認しましょう。
葺き直し工事【費用相場:100万円~180万円】
葺き直し工事とは、現在使用している瓦を再利用して屋根下地などを張り替える工事です。
屋根材を新しいものに取り換える葺き替え工事部比べて費用が安いというメリットがあります。
葺き直し工事はどんなときにするの?
- 既存の瓦を再利用できるとき
- 屋根の一部が傷んでいるとき
- 工事費用を抑えたいとき
葺き直し工事は、瓦自体がまだ傷んでいなくて再利用できる場合に行います。
屋根の一部分だけが破損している場合や屋根下地の一部が破損している場合に行うことが多いです。
葺き替え工事【費用相場:150万円~300万円】
葺き替え工事とは、古い屋根を取り払って新しい屋根を取り付ける工事です。
瓦が全体的に傷んでいる場合、耐震性が心配な場合などに行います。
瓦から他の屋根材に変えることも可能なので、他の屋根材に変えたいという方はこのタイミングで屋根材を変更しましょう。
では、以下で屋根材ごとの葺き替え費用をご紹介します。
現在の屋根材 | 新しい屋根材 | 費用目安 |
---|---|---|
日本瓦 | 日本瓦 | 100万円~280万円 |
セメント瓦 | 100万円~240万円 | |
ガルバリウム | 70万円~220万円 | |
スレート | 50万円~210万円 |
このように、新しい屋根材をどれにするかで費用は大きく変わってきます。
ご自身の予算や目的と相談しながら新しい屋根材を決めましょう。
ちなみに、屋根材の特徴や耐用年数については下の「屋根材の特徴や耐用年数は?」でご紹介するので、気になる方はぜひ確認してください。
葺き替え工事はどんなときにするの?
- 屋根全体が傷んでいるとき
- 屋根の耐用年数を過ぎているとき
- 瓦では耐震性が心配なとき
葺き替え工事は、屋根全体が傷んでいるときや耐震性が不安なときなどに行います。
瓦から他の屋根材に変更することもできるので、耐震性が不安な場合は業者の方に相談しましょう。
重ね葺き
重ね葺きとは、既存の屋根の上に新たに屋根を取り付ける方法です。
古い屋根を取り外さずに行うので費用を抑えることができます。
ただし、瓦屋根の場合は重さがあるため、屋根全体に重ね葺きをすると耐震性に問題が出る可能性があります。
瓦屋根の重ね葺き工事はできない可能性が高いので、気になる場合は業者の方に相談しましょう。
このように、瓦屋根のリフォームにはいくつかの種類があります。
現在取り付けている屋根の状態や使用年数や予算に合った工事方法を選びましょう。
葺き替え工事費用の内訳
屋根のリフォーム費用には屋根材だけでなく工事費用も含まれています。
次に葺き替え工事費用の内訳をご紹介するので、ぜひチェックしましょう。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
足場代 | 180,000円~ |
下地処理 | 40,000円~ |
下地設置 | 80,000円~ |
廃棄物処理 | 60,000円~ |
諸経費 | 30,000円~ |
屋根材 | 使用する屋根材による |
では、次に屋根材の耐用年数や特徴を種類別にご紹介します。
【種類別】屋根材の特徴や耐用年数は?
現在の屋根材 | 新しい屋根材 | 耐用年数 |
---|---|---|
日本瓦 | 日本瓦 | 30年~60年 |
セメント瓦 | 20年~40年 | |
ガルバリウム | 30年~55年 | |
スレート | 10年~35年 |
日本瓦【耐用年数:30年~60年】
日本瓦とは、日本に古くからある屋根材でデザイン性と耐久性がある屋根材です。
耐用年数は20年~60年と長いため、長期的に使用できます。
しかし、重さがあるため地震に弱いという特徴があり、最近では日本瓦を使用する人が減ってきているようです。
※耐震性については住宅構造や築年数の影響も受けるので、専門業者に相談するのがおすすめです。
瓦屋根のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・メンテナンス費用が安い ・耐久性が高い ・デザイン性が高い ・高級感がある ・遮熱性が高い ・結露が起きにくい | ・屋根材の中では高い ・他の屋根材に比べて重い |
瓦屋根にはこのようなメリット・デメリットがあります。
他の屋根材に比べて費用は高いですが、その分耐久性が高くメンテナンス費用も安いため長期的に考えるとお得です。
ただし、瓦は重さがあるので瓦の重さに耐えられる構造の建物に取り付けるようにしましょう。
軽い屋根に対応している構造の住宅に瓦をつけると地震に弱い住宅になってしまいます。
セメント瓦【耐用年数:20年~40年】
セメント瓦とは、セメント製の瓦のことで、耐用年数は20年~40年です。
比較的長い期間使用できますが、10年~20年ごとに塗装をするのが推奨されています。
セメント瓦は日本瓦同様、重さがあるため地震に弱いため最近は製造が減ってきているようです。
セメント瓦のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
耐久性が高い耐火性が高いデザイン性が高い | ・破損しやすい ・衝撃に弱い ・塗装が必要 |
セメント瓦にはこのようなメリット・デメリットがあります。
日本瓦よりは低いですが耐久性が高く長期間使用できる屋根材です。
ただし、セメント瓦は日本瓦に比べてメンテナンスが必要で、10年に1度くらいの間隔で塗装するのが推奨されています。
また、日本瓦より破損しやすい素材なので修理費などのメンテナンス費用がかかることが多いです。
ガルバリウム鋼板【耐用年数:30年~55年】
ガルバリウム鋼板とは、サビに強い加工がされた金属素材のことで、アメリカで開発されました。
耐用年数は30年~55年と長く、塗装は20年~30年くらいで行うことが推奨されています。
また、軽い素材なので耐震性も問題ありません。
長い屋根にも対応できて加工もしやすいので、最近人気がある屋根材です。
ガルバリウム鋼板のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・他の屋根材より軽い ・防水機能が高い ・加工がしやすい ・サビに強い | ・断熱性が低い ・遮音性が低い |
ガルバリウム鋼板にはこのようなメリット・デメリットがあります。
他の屋根材に比べて軽いので住宅の耐震性を上げたい場合に使用されることが多く、最近人気がある素材です。
ただし、遮熱性や遮音性が低いので、これらの機能を補う対策を行いましょう。
スレート【耐用年数:10年~35年】
スレートとは、石を板状に加工してできた素材のことで、天然石スレートや化粧スレートなどの種類があります。
耐用年数は10年~35年で価格が安く重量が軽いため耐震性が高く人気が高まっています。
また、見た目もスタイリッシュで美しいため、住宅の景観を大事にしたい人にも人気です。
スレート屋根のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
・他の屋根材に比べて軽い ・屋根材の中では安い | ・耐久性が低い ・塗装メンテナンスが必要 ・メンテナンス費用が高い |
スレート屋根にはこのようなメリット・デメリットがあります。
スレート屋根は初期費用が安く取り付けやすいですが、その分耐久性が低いためメンテナンスに費用がかかります。
また、塗装も短い間隔で行う必要があるため、維持費はかかると思っておきましょう。
このように屋根材にはさまざまな種類があります。
瓦屋根の葺き替え工事の際には、瓦以外の屋根材に変更することもできるので予算や耐震性やデザインなどご自身が納得できる屋根材を選びましょう。
では、次にお得に屋根のリフォームを行うための方法をご紹介します。
お得にリフォームするための方法とは
瓦屋根のリフォームには大きな費用がかかるので、少しでもお得になる方法が知りたいという方も多いのではないでしょうか。
そこで、これからお得に瓦屋根をリフォームするための方法をいくつかご紹介します。
火災保険
台風・豪雨・大雪など自然災害が原因で屋根が破損した場合は、火災保険の対象となることがあります。
火災保険に加入している方で、自然災害によって屋根がダメージを受けた場合は、保険会社に連絡しましょう。
国や自治体の補助金(助成金)
瓦屋根から耐震性の高い屋根材に葺き替え工事を行う場合は、国や自治体が設けている補助金の対象となることがあります。
まずは、ご自身がお住いの地域に補助金制度があるかどうか確認してみましょう。
信頼できる業者の選び方
瓦屋根のリフォームは、業者によって工事方法や費用が大きく変わります。
また、中には屋根専門業者でない業者が屋根修理を行っていることもあるので業者選びには注意が必要です。
では、実際にどのようなところに注意して業者を選べば良いでしょうか。
屋根の上から点検してくれる
信頼できる業者を選ぶためには、見積もりの段階でしっかりと屋根の状態を診断してくれる業者かどうかをチェックしましょう。
屋根の状態をしっかりと把握するためには、屋根の上から屋根の状態を確認する必要があります。
中には屋根上の状態を確認せずに見積もりを行う業者もいるので注意が必要です。
信頼できる業者を選ぶためには、屋根の上からしっかりと確認してくれる業者を選びましょう。
最近はドローンで屋根の状態を確認する業者もある!
最近は、ドローンを使用して屋根の状態を確認する業者もいます。
実際に屋根に上らなくてもドローンなどで目視確認してくれる業者は信頼できるでしょう。
見積もりが丁寧
信頼できる業者を選ぶためには、見積もりが丁寧に作成されている業者を選びましょう。
工事費用の中には、足場代や下地処理代など細かな費用が含まれていますが、業者の中にはそれらをひとまとめにして工事一式と記載するところもあります。
見積もりが丁寧で細かであれば工事内容の抜けや工事費用上乗せにも気付くことができるので安心です。
工事中の状況を報告してくれる
信頼できる業者を選ぶためには、工事中の状況を写真で報告してくれる業者を選びましょう。
屋根の上は業者の方以外が実際に見ることが難しいため、どのような状態になっているのか確認できません。
そのため、写真などで工事の状態や仕上がりを見せてもらえると安心です。
逆に、写真を断るような業者は工事への自信がないともいえるので、写真を撮ってほしいと頼んだときの反応でも信頼できるかどうか確認することができるでしょう。
瓦屋根は地震に弱いって本当?
日本で過去に起きた大地震の際に、瓦屋根の住宅の倒壊が相次いだため、瓦屋根は地震に弱いという話が広がりました。
しかし、実際には瓦屋根の重さだけが住宅倒壊の原因ではありません。
そもそも瓦屋根住宅は瓦の重さに耐えられるような構造になっており、むしろ耐震性が高い住宅と言われていました。
では、なぜ大地震の際に瓦屋根住宅の倒壊が多かったのかというと、住宅の経年劣化が原因であったそうです。
瓦屋根の地震対策はどうすればいいの?
瓦屋根の地震対策は、家の定期的な点検やメンテナンスです。
家自体が瓦屋根の重さに耐えられるような状態かどうかを定期的に点検し、補修すべきところは補修するということを行うことで瓦屋根でも耐震性を保てます。
耐震性が心配な場合は、家の構造・木の状態・屋根材など全体的な状態を確認してもらいましょう。
仙臺屋根屋の瓦屋根の修理実績
仙台市泉区での実績
施工内容 | 瓦を利用して防水シート張替え工事 |
---|---|
施工前のお悩み | 度重なる地震で防水シートが切れて雨漏りしてきたので、現在の瓦をそのまま利用して雨漏れを直したい。 |
施工後のお客様の声 | 防水シートと瓦の固定もして頂いたので、地震や台風が来ても大丈夫です。 |
施工期間 | 令和3年4月3日~4月11日(9日間) |
築年数 | 38年 |
施工費用 | 82万円(税別) |
㎡数 | 92㎡ |
使用材料 | 田島タディスセルフカバー 樹脂製下地材 |
まとめ
瓦屋根は日本で古くから使用されている人気がある屋根材です。
耐久性やデザイン性が高く住宅に高級感を演出できます。
しかし、台風や豪雨で瓦が破損したり雨漏りがしたりする場合もあり、そんなときはリフォームが必要です。
瓦屋根のリフォームには、補修工事・葺き直し工事・葺き替え工事などがあります。
破損した部分の大きさ・屋根の使用年数・屋根材の傷み具合などによって工事内容が変わります。
一部を補修する補修工事の場合は、費用が安くなることも多いので、瓦の破損を見つけたらできるだけ早く修理しましょう。
瓦屋根の葺き替えをする際には、屋根材の変更も可能です。
地震が心配なので軽い屋根材にしたい、葺き替え費用を抑えたいという場合には違う屋根材に変更することも考えてみましょう。